2024年のピッチイベントで優勝したスタートアップ10選

2024年のピッチイベントで優勝したスタートアップ10選

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KEPPLE編集部

目次

  1. 今年の注目スタートアップ、ピッチイベントを振り返る
  2. スタートアップ10選

今年の注目スタートアップ、ピッチイベントを振り返る

国内外で新たなイノベーションが求められる中、2024年も全国各地でさまざまなピッチイベントが開催された。新規事業の創出やオープンイノベーションの推進を目的に、スタートアップ、大手企業、投資家が集まり、革新的なビジネスモデルや技術を持つ企業が次々と登場している。本記事では、今年の主要なピッチイベントで受賞した企業に注目し、その事業内容や成果について紹介する。

ピッチイベントの形式も多様化し、オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型、特定の技術に特化した専門イベント、地域の特色を活かした地方発イベントなど、規模や形態はさまざまだ。審査基準も、従来の事業性や市場規模に加え、社会課題の解決力や持続可能性など、より多角的な視点での評価が広がっている。

これらのイベントは、スタートアップにとって資金調達や事業提携の機会になるだけでなく、ビジネスモデルの強化や業界での認知向上にもつながる。

今回は、2024年のピッチコンテストで受賞したスタートアップを10社取り上げる。

オープンイノベーションバナー

スタートアップ10選

RENATUS ROBOTICS株式会社

IVS2024 LAUNCHPAD KYOTOで優勝

企業HP:https://www.renatus-robotics.com/jp/

同社は、米国に本社を構え、日本に子会社を設立した東大発の物流ロボティクスベンチャー企業。自動倉庫システム「RENATUS」を運営する。RENATUSは、最先端のロボティクス、数理アルゴリズム技術を活用した「ワンストップ梱包」を実現する。ワンストップ梱包とは、ピッキング・集約・箱詰めの全行程を、1人の作業者による一工程だけで完結することができる方式。ピッキングによる人件費の削減が可能となる。

2024年2月には、プレAラウンドにて安川電機を引受先としたSAFE型新株予約権の発行による資金調達を行った。2024年10月には、NEDO「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」STSフェーズに採択された。

株式会社Magic Shields

GET IN THE RING Global Final 2024で優勝

企業HP:https://www.magicshields.co.jp/

高齢者の転倒による骨折を減らす、転んだ時に柔らかい床「ころやわ®」を販売する。ころやわ®は、医療機関や介護施設内における転倒による骨折リスクを軽減する、転んだときに柔らかい床だ。普段の歩行時は硬く安定し、転倒した時には床が柔らかくなることで、転倒しても怪我をしないことをコンセプトとしている。

2023年5月には、Carbide Ventures、ディープコアを引受先とした第三者割当増資により、2.3億円の調達を実施した。2024年12月には、自宅・介護施設向け「ころやわジョイントマット」の販売を開始した。

株式会社Singular Perturbations

 B Dash Camp 2024 Spring in Sapporoで優勝

企業HP:https://www.singular-perturbations.com/

国内外の警察・情報機関向けの犯罪予測ソフトウェア「CRIME NABI」を提供する。CRIME NABIは、いつ・どこで未来の犯罪が起きるかを予測するシステムだ。犯罪発生確率が高いと予測されたエリアを重点的に巡回するルートでは、警備効果が大きく向上する。ほかにも、犯罪予測結果を用いた防犯パトロール支援のモバイルアプリ「Patrol Community」も提供している。ルート作成、パトロール、管理の機能を一括で活用できる。また、ブラジルやホンジュラスなどでもCRIME NABIの有効性の検証を開始している。

2024年4月には、企業・地域のファンコミュニティ形成・マーケティング支援サービス提供の強化を目的として、ファンベースカンパニーと業務提携を行った。

 株式会社SAMANSA

 B Dash Camp 2024 Spring in Fukuokaで優勝

企業HP:https://about.samansa.com/

ショートフィルム配信サービス「SAMANSA」を運営している。世界の短編映画・ドラマなどを多言語化し、配信している。月額370円で世界中のショート映画を視聴することができ、1作品は約3〜29分で制作されているため、通勤時間や空いた時間などを活用して手軽に楽しむことができる。

2024年5月には、GENDA Capitalを引受先とした資金調達を実施した。2024年6月には、人気イラストレーター「旧都なぎ」のショートアニメを「エフェメール」期間限定で配信することを発表。日本のショートアニメの配信は初めてとなる。

