次世代養殖に取り組むスタートアップ5選

次世代養殖に取り組むスタートアップ5選

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KEPPLE編集部

目次

  1. 次世代養殖で持続可能な食糧供給へ
  2. スタートアップ5選
    • 株式会社さかなドリーム
    • 株式会社FRDジャパン
    • 株式会社ARK
    • 株式会社アクアステージ
    • 株式会社北三陸ファクトリー
  3. 養殖で次世代の食糧供給支えられるか

次世代養殖で持続可能な食糧供給へ

水産資源の減少や人手不足などが課題となっている漁業において、陸上養殖、IoT技術を活用したスマート養殖、バイオテクノロジーの活用といった次世代養殖が注目されている。

人口増加により、世界の食料事情はますます不安定になっている。農林水産省の「食糧需給表」によると、日本人一人あたりの魚介類供給量は減少しているが、世界的には水産物の需要が拡大している。次世代養殖は、世界の食糧供給を持続可能な方法で支える重要な産業といえる。

矢野経済研究所によると、2022年度の次世代型養殖技術の国内市場規模は、メーカー出荷金額ベースで473億5800万円、2027年度には813億5500万円まで拡大すると予測されている。

こうした技術の進歩と普及は、生産性の向上や環境負荷の軽減、食糧問題の解決に大きく貢献する可能性がある。今回は、次世代養殖に取り組むスタートアップを紹介する。

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スタートアップ5選

株式会社さかなドリーム

企業HP:https://sakana-dream.com/

革新的な品種改良技術で、異なる種類の魚を掛け合わせてハイブリッド魚を開発・生産・販売する水産スタートアップ企業。流通されていない魚のポテンシャルに目をつけ、「ハイブリッド化」と「代理親魚技法」を用いて、新たな魚食体験を提供する。味の良さや養殖のしやすさといった特性を持った二種類の魚を組み合わせるハイブリット化と、移植元の魚の生殖幹細胞を別の魚(代理親)の仔魚に移植することで、成熟した個体がドナー由来の次世代集団を作出する代理親魚技法により、これまで養殖が難しかった魚の安定的な生産に取り組んでいる。

2023年9月には、シードラウンドにて、Beyond Next Venturesを引受先とした第三者割当増資による約1.9億円の資金調達を実施した。2024年4月には、NEDOが実施する「ディープテック・スタートアップ支援基金/ディープテック・スタートアップ支援事業」のSTSフェーズ(実用化研究開発 前期)に採択された。

株式会社FRDジャパン

企業HP:https://frd-j.com/

閉鎖循環式陸上養殖システムの開発を行っている。 閉鎖循環式陸上養殖システムは、バクテリアを活用した独自のろ過技術により、最低限の換水率で水を循環させながら養殖を行う技術のこと。海水や地下水を利用せず、水道水から作った人工海水を完全閉鎖循環させながらサーモンなどの魚の養殖を行うことができる。 

2023年7月には、エア・ウォーター 、STIフードホールディングス、積水化学工業、長谷工コーポレーション、三井住友信託銀行、三井物産、三菱UFJ銀行を引受先とした第三者割当増資と金融機関からの融資による総額210億円の資金調達を実施した。また、千葉県富津市にサーモントラウト陸上養殖商業プラントを建設をすることを発表した。

株式会社ARK

企業HP:https://www.ark.inc/

再生可能エネルギーで稼働する小型閉鎖循環式陸上養殖システム「ARK」を開発する。「ARK-V1」は、10㎡のスペースに設置可能な小型装置。太陽光を活用し、エネルギーコストを削減できる。また専用のWEBアプリで管理が可能。他にも、藻類との混合養殖ができる。「REF-V1」も開発している。

2024年5月には、Future Food Fundを引受先とした第三者割当増資による資金調達を実施した。

株式会社アクアステージ

企業HP:https://www.aqua-stage.com/

完全閉鎖循環型陸上養殖システム「Re-QUA」を開発している。海や琵琶湖から遠く離れた滋賀県内陸部の施設において、水の入れ替えなし(補水のみ)でトラフグやヒラメなどの養殖を行い、適時・適量の活魚を安定的にレストランやホテルなどに提供している。また、パートナー企業にはRe-QUAをレンタルし、育成指導及びメンテナンスをサービスとして提供も行っている。

2019年2月には、しが6次産業化ファンドを引受先とした資金調達を実施した。

株式会社北三陸ファクトリー

企業HP:https://kitasanrikufactory.co.jp/

うにの再生養殖事業、養殖した製品の販売、運営を行う。うに再生養殖事業では、海藻や野菜など未利用バイオマスを再資源化した飼料の開発や、短期間で実入りが改善する飼料の開発に取り組んでいる。これらは、北海道大学などの研究機関や事業者と協力して進めている。

2023年12月には、オイシックス・ラ・大地を引受先とした第三者割当増資による資金調達を実施した。

養殖で次世代の食糧供給支えられるか

次世代養殖技術は、持続可能な食料供給を支える重要な技術だ。革新的な取り組みと技術の発展に期待が高まる中、未来の食料安全を確保するためにさらなる進展が期待される。

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※農林水産省「令和4年度食料需給表」
※矢野経済研究所 「次世代型養殖ビジネスに関する調査を実施(2023年)

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