ディッシュウィルが植物性食品で目指す、サステナブルな食の生産

ディッシュウィルが植物性食品で目指す、サステナブルな食の生産

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KEPPLE編集部


プラントベースフードの製造販売を行う株式会社ディッシュウィルが、J-KISS型新株予約権による資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、HAKOBUNE、TPRの2社。

今回の資金調達によりTPRとの協業による植物工場の建設、およびシンガポールでの製品販売を目指す。

垂直統合モデルでプラントベースフードを量産

同社は、大豆などの植物由来原料を用いて肉に近い食感や味を再現する、プラントベースフードの製品企画を行う。

パティやチャーシュー、ゆでたまご風食品などの食品を製造している。同社が製造するプラントベースフードは、国内五つ星ホテルのヴィーガン向けメニューへ採用された実績を持つ。

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大豆ベースのプラントベースフード製造には、素材となる粒状大豆たんぱくの生産など、中間の加工プロセスが発生する。今後は、大豆を用いた食品の製品企画に限らず、大豆の生産や加工までを自社で新設する工場で行う計画だ。

工場イメージ
人口増加を背景とした食料不足が懸念される中、同社は環境変化に左右されない食品生産の仕組みを目指している。まずは大型のコンテナ内に植物工場を設け、コンテナを物理的に積み上げることで生産能力を高める狙いだ。

今回の資金調達に際して、代表取締役 中村 明生氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

環境への懸念で注目集まるプラントベースフード

―― プラントベースフードが求められる背景について教えてください。

中村氏:プラントベースフードが必要とされる背景の一つは、地球環境への影響です。例えば、食肉になる牛のゲップにはメタンガスが含まれ、これがCO2の約25倍の温暖化効果を持つとされています。加えて、牛の飼育には膨大な水と大豆が必要で、大豆を生産するために森林伐採されてしまうこともあります。これが地球環境を悪化させる要因となります。

これらの課題に対処するために動物を品種改良する取り組みもありますが、容易ではありません。また、食料生産を増やすための飼育方法の一部は、倫理的にも疑問視されています。例えばフォアグラは、ガチョウやアヒルに大量の餌を与え、敢えて太らせることで食材として提供されますが、一部の国では、フォアグラの生産を禁止するほど問題視されています。

こうした背景もあり、現在では地球環境や動物への影響を減らし、大豆やえんどう豆などを用いてお肉を再現するプラントベースフードに注目が集まっています。

―― なぜ大豆を工場で生産する必要があるのでしょうか?

国内ではすでに多くの大豆が生産されており、農家の広大な土地で生産するほうが原価も安く済みます。一方で、為替の問題や物価上昇が続く中で、将来も同じように生産できるかはわかりません。一部の国では、近隣諸国で戦争が起こるリスクから、食料自給率の向上が安全保障と結びつくこともあります。そのため、政治・経済的なリスクに影響されずにプラントベースフードを生産する仕組みを持つことは非常に重要だと考えています。

―― 御社のプラントベースフードには、どのような特徴がありますか?

プラントベースフードは、海外を中心に日本でも徐々に普及しています。よく話題に挙がるのは、味と価格が不釣り合いであるという点です。豆の匂いが残ってしまっていたり、添加物を多く使っているものもあります。

お肉イメージ
当社の製品には、香料や天然着色料などを使用しています。安全な添加物を最小限の範囲で利用することで、消費者の信頼性も担保します。

日本は、昔から美味しい食品を作る能力に優れています。日本企業が販売するプラントベースフードも、美味しいものがほとんどです。当社も味はもちろん、お肉と変わらない食感など、こだわって研究開発しているので製品には自信があります。


―― 創業のきっかけを教えてください。

新卒では、豆腐関連事業を手掛ける企業で経験を積みましたが、リーマンショックなどの影響を受けて倒産してしまいました。そこからMBOを経て、食品関連企業のコンサルタントとして長く従事していたことは創業のきっかけの一つです。

いつかは自分で起業するという思いを抱えていたこともあり、これまでの経験を活かして食品分野で事業を行おうと、ディッシュウィルを2022年に創業しました。環境変化に左右されない食の生産を目指し、プラントベースフードの事業に取り組んでいます。

環境変化に左右されない食料の生産を目指す

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

国内にショールームとなるような植物工場をつくり、シンガポールへの製品輸出を実現するための資金として調達を行いました。

今回株主となっていただいたTPRは車の部品メーカーです。彼らが部品生産で培った技術を植物工場に応用し、電気を使用せずに工場を運用する方法の検証が目的の一つです。工場内で生み出した電気で植物工場を運用し、酸素を生み出すモデルを構築したいと考えています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

まずは食料自給率が低く、日本からの距離も遠くないことや金銭に余裕のある人も多いことから、シンガポールに製品を輸出して市場を開拓することが足元の目標です。

その後は、工場や製品販売の拠点を増やしていきます。シンガポールの次には、似た特性を持ち、宗教上肉を食べることができない人の多いUAEへ、2024年中には進出する計画です。将来的にはヨーロッパやアフリカにも展開していきます。

また、2028年頃のIPOも視野に入れています。水や電気などの資源が限られた場所でも大豆の生産や加工まで完結できることを示すことで、日本の技術力の高さを、改めて世界に広げていきたいと思います。

株式会社ディッシュウィル

株式会社ディッシュウィルは、植物工場での穀物生産からプラントベースフード加工までを行う企業。 同社は、植物工場で大豆などの穀物を生産し、プラントベースフード製品を開発する。同社のプラントベースフード製品には、ビーフ風バーガーやフィッシュ風バーガー、チャーシュー、フォアグラなどがある。 また同社は、食品OEM受託事業や、コンサルティング事業を運営する。

代表者名中村明生
設立日2022年7月7日
住所東京都中央区日本橋富沢町四丁目10番
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