代替肉関連事業を展開するフードテックスタートアップ6選

代替肉関連事業を展開するフードテックスタートアップ6選

written by

KEPPLE編集部

目次

  1. 注目集まる代替食品
  2. スタートアップ6選
    • 株式会社Tastable
    • ディーツフードプランニング株式会社
    • ダイバースファーム株式会社
    • ネクストミーツ株式会社
    • DAIZ株式会社
    • インテグリカルチャー株式会社
  3. おわりに

注目集まる代替食品

近年、世界的にSDGsへの意識が高まり、代替肉や培養肉が注目されている。代替肉は植物性や菌類を使った肉の代替品で、培養肉は動物の細胞を培養した肉と同じような食品を指す。国連の世界人口推計によれば、地球上の人口は2022年に80億人、2030年には約97億人へ増加する見通しだ。

世界の人口増加に伴い、食肉需要が高まっている。一方で、畜産由来の温室効果ガス排出など畜産業の地球環境への負荷が懸念され、代替肉や培養肉などが注目されている。矢野経済研究所によると、代替肉や培養肉を含む代替タンパク質の世界市場規模は2021年に4,861億円に達し、2030年には3.3兆円を超えると予想される。

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スタートアップ6選

この領域の上場企業としてはプリマハム株式会社が挙げられるが、今回は未上場のスタートアップ6社を紹介する。

株式会社Tastable

動物性原料不使用の大豆ミート、「NIKUVEGE(ニクべジ)」シリーズを開発・販売する。ハンバーガーパティ、プチバーグ、ハンバーグ、豆乳クリームinハンバーグ、そぼろ、あらびきそぼろの6商品を業務用冷凍食品として販売するほか、家庭用商品の開発を進める。本商品はベジプロジェクトジャパンのヴィーガン認証を取得しており、本物の肉惣菜のような味と食感を再現した製品となっている。

2021年12月に双日と総販売特約店契約(独占販売契約)を締結し、2022年1月に双日、ユニテックフーズ、ロイヤルホールディングス株式会社と植物肉に関する業務提携契約を締結した。また、2022年7月には、双日、フジ日本精糖を引受先とした資金調達を実施した。

株式会社Tastable

  • 設立:

    2021年

  • 企業HP:

    https://www.tastable.jp/

ディーツフードプランニング株式会社

日本の伝統的食材であるこんにゃくとおからを原材料とした、肉や魚の植物性代替食品「Deats (ディーツ)」を製造する。こんにゃく粉のもつ水溶性食物繊維とおからのもつ不溶性食物繊維を摂取でき、肉や魚に比べて脂質・カロリーが低いのが特徴だ。長年の研究による独自技術で、臭いや食感を自在にコントロールし、多種多様なサステナブル食品を展開している。 

2022年3月からはANA(全日本空輸)の国際線ビジネスクラスの機内食として、ヘルシーなカツ丼を提供開始。カツは「Deatsカツ」、米の半量は「Deatsブランドのこんにゃく米」を使用している。

ディーツフードプランニング株式会社

  • 設立:

    2020年

  • 所在地:

    〒150-0021 東京都渋谷区恵比寿西1-3-10 3F

  • 企業HP:

    https://deats.co.jp/

ダイバースファーム株式会社

再生医療の技術を活用した培養肉の開発を進め、細胞培養の元となる動物のタネ細胞生産、基礎研究、料理の開発・提供をする。同社は9年連続でミシュランを獲得する日本料理店「雲鶴」、再生医療ベンチャー「ティシューバイネット株式会社」、鶏農家「株式会社阿部農場」の三者で経営されている。遺伝子組み換えや安全性が確立していない手法を使わず、食べ物として認められている材料のみで培養肉を製造する技術の開発に取り組む。 培養肉は、既存の畜産と比較して水資源を90%、土地を99%低減できるという。 完全無菌状態で培養するため長期間保存や食中毒予防が可能で、疫病による汚染などの影響を受けない。

今後は、培養肉の製造・販売認可を取得後、雲鶴にて「世界初の培養肉懐石料理」として提供開始し、少量高級路線での認知拡大を計画している。また、雲鶴ブランドのECサイト等を通じて調理済みの加工食品の販売を進める予定だ。

ダイバースファーム株式会社

ネクストミーツ株式会社

「NEXT焼⾁」をはじめとした代替肉で作った焼肉、チキンやハンバーガー、牛丼、ツナなどを開発・提供する。また、ECサイトでの販売や代替肉専用のメディアサービス「NEXT MEATS」も運営する。外食では焼肉ライクやパレスホテルで提供される。また日本だけでなくアメリカ、フランス、シンガポール、香港など海外10カ国に展開する。商品は随時バージョンアップし、有名シェフと共同してオリジナルレシピを開発している。

2020年12月には豊田通商とパートナーシップの基本合意を発表し、2021年3月にはVegTech企業21に日本企業として唯一選出された。さらに、2021年に同社の米国法人であるNext Meats Holdings, Inc.はSPACスキームにより米国で実質的に公開企業となった。

ネクストミーツ株式会社

DAIZ株式会社

発芽大豆由来の代替肉「ミラクルミート」を開発・販売する。 
丸大豆を使用することで大豆特有の風味や食感を低減し、独自の大豆発芽技術で旨味やアミノ酸やビタミン等の栄養価を増大させ、肉のような食感を再現。これまで代替肉において課題とされていた、栄養不足や大豆特有の異風味を独自の製法で解決している。

同社は2021年5月に米国・ボストンに子会社・DAIZ USA Inc.を設立。2022年4月にはタイへ「ミラクルミート」を輸出し、現地企業による商品化・販売を開始した。また2023年1月には、植物性由来原料の世界的リーディングカンパニー、Roquetteと資本業務提携を締結。今後は、共同研究による植物由来原料の更なる価値向上や、ミラクルミートを海外生産する体制をつくり、肉・魚・乳代替などの植物性食品の海外供給を目指す。

DAIZ株式会社

インテグリカルチャー株式会社

独自開発の細胞培養技術「CulNet® system (カルネット システム)」を、食品・素材・皮革などをつくるバイオ資源生産技術のプラットフォーム。動物細胞を大規模かつ安価に培養可能で、培養肉を始めとする様々な用途での活用に関する研究を進めており、培養肉の高コストの大きな要因である成長因子(血清様成分)の内製化は既に実現している。

2022年1月には、シリーズA’ラウンドにて、計12社を引受先とした第三者割当増資により総額7.8億円の資金調達を実施した。

インテグリカルチャー株式会社

おわりに

今回紹介した企業は、脱炭素や食糧危機の解決に向けた新たな食を構築している。今後も、代替肉・培養肉関連のスタートアップの動向にはさらに注目が集まりそうだ。


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参考:
国連広報センター「世界人口は2022年11月15日に80億人に達する見込み(2022年7月11日付 国連経済社会局プレスリリース・日本語訳)
矢野経済研究所「代替タンパク質 (植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク)世界市場に関する調査を実施(2022年)

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