水問題の解決に取り組むスタートアップ5選

水問題の解決に取り組むスタートアップ5選

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KEPPLE編集部


Index

  • はじめに
  • スタートアップ5選
    • サステナウォーター株式会社
    • WOTA株式会社
    • アクアムホールディングス株式会社
    • ENELL株式会社
    • アクアテック株式会社
  • おわりに

はじめに

世界的に水問題への関心が高まり、SDGsの6番目のゴールとして「安全な水とトイレを世界中に」が掲げられている。同様に、国連は水関連の課題に対する国際社会の関心を喚起し、解決に向けた取り組みを促進するために2018年から2028年を「水の国際行動の10年」と位置づけている。

世界の水資源には深刻な問題が存在する。人口の増加や気候変動の影響により、世界的に水不足が深刻化している。特に乾燥地域や開発途上国では、十分な水の確保が困難な状況にある。また、工業化や農業の発展に伴い、水質汚染が進行し、飲料水の安全性が損なわれている地域もある。

NIKKEI COMPASS※1によると、水処理ビジネスの国内市場規模は、約1兆5000億円にものぼる。調査会社の新社会システム総合研究所※2によると、2022年の世界の水処理・水利用ビジネスの市場規模は約110兆円。東南アジア、中東、北アフリカ地域では年間10%以上の高い成長が見込まれるという。

これらの課題を解決するため、世界中で多くのスタートアップが活動し注目されている。技術革新や創造的なアプローチを通じて、水問題の解決に貢献し、より持続可能な水資源管理と安全な飲料水へのアクセスの実現に向けて、世界中で期待されている。

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スタートアップ5選

サステナウォーター株式会社

企業HP:https://sustainawater.com/

空気から淡水を生成するAWG(大気水生成装置)を開発する。2023年4月にケーブルや医療用チューブの製造販売と食品の生産を行う金子コード、新事業創出支援のコンセラクス、サステナウォーターの代表取締役を務める松田 勝一郎氏の共同出資で設立された。

同社は、インドのテクノロジーベンチャー企業であるウラブ・ラブス社と提携し、彼らの持つ吸湿材の技術と日本の卓越した製造技術を組み合わせ、先進国向けに小規模、省エネルギーで効率よく水を生成する装置の商用化を目指している。現在は試験装置を製作し、製造会社や素材メーカーの協力を得ながら改良を重ね、開発を進めている。

2023年11月には、シードラウンドにてアニマルスピリッツを引受先とした第三者割当増資による、3000万円の資金調達を実施した。

WOTA株式会社

企業HP:https://wota.co.jp/

水処理装置を開発。主力商品の持ち運び可能な小型の水処理システムでは、ダムや大規模な水処理施設が不要なため、災害時や水が枯渇している地域でも水を使うことができる。独自のセンサー技術と人工知能(AI)による機械学習の機能を組み合わせて水質を詳細に分析し、その結果から自動的にフィルターにかける水圧などを調整したり、塩素や紫外線で殺菌したりすることで、水道につながずに水を供給できる、

2023年6月には、シリーズBラウンドにて日本政策投資銀行や脱炭素化支援機構など計31社及び個人投資家を引受先とした第三者割当増資による資金調達を実施した。

アクアムホールディングス株式会社

企業HP:https://aquam.jp/

空気から飲料水をつくるウォーターサーバー「EcoloBlue™」を開発・販売している。EcoloBlue™は、空気中の水分から美味しい飲料水を創り出す、画期的なウォーターサーバー。部屋を除湿・空気清浄しながら、1日平均 10 ~ 15L の飲料水を製水する。重たいボトルを交換する必要がなく、コンセントをさすだけで飲料水が飲める。さらに、製水された飲料水はアンチエイジング&美容効果などが期待されているミネラル水素水で、体内に蓄積した悪玉活性酸素と結合し水として体外に排出する役割を果たす。

2023年6月には、Plug and play JapanのアクセラレーターSummer/Fall 2023 Food & Beverage Batch 3に採択された。

ENELL株式会社

企業HP:https://enell.jp/

空気から水を作り出す技術を応用した独立型水源インフラ「無限水」を開発する。無限水は、空気から水を作ることができるウォーターサーバーだ。災害の断水時でも空気から水を作ることができ、ボトル交換不要のため環境にも優しい。NASAも採用する逆浸透膜のROフィルターを使用しており、ほこり、細菌・ウイルス、セシウム・ウラン・ストロンチウムなどの放射性物質よりもはるかに小さい0.0001ミクロンのフィルターのため、純度の高い水を作ることができる。

アクアテック株式会社

企業HP:https://www.aquatechgy.com/

電源接続により空気から水を生成する装置「AIRLITH」を開発・販売する。AIRLITHは、結露の原理を利用して空気から水を生成し、タンクに貯水する装置。 災害時のライフラインである水道の復旧において、電力に比べて長期間を要する課題に着目し、新しい装置を開発。家庭向けの飲料水生成装置に加えて、複数のノズルからの同時給水やシャワー入浴にも対応した産業用の大型装置も販売している。

2022年8月には、三井住友海上火災保険と災害支援に関する共同取り組みを開始した。

おわりに

今回紹介した企業の技術やビジネスは、持続可能な水資源管理や飲料水アクセスの向上に貢献している。今後も、水などの資源や環境に関連した事業を手がけるスタートアップの動向にはさらに注目が集まりそうだ。

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※1 NIKKEI COMPASS 「水処理機器・環境装置 
※2 新社会システム総合研究所 「水処理・水利用の技術と市場2022


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