AIで非エンジニアの業務を効率化、「人と協調するAI」の開発を目指す

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KEPPLE編集部


AI技術を活用したワークフロー自動化サービス「Promptflow」を開発する「株式会社Carnot」が、プレシードラウンドにて第三者割当増資による8500万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、HERO Impact Capitalをリードインベスターとして、ANRI、DEEPCORE、および複数の個人投資家。

今回の資金調達により、2023年中のサービス正式リリース、およびリリース後1年間で100万人のユーザー獲得を目指す。

直感的な操作でワークフローを自動化

Promptflowは、誰でも簡単に業務効率化を実現するワークフロー自動化サービスだ。ユーザーが利用するカレンダーやチャットツールなど、さまざまなアプリケーションを連携し、処理を自動化する。

チャット形式でワークフローを作成するため、直感的にワークフローの作成が可能だ。また、ワークフローを作成する際に必要な各種アプリケーションとのAPI連携をAIで代替するため、プログラムに詳しくない非エンジニアでも簡単に利用することができる。

画面イメージ
また、AIを活用することで、従来のワークフロー自動化ツールではプログラミングを要するような複雑な処理も、ノーコードで実現する。

2023年7月時点ではサービスサイトからの事前登録を受け付けており、今後、事前登録者向けに順次サービス提供を開始していく。正式リリースは2023年中を予定する。

今回の資金調達に際して、代表取締役 松森 匠哉氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

パターン化された業務を誰もが自動化する

―― ワークフロー自動化ツールが求められる背景について教えてください。

松森氏:近年、クラウドサービスの導入が一般化し、複数のサービスを導入する企業は増えています。利用サービスの数も増えており、アメリカでは中規模企業でも、100を超えるクラウドサービスを契約していることは珍しくありません。

業務を円滑に進めるためにサービスを導入する一方で、利用サービスが増えれば増えるほど、一つの業務に対して、複数サービスを行き来して作業する必要が生じてしまうことがあります。これでは本末転倒です。

こうした背景から、複数のアプリやツールを連携し、操作を自動化するサービスの需要が世界中で高まっています。

―― 従来のワークフロー自動化ツールにはどのような課題がありましたか?

ワークフロー自動化ツールは、エンジニア向けに設計されていることが多く、エンジニアでない人が自分たちで自動化を進めるには適していないこともあります。

何かを自動化する際には、結果的に短縮される時間と、自動化にかけた時間が見合っている必要があります。初めて取り組む際には学習にも工数がかかるため、簡単な自動化ですらあきらめてしまう人は少なくありません。

しかしながら、要望を持つ当事者自身で業務を自動化することができれば、ダイレクトな業務効率化が実現できるはずです。一度成功体験を持つことでさらなる改善行動を起こすことにつながりますが、足踏みしてしまっている現状があります。

世界に誇れる日本へ

―― 創業のきっかけを教えてください。

幼い頃からテクノロジーに関心があり、知的探求心が旺盛でした。大学では情報工学を用いて人間の知能の仕組みを解き明かす、認知科学という分野を専門に研究に取り組んでいました。

認知科学の研究を続ける中で機械学習分野にも興味を持ち、言語から画像を生成するような生成AIに関する研究は長く続けていました。そうした中でChatGPTなど技術のブレークスルーがあり、これまでの自分の経験や技術を活かし、社会貢献ができると思ったことが創業の大きなきっかけです。

また、私自身が研究者として博士号を取得し、国際会議へ参加することもあり、世界から見て日本の存在感が薄いことに危機感を感じていました。アジア諸国で比較しても、シンガポールや韓国などの国が圧倒的に目立っているんです。

日本が世界でプレゼンスを発揮するためには、技術をもとにビジネスとして収益化し、収益を大学などに還元するエコシステムの循環が重要だと考えています。そのためにはスタートアップがまだまだ足りていないと感じ、Carnotの創業に至りました。

―― ワークフローの自動化には、どのようなきっかけから注目されたのでしょうか?

普段から知的生産性を高めることに取り組んでいて、面倒な作業を自動化するようなプログラムを自分で作成することもよくしていました。一方で、社会に目を向けると、面倒な作業を面倒だと思いながらも続けている人が多いことに気づいたんです。

テクノロジーは人間の生活を便利にするよう発展してきましたが、必