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オーガニックの超吸水性ポリマーを開発・製造するEF Polymer株式会社は、シリーズBラウンドのファーストクローズとして、総額10億円の資金調達を実施した(第三者割当増資)。
今回の資金調達には、既存株主のユニバーサル・マテリアルズ・インキュベーター(UMI)、MTG Venturesのほか、新たに琉球銀行、Future Food Fund、津梁ファンドが参加した。シリーズBラウンドのセカンドクローズは今夏に予定されている。
同社は、オレンジやバナナの皮などの農業残渣を原料とした100%オーガニックの超吸水性ポリマー「EFポリマー」を提供するスタートアップである。2020年にインドで販売を開始して以来、日本、米国、フランスなどに市場を拡大。累計約400トンの販売実績を持ち、現在20カ国以上で実証実験や商談を進めている。
さらに、農業分野にとどまらず、化粧品や日用品向けの増粘剤、生分解性保冷剤「Cy-Cool」、吸水シートなどにも応用が進んでいる。石油由来原料の代替として注目されており、グリーントランスフォーメーション(GX)を後押しする技術として評価されている。
代表取締役であるナラヤン・ラル・ガルジャールは、インド・ラジャスターン州出身。農業大学で農業工学を専攻し、高校生時代に水不足に悩む父親の姿をきっかけに、自然由来の吸水性素材という技術コンセプトを考案した。20歳のときに起業し、2019年には沖縄科学技術大学院大学(OIST)のアクセラレーターに採択されたことを契機に来日。その後沖縄に本社を設立した。
「EFポリマーの使命は、水に関する課題を解決し、農家の暮らしをより良くすることです。また、当社の技術を幅広い業界に展開することで、持続可能な社会の実現にも貢献できると確信しています。今回のシリーズB資金調達は、グローバルな事業展開や研究開発をさらに加速させ、循環型かつ持続可能なモデルの実現に向けた大きな一歩となります。」とコメントしている。(一部抜粋)
今回の調達資金は、研究開発の加速、組織体制の強化、国内外での事業拡大、海外製拠点の設立に充当する計画だ。
さらに、国立研究開発法人NEDOの「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」に採択され、2025年度から2028年度までの3年間で最大8億円の補助金を受け、研究開発および事業の加速を図る予定である。
今後は、ポリマー原料の多様化、資源循環型モデルの構築、農業分野における新製品開発、生産体制の強化、非農業分野での応用製品の開発など、研究開発の幅を広げていく方針だ。
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