【ピッチ企業紹介】B Dash Camp 2025 Fall in Fukuoka November 5th – 7th, 2025

【ピッチ企業紹介】B Dash Camp 2025 Fall in Fukuoka November 5th – 7th, 2025

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KEPPLE編集部
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B Dash Camp 2025 Fall in Fukuoka スタートアップの未来を照らすピッチコンテスト開催へ

国内外の有力スタートアップ、投資家、事業会社が一堂に会する「B Dash Camp 2025 Fall in Fukuoka」が、11月5日(水)から7日(金)までの3日間、福岡にて開催される。

本イベントの目玉であるピッチコンテスト「Pitch Arena」には、100社を超える応募の中から書類選考と面談を経て選ばれた12社のスタートアップが出場。11月5日(水)にFirst Round(予選)、6日(木)にFinal Round(決勝)が行われ、審査員による評価により優勝・準優勝・各企業賞が決定される。

主催者の渡辺氏は、今回の登壇企業やスタートアップ業界の動向について「カオスな状況が始まったばかり」と表現。ディープテックや生成AIといったテーマが交錯する中、まさに“次の主役”がどこから現れるかが注目される。

Pitch Arena登壇スタートアップ12選(First Round進出企業)

株式会社3DC

企業HP: https://3dc.co.jp/

東北大学で開発された次世代炭素材料「Graphene MesoSponge®(GMS)」の実用化を進める素材スタートアップ。代表取締役 CEOは黒田拓馬氏。GMSは、世界初となる三次元構造を持つカーボン素材であり、柔軟性・耐酸化性・導電性・構造制御性に優れる。フラーレン(0次元)、カーボンナノチューブ(1次元)、グラフェン(2次元)に続く、3次元の炭素材料として開発された。

主にリチウムイオン電池向けの導電助剤やシリコン系負極材料としての活用が期待されており、電気自動車、スマートフォン、ドローンなどに使用される電池の性能向上を可能にする。GMSは炭素材料の中で構造をコントロールできる特徴を持ち、市場ごとに製品設計をデザインできる。将来的には宇宙、半導体など、より広い範囲の市場への展開を目指している。

2025年には、GMSの世界初の量産施設建設に向け、NEDOの採択とシリーズAラウンドで合計24.5億円の資金を調達した。持続可能なエネルギー社会の実現を目指し、構造制御型炭素材料の新たな地平を切り拓いている。

株式会社AdMel

企業HP: https://www.admel.jp/about

音声広告の配信プラットフォームを提供するスタートアップ。代表取締役は高橋桃花氏。スマートフォン向けゲームやアプリ内で、ユーザー体験を妨げずに広告を届ける独自の音声ネットワークを構築している。

従来の動画広告がゲーム画面を占有してユーザー体験を中断するのに対し、AdMelはゲームプレイを妨げずにブランドメッセージを伝える「ノンディスタービング広告」を提供。ユーザー体験と広告収益の両立を目指しており、同社の説明によれば、テレビCMに並ぶブランド想起効果があるという。また、プレイ継続率やゲーム収益性を損なわないことから、導入事例も増加している。

創業2年目、サービスリリースから半年。音声広告の制作・企画から配信運用まで一貫して提供。国内外のゲーム関連事業者やアドテク業界の関係者からの出資も受けており、音声を軸とした新たな広告の可能性に注目が集まっている。

株式会社AstroX

企業HP: https://astrox.jp/

「宇宙開発で“Japan as No.1”を取り戻す」をビジョンに掲げ、Rockoon方式による衛星打ち上げロケットの開発を進める宇宙スタートアップ。代表取締役は小田翔武氏。2022年5月20日設立、本社は福島県南相馬市。

Rockoon方式は、気球でロケットを成層圏まで運び、空中で分離・発射する仕組みで、AstroXは従来の約1/3コストでの打ち上げ実現を目指す。将来的には洋上からの展開にも対応し、発射場所の柔軟性が高いのも特徴。

2024年11月には、福島県南相馬市で地上からのロケット打ち上げ試験に成功。今後はRockoon方式での実証も予定されている。ロケットに加え、衛星事業を含む垂直統合型の展開も視野に入れている。

