Morus株式会社

世界的なタンパク質危機、救世主は昆虫食か
肉や魚等の需要が供給を上回りバランスが崩れる「タンパク質危機」は、2025年から2030年頃から始まると予想されており、今後世界人口の増加や新興国の経済成長によって問題はより現実味を帯びている。
対して、畜産や大豆などの植物性タンパク質の生産は環境負荷や持続可能性が懸念されているため、世界では代替タンパク質に焦点が当てられている。
代替肉、培養肉、藻類などが新たな選択肢として台頭しており、2022年の代替タンパク質の世界市場規模(植物由来肉・シーフード、培養肉・シーフード、昆虫タンパクなどを含む)は約6395億円(メーカー出荷金額ベース)と推定される。2035年には4兆円を超える見通しだ。※
こうした中で注目を集めているのが、昆虫をタンパク源とする食品、いわゆる「昆虫食」である。代替肉などと比較して、低コストでありながら効率的に動物性タンパク質を摂取できる点が特徴だ。
以下では、昆虫食の商用化に先行して取り組む国内スタートアップを紹介する。
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Morus株式会社
企業HP:https://morus.jp/
カイコを利用したバイオ原料を産業別の用途に応じて供給している信州大学発のスタートアップだ。カイコ由来の抹茶プロテインを生産しており、シンガポールでの販路を拡大している。
MorSilk®︎ Powderは、従来利用されてきた乳成分由来のパウダーよりも環境負荷の低いプロテインを有しており、カイコ由来の機能性栄養素も付加価値として期待されている。
2024年の4月にはシンガポール支社の設立も発表し、アジア諸国での生産と販売を見据えている。
株式会社エコロギー
企業HP:https://www.ecologgie.co.jp/
昆虫コオロギの生産、加工、流通を自社でワンストップで行う早稲田大学発ベンチャー企業。主な製品には、コオロギを原料としたエコロギーパウダー、エコロギーエキス、コオロギ味噌、醤油、爬虫類ペットフードがある。同社のコオロギ原料は、エビやカニのような風味と強い旨みを持つのが特徴で、自然由来の高タンパク質原料だ。さらに、亜鉛や鉄分などのミネラルも豊富に含み栄養価も高い。
株式会社ODD FUTURE
企業HP:https://www.oddfuture.net/
プロテインやアミノ酸のOEM製造を中心に、原料販売やシェーカーのOEM製造など、幅広いサービスを展開している。ホエイ、ソイ、ピー、ヘンプなど多様なタンパク原料を取り扱い、顧客のニーズに合わせた製品開発を行っている。
また、コオロギを用いた代替タンパクブランド「INNOCECT(イノセクト)」を展開し、サステナブルな食の選択肢として注目されている。
2024年5月には、デジタルメディア事業を行うキュービックが、グループジョインした。同社は、キュービックグループの子会社でインキュベーション事業を行うアンパサンド株式会社のもとで、フードテック事業を推進する。
TAKEO株式会社
企業HP:http://about.takeo.tokyo/
昆虫食品の開発・製造・販売を手がけており、オンラインショップや実店舗を通じて商品を提供している。主な製品には、香る昆虫飲料「タガメサイダー」、日本各地の食用昆虫生産者にフォーカスした「国産昆虫シリーズ」、昆虫ふりかけ「ふりふりちょい虫」などがある。また、食用昆虫の養殖事業「むし畑」を展開し、弘前大学と共同でトノサマバッタの商業的養殖技術の研究開発にも取り組んでいる。2022年にはニチレイと資本提携し、冷凍食品分野への展開も始まっている。

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※矢野経済研究所 「代替タンパク質 (植物由来肉、植物由来シーフード、培養肉、培養シーフード、昆虫タンパク)世界市場に関する調査を実施(2023年)」