株式会社ファーメンステーション

SusHi Tech Tokyo2024 Global Startup Program、JOIF STARTUP PITCH 2024で優勝

企業HP:http://www.fermenstation.jp/

岩手県奥州市の休耕田で栽培された無農薬・無化学肥料のオーガニック米を発酵・蒸留してエタノールを製造している。残った発酵粕も化粧品の原材料に使用するほか、鶏や牛の餌に活用し、さらにその鶏糞や牛糞は畑や田んぼの肥料にするなど、ごみを出さない循環型の取り組みを行っている。

2024年1月には、SXキャピタル、脱炭素化支援機構、宝ホールディングス、TBSイノベーション・パートナーズ、スパークル、他個人投資家などを引受先とした第三者割当増資による2.3億円の資金調達を実施した。

株式会社Malme

ICCサミット KYOTO 2024 スタートアップ・カタパルトで優勝

企業HP:https://malme.net/

建設現場の3D化(BIM/CIM)を総合的にサポートし、現場測量から設計、施工に至るまでの全工程をデジタル化する。導入時は土木の専門技術者がヘルプデスクとなり、クラウドシステムを活用した円滑な情報共有を実現。また、組織のデジタル化に向けて、技術導入の調査から、実務者の育成、推進体制の構築まで、一貫したコンサルティングを提供する。

2024年3月には、シードラウンドにてジェネシア・ベンチャーズ、DEEPCOREを引受先とした第三者割当増資による1.7億円の資金調達を実施した。

株式会社テーブルクロス

インバウンドサミット2024で優勝

企業HP:https://tablecross.com/

訪⽇外国⼈観光客向けプラットフォーム「byFood.com」を運営している。byFood.comは、日本各地の特別な食体験や厳選されたグルメ情報を英語で発信する。また、旅行前の情報収集から現地での飲食店予約、帰国後の日本食品購入まで、訪日客の食に関わる一連のニーズに応える統合サービスをbyFood.com上で展開。さらに、社会貢献活動として、サービス利用1件につき途上国の子どもたち10名分の給食を提供する取り組みを実施。2024年8月末時点で累計約69万食の給食支援を達成している。

2023年4月には、シリーズAラウンドにてkemuri ventures、JTB、ベルトラ、PR TIMESを引受先とした第三者割当増資による3億円の資金調達を実施した。

ノウンズ株式会社

住友不動産ベンチャーサミット2024で優勝

企業HP:https://knowns.co.jp/

消費者向けの商品やサービスを企画する企業が、必要な分だけ消費者分析情報を活用できるSaaSサービス「Knowns Biz」を運営する。企業は、顧客データを簡単に分析し、売上拡大に役立つターゲットや顧客のインサイトを発見できる。独自の分析手法により、顧客の購買プロセスや行動の特徴を詳細に把握し、競合状況も把握可能。さらに、新しいマーケティングアイデアのヒントも見つけることができる。

2024年6月には、プライシング・価格戦略に対するコンサルティング事業を手がけるプライシングスタジオと協業し、リーズナブルな価格調査が可能なプランの提供を開始した。

デジタル・ウィル株式会社

Takeoff Tokyo 2024で優勝

企業HP:https://digitalwill.co.jp/ja/

AI(人工知能)を活用したゲーム配信プラットフォーム「WORTAL」などの開発・運営を行っている。WORTALは、拡大する配信チャネルネットワークとマーケティングを通じて、中小企業のゲーム会社のゲーム配信と収益化を支援する。開発、運営、およびユーザー獲得コストの削減を実現する。

株式会社CROSS SYNC

SHARE SUMMIT 共創ピッチコンテスト2024で優勝

企業HP:https://cross-sync.co.jp/

遠隔ICUサービスを開発・提供する。遠隔ICUとは、複数のICU(集中治療室)をネットワークでつなぐことで、遠隔での診療支援を実現する治療モデルだ。支援センターに常駐する集中治療専門医と、ネットワークを介して連携する医療機関とを結びつけることで、医療従事者がリアルタイムにコミュニケーションを取れる環境を構築。ICUの情報を施設間で共有することで集中治療専門医不足の解決を支援する。またICUから離れた場所でも患者の看守りを可能とするアプリ「生体看視アプリケーション」も提供する。

2024年12月には、「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択され、ベトナム・フィリピンにおいて遠隔ICUと遠隔救急の医療提供体制の構築を図る実証事業を実施すると発表した。

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