フードテックスタートアップ5選 ──食の課題をテクノロジーで解決する新たな挑戦

フードテックスタートアップ5選 ──食の課題をテクノロジーで解決する新たな挑戦

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世界的な人口増加や気候変動、異常気象、地政学的リスクの高まりを背景に、食料の安定供給や持続可能な食料システムの構築が重要な課題となっている。日本でも食料自給率の向上や食品ロスの削減、環境負荷の低減などに加え、食料安全保障の観点からも、食のバリューチェーン全体を支える新たな技術への関心が高まっている。

こうした中で注目されているのが「フードテック」だ。発酵技術や細胞培養、植物分子農業、微細藻類、食品加工技術などを活用し、食料の生産や製造をはじめ、食に関わるさまざまな課題の解決を目指す取り組みが広がっている。食料の安定供給や品質向上に加え、未利用資源の有効活用や環境負荷の低減、新たな食品や素材の創出にも期待が寄せられる。

政策支援や産学官連携の取り組みも進んでおり、農林水産省が設置した「フードテック官民協議会」には、2026年6月時点で企業やスタートアップ、研究機関などから約1900人が参加している。

本記事では、テクノロジーを活用して食の課題の解決に取り組み、次世代の食産業を切り開くスタートアップを紹介する。

スタートアップ5選

ASTRA FOOD PLAN株式会社

企業HP:https://www.astra-fp.com/ 

食品加工機械の研究開発・販売や食品の開発・製造・販売を手がける。独自開発の食品乾燥・殺菌装置「JOSEN(旧:過熱蒸煎機)」を中核に、規格外農産物や食品工場で発生する食品残さなどの「かくれフードロス」を、高栄養価の食品パウダー「ぐるりこ®」へアップサイクルする事業を展開している。過熱水蒸気技術を活用し、食料自給率の向上や食品ロス削減、環境負荷の低減を目指す循環型フードシステムの構築に取り組んでいる。

2026年2月には、UnlocXがKitchenTown(米国カリフォルニア州サンマテオ)、リバネス、THE SPOON(米国ワシントン州シアトル)と連携して運営する、米国市場参入に特化した食のスタートアップ向けプログラム「Foodtech Cross Bridge Program」に採択された。

インテグリカルチャー株式会社

企業HP:https://integriculture.com/

細胞農業(セルアグ®)の社会実装を目指すフードテック企業。独自の細胞培養システム「CulNet® System」を中核技術に、細胞培養食品の生産技術や細胞培養システムの研究開発を進めている。細胞培養に必要な培地や培養技術の開発に加え、細胞農業のサプライチェーン構築に向けたオープンイノベーションや共同研究、細胞培養用の消耗品・装置の提供などを展開。「細胞農業インフラの発展と普及」を掲げ、持続可能なタンパク質供給や食料安全保障への貢献を目指している。 

2026年7月には、ひろしまインキュベーション&キャピタル、広島ベンチャーキャピタル、大和製罐、博報堂DYベンチャーズ、山梨中銀経営コンサルティング、浜野製作所、リバネスキャピタルから資金調達を実施した。

株式会社ファーメンステーション

企業HP:https://fermenstation.co.jp/

独自の発酵技術を活用し、食品残さなどの未利用資源を高付加価値なバイオ原料へ転換する研究開発型フードテック企業。未利用バイオマスデータベースと微生物ライブラリを基盤に、未利用資源の選定から発酵プロセス設計、成分評価、初期製造までを一貫して手がける。食品や化粧品向けの機能性バイオ原料の開発・販売に加え、パートナー企業との共同開発やOEM・ODM事業も展開し、発酵技術を通じた資源循環型社会の実現を目指している。

2026年6月には、スタイリングライフ・ホールディングス BCLカンパニーとの協業を発表。シートマスク「サボリーノ」のオリジナル原料として、カンロ「ピュレグミ」のアップサイクル原料を開発した。カンロの製造工程で発生する規格外のピュレグミを、ファーメンステーションが独自の発酵技術でアップサイクル。グミの特徴に合わせた条件で酵母発酵させ、化粧品原料となる発酵エタノールを生産する。 

株式会社Kinish

企業HP:https://kini-sh.com/ja/

植物分子農業技術を活用し、イネから牛乳タンパク質を生産する。独自の植物工場技術と小型イネの品種開発を組み合わせ、牛乳タンパク質を含むコメの研究開発を進めている。この技術を活用し、アイスクリームやチーズなど、従来の乳製品に近い美味しさを持つ食品の開発に取り組む。「Food Pleasure with Sustainability(美味しさを、サステナブルとともに)」を掲げ、美味しさと持続可能性を両立した食の実現を目指している。

2025年2月には、ジェネシア・ベンチャーズ、ライフタイムベンチャーズ、Full Commit Partners、三菱UFJキャピタルを引受先とした1.2億円の資金調達を実施した。

株式会社AlgaleX

企業HP:https://umamo.jp/

微細藻類の培養技術を活用し、持続可能な食料・栄養資源の開発に取り組んでいる。独自の藻類発酵技術を基盤に、食品や飼料向けの高機能な藻類素材の研究開発・生産を行う。藻類由来の栄養素を活用した食用藻「うま藻」の開発・販売をはじめ、未利用資源を活用した培養技術の高度化にも取り組む。藻類の可能性を活かし、持続可能な食料供給と環境負荷の低減に貢献することを目指している。

2026年7月には、シリーズAラウンドで、地域と人と未来CJS2号投資事業有限責任組合をリード投資家に、千葉道場ファンド、SMBCベンチャーキャピタル、サーキュラーエコノミー・ネイチャーポジティブ1号ファンド、Future Food Fund、ANA未来創造ファンド、拓南本社、津梁ファンド、琉球銀行を引受先とした、3.5億円の資金調達を実施した。

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