株式会社CAPER

企業HP: https://caper.co.jp/

AIを活用したタレントデータベースを開発・提供するスタートアップ。代表取締役は山下俊氏。YouTube、note、インタビュー記事、LinkedInなどのオープンデータをAIで自動収集・解析し、個人のスキルや興味関心を可視化。求人要件を入力するだけで、AIが最適な候補者を提案する。

さらに、企業ニュースや市場動向をAIが分析し、リストラ発表など採用タイミングの変化を検知。最も効果的な時期にアプローチできる仕組みを備える。

現在、約100万人の候補者データを保有。今後は1000万人、5年以内に労働人口6000万人を対象に拡大し、将来的には日本の人口全体をカバーする「日本最大のタレントインフラ」を目指している。

株式会社Carnot

企業HP:https://carnot.ai/service

同社はノーコード×生成AIの業務自動化プラットフォーム「jinbaflow(ジンバフロー)」を開発・提供。代表取締役は松森匠哉氏。

チャットで業務内容を指示するだけで、ノーコードのワークフローとコード生成が同時に行えるのが特徴。専門知識がなくても短期間で業務を自動化でき、内製化を支援する。

生成AIによるPOCを多数実施したい企業に対し、従来は数億円規模だった構築コストを数百万円に抑えることも可能。現在この領域に本格参入する国内スタートアップは少なく、同社は希少なプレイヤーとされる。

プロダクト公開から約1年でARR数億円規模に成長し、大手銀行、商社、製造業などへの導入が進んでいるという。米国法人も設立され、共同創業者が現地での営業活動を展開。サンフランシスコのスタートアップイベントにも登壇し、グローバル展開を強化している。

株式会社Kailas Robotics

企業HP:https://kailasrobotics.com/

小型・高性能なロボットアーム「MobiRobo(モビロボ)」を開発するロボティクス・スタートアップ。埼玉県川口市を拠点に、モンゴル人を中心としたエンジニアチームで開発を行う。代表取締役は塩見 佳久氏。

従来「固定された土台が必要」というロボットの概念を覆し、ドローンなど不安定な移動体からでも目標物をつかむことができる革新的なシステム。重量2.5kg、消費電力50W以下の小型軽量設計で、人と同じ環境で動作可能。レイアウト変更や安全柵の設置が不要で、導入コストを大幅に削減できる。

2025年1月、世界最大の家電展示会CES 2025においてInnovation Awardを受賞。モーター、ギアなどのアクチュエーターを内製することで、競争力のある性能と価格を実現している。

株式会社KenRi

企業HP:https://kenrisolutions.com/

法務業務のアウトソーシングとAI活用による業務効率化を支援するリーガルテックスタートアップ。代表取締役は弁護士の西田 燎平氏で、LegalOn Technologies出身。

同社は企業法務における深刻な人材不足に対し、従来の弁護士事務所が抱える課題(タイムチャージ制による高額な費用、品質のばらつき)を解決。既存のリーガルテックサービスが法務人材の補助ツールに留まる中、KenRiはアウトソーシングとAIの組み合わせで「人に代わる」サービスを提供する点が特徴だ。

契約書1枚から固定価格で対応可能。今後は各社のノウハウを入れ込んだ「AI法務員」を構築し、段階的にAI化を進めることで、企業法務の新しいかたちを目指す。

LOMBY株式会社

企業HP: https://lomby.jp/

超高齢社会における人とモノの移動課題を解決する自律走行ロボットを開発するスタートアップ。代表取締役は内山智晴氏。2022年4月設立。基盤設計からソフトウェア開発、オペレーションまで一貫して自社で手がける。

完全自律型の配送ロボット「LM-A」は、信号機や横断歩道も自動認識して走行。2025年5月より東京都八王子市南大沢エリアにて、セブン-イレブンの商品配達サービス「7NOW」で注文された商品を自動配送ロボットで配達する実証実験を開始。国内の屋外ロボット配送における配送可能エリアと対象戸数では最大規模となっている。

スズキ株式会社と共同開発契約を締結し、スズキの電動モビリティベースユニットの技術を活用。また、荷台を取り外して椅子を装着することで人の移動にも対応可能な設計を実現し、物流と人流の両面から地域を支える。

広島工業大学構内や広島市での実証実験も実施。NEDOの「革新的ロボット研究開発基盤構築事業」や東京都の「PoC Ground Tokyo」の支援を受けて研究開発を推進している。

