次世代水産養殖技術を手掛けるリージョナルフィッシュ、シリーズCで約40億円の資金調達を実施

次世代水産養殖技術を手掛けるリージョナルフィッシュ、シリーズCで約40億円の資金調達を実施

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KEPPLE編集部

ゲノム編集技術とスマート養殖技術を活用するリージョナルフィッシュが、2024年12月、シリーズCラウンドにて総額40.7億円の資金調達を完了したと発表した。このうち、第三者割当増資による調達額は30.2億円、残りの10.5億円は三井住友銀行や京都中央信用金庫などからの融資によるものである。

同社は2019年4月に設立され、京都大学や近畿大学の研究成果を基盤としている。ゲノム編集技術による品種改良と、IoTを活用したスマート養殖技術を組み合わせたソリューションを提供する。具体的には、可食部が増量されたマダイ「22世紀鯛」や、成長速度が早いトラフグ「22世紀ふぐ」などを開発し、効率的かつ持続可能な水産物生産を可能にしている。

この技術により、水産業界が直面する「水産資源の減少」や「地球温暖化による漁獲量の減少」などの課題解決を目指している。従来の養殖技術に比べ、生産効率を大幅に向上させ、安定した水産物供給を可能にすることが期待されている。

代表取締役社長の梅川 忠典氏は、大学卒業後、デロイトトーマツコンサルティングに入社。電力・ガス業界の大手企業に対して戦略・業務・システム・M&Aに係る経営コンサルティング業務に従事した。その後、産業革新機構に転職し、大手・中堅企業に対するバイアウト投資および投資先の経営に携わる。京都大学で水産物のゲノム編集の第一人者である木下政人准教授との出会いをきっかけに、リージョナルフィッシュを創業した。

近年、地球温暖化の影響で海水温が上昇し、水産業に多大な影響を及ぼしている。従来の漁獲や養殖が困難になる中、高温耐性を持つ魚種の開発は急務となっている。リージョナルフィッシュは、こうした課題に対応するため、高温耐性に重点を置いた品種改良を進めており、一部の品種ではすでに成果を上げている。

今回の資金調達には、既存株主である中信ベンチャーキャピタルやSMBCベンチャーキャピタルに加え、新規株主としてセブン-イレブン・ジャパンや大和ハウスベンチャーズなどが参加している。これにより、さらなる連携強化が期待される。同社は、調達した資金を活用し、地球温暖化に対応した品種の研究開発や量産化に向けた試験、人材採用を加速させるとしている。

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