生成AIによるキャリアコンサルがもたらす、誰もがキャリアアップを目指せる社会

WED株式会社(旧ウォルト)を創業し、「レシートを現金化するアプリ」として話題を集めた山内奏人氏が、2024年に新たなスタートアップ「あたらしいインターネット株式会社」を設立。Z Venture CapitalとEast Venturesをリード投資家とし、累計で約1億円の資金調達を完了した。検索エンジンに代表される従来型インターネットの枠を超え、「すでに認知している情報を蓄積・再利用する仕組み」を構築することを目指している。
同社は「人類のための道具をつくる」ことを掲げ、インターネット技術、ソフトウェアおよびハードウェアの研究開発を推進している。主力プロダクトである「Savespace」は、ウェブページ、画像、音声、動画、PDFといった多様な情報を保存・分類・要約する知識管理ツール。2024年10月にリリースされて以降、グローバルに利用が広がっている。
代表の山内氏は、「自分だけの本棚のように、個人が大事だと思った情報を無制限に放り込める“ガラクタ箱”のような存在を目指した」とサービス開発の背景を説明する。ユーザーはレシピや論文、SNSの投稿などを自由に保存し、自動で要約・整理される設計が特徴だ。
現在は個人向けのフリーミアムモデルを採用しており、ウェブページや画像、音声、動画、PDFといった情報を1GBまで無料で保存できる。1GBを超えると有料プランへの切り替えが必要となり、5.99ドルで32GBまでのプランが提供されている。有料モデルの展開については、「法人向けのグループウェアに特化するのではなく、あくまで“個人が使う道具”として開発を進めていく」としている。
また、記憶の拡張を目指したウェアラブルデバイスの研究も進行中だ。これは「人間が見たものをすべて記録する」ことを目指すもので、マッチ箱サイズの小型デバイスにより、生活の中での情報蓄積を可能にする構想だという。「第三の目、あるいは第三の脳のような存在をデザインしたい」と山内氏は話す。
同氏は、15歳でウォルト株式会社(現WED株式会社)を創業。2018年にはレシート買取アプリ「ONE」をリリースし、消費者が日常の購買データを価値として交換できる仕組みを構築。ミレニアル世代を中心に広く支持を集め、ダウンロード数は累計300万件を超えた。若年起業家として早期からメディアに登場し、テクノロジー業界の注目を集めてきた人物である。
WEDで約8年間にわたってサービス開発と経営に取り組んできた山内氏は、ユーザー体験やインターフェースの設計にこだわり、人が心地よく使える技術のあり方を模索してきた。一方で、退任前の約半年間、これまでを振り返るなかで、「自分たちの事業が人の幸福や社会全体にどれほど貢献できていたのか」と考えるようになったという。
その過程で、技術とは本来、人間の能力を拡張するものであるべきだとの思いを強くし、「もう一度、人間のための道具をつくることに立ち返りたい」と考えたことが、新会社創業の原点になっている。「あたらしいインターネット」という社名は、「インターネットの役割が“新しい認知”から“既知の情報の保存と活用”にシフトしていくべき」という山内氏の考えのもと付けられた。
既に40カ国語に対応しており、アメリカを中心に、インド、韓国、台湾、ヨーロッパ諸国などで利用が拡大している本サービス。今後は、プロダクトの多言語対応をさらに進めながら、より多くの国・地域での活用を促進していく構えだ。
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