メタセンシング、アタッチ式ラマンセンサーと生成AI統合プラットフォームで3.6億円調達

メタセンシング、アタッチ式ラマンセンサーと生成AI統合プラットフォームで3.6億円調達

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メタセンシング株式会社は、ベンチャーキャピタルファンドである環境エネルギー投資、ジェネシア・ベンチャーズ、PKSHA アルゴリズムファンド、Nagase Future Fund 1号を通じて、シリーズAラウンドにおいて総額3.6億円の資金調達を実施した。

同社は2023年に設立。ラマン顕微鏡をアタッチ式センサー「Raman EYEシリーズ」として標準顕微鏡に即座に装着できる製品を開発し、ユーザーの直感操作と生成AIによる自動分析を組み合わせている。従来比1/10程度の導入コストで、計測の専門知識がなくとも誰でも利用でき、製造業や研究現場のインフラ普及を目指している。主な用途として、製剤・ケミカル・食品・電池・化粧品など多分野での展開を進めている 。

代表取締役の奥野義人氏(工学博士)は、創業以来同社を率いており「誰でも正確にモノづくりできる世界」を目指すと述べている。また、「今回の投資は、技術と現場の融合による社会実装を飛躍的に加速する大きな転換点になります。素材の知、現場の知、そして AI の知。この 3 つを結びつけるインフラを、私たちはつくっていきます。」とコメントしている。(一部抜粋)

業界背景として、日本国内外では製造業のDX化や研究開発の高速化が喫緊の課題となっている。ラマン分光技術は高精度分析に有効とされるが、従来装置は大型かつ高額で専門性が必要だった。こうした課題に対し、同社の製品は低コスト・高汎用性・AI支援による自動化で対応しつつある。同分野の競合企業としては、大型装置を扱うラマン装置メーカーやAI解析ソフト企業などがあるが、現場起点のアタッチ型ハードとAI統合を実現できている点が特徴である 。

本資金調達は、同社の技術と現場導入推進フェーズへの移行と捉えられる。今後、生成AI連携の深耕と次世代ハードの量産化が鍵となる。国内外での展開や事業開発、採用強化により、製造業のDXを支える新たな解析インフラの構築が期待される。

画像はメタセンシングHPより

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