株式会社メデタ

企業HP: https://medeta.co.jp/about/

不妊治療における胚評価の技術革新を目指すバイオヘルスケアスタートアップ。代表取締役CEOは伊藤慎悟氏。代表自身と妻の不妊治療経験が創業のきっかけとなっており、当事者視点から課題解決に取り組む。

独自開発のAI胚評価技術により、体外受精における受精卵の細胞分裂動画をAIで解析し、妊娠可能性を高精度で見極める。従来、初期胚段階で妊娠の成否はほぼ決まっていたが、それを見極める方法がほとんど存在しなかった。大学との共同研究により、世界トップクラスのパフォーマンスを実現している。

生殖医療に関わる医師・胚培養士・研究者が紡ぎ上げてきた"職人技"を、AIやデジタルの力で拡張し、再現性を持って患者に届けることをミッションとする。不妊治療における最大のペインを「命の連続性の喪失感(今回もダメだったという繰り返しの経験)」と捉え、テクノロジーでこの課題に向き合う。

mizuhachi株式会社

企業HP: https://mizuhachi.com/

陸上養殖でウニの育成技術を開発する水産系スタートアップ。代表取締役CEOは高橋優人氏。2022年4月6日設立。

磯焼け海域に存在する身入りが悪いウニを、短期間で歩留15%以上に育て上げる技術を開発。水槽システム、養殖環境、配合飼料など、養殖に必要な一式を自社で研究開発し、時期を問わず通年で殻付きウニを安定供給可能な体制を確立している。ミョウバンを一切使用せず、添加物や保存料を含まない配合飼料により、安心安全なウニを提供。

磯焼け対策としてウニを有効活用することで、海洋環境の保全にも貢献している。

株式会社Reelu

企業HP: https://corporate.reelu.jp/

「日本企業が外貨を稼ぐための人材基盤を作る」をミッションに掲げる、多言語対応人材に特化したスポットワークプラットフォームを展開。代表取締役の今野珠優氏は、新卒でエイチ・アイ・エスに入社後、トラベルテック企業Fun Groupで役員を務めるなど、旅行業界での経験を活かし、コロナ禍以降の深刻な人手不足を背景に創業。

英語・中国語などを話せる人材を、インバウンド対応やグローバルビジネスの現場に1時間単位で手配可能。登録者には動画による言語力・接遇スキル審査を行い、高単価(平均時給2500円、最高時給6000円超)のスポットワークを実現している。

サービス本格稼働から約半年で、旅行会社やホテル、鉄道、クルーズ、アミューズメント施設などに導入が進んでおり、国内外の複数都市・拠点で活用されている。

株式会社スマート修繕

企業HP: https://smart-shuzen.jp/company

大型建物の大規模修繕工事に特化した見積・工事支援サービスを提供。劣化診断から工事会社の紹介、見積取得、査定、比較選定、工事完了までを一貫して支援する。独自の見積データベースを活用した定量的な査定により、工事内容と価格の適正化を実現。

代表取締役はDeNA出身の豊田賢治郎氏。自身の分譲マンションで理事長を務めた経験から着想を得て、DeNA社内ベンチャー制度を活用し創業。

過去2年間で顧客マンションへの訪問は400回超、見積書の精査件数は1000件を超えるなど、現場起点の改善に強みを持つ。

優勝企業はどこだ?Pitch Arenaの結果に注目

Pitch Arenaは、スタートアップにとって自社のビジョンや技術力をアピールする貴重な機会であり、資金調達や事業成長の大きなステップとなる。多様な業界から集まった企業たちが切磋琢磨し、新たなイノベーションやビジネスの展開が期待される。

今年5月に行われた「B Dash Camp 2025 Spring」では、宇宙構造物の設計支援を行う「cosmobloom」が優勝。日本大学の研究室を前身に持ち、宇宙太陽光発電など次世代インフラ開発への貢献が期待されている。準優勝には、ごみを資源に変える小型アップサイクルプラントを開発する「JOYCLE」が選ばれ、いずれも社会課題解決に挑む技術系スタートアップが躍進を遂げた。

今回のPitch Arena Finalでは、どのような革新的なスタートアップが頭角を現すのか。Pitch Arenaファイナルの結果は、KEPPLEが速報でお届けする予定だ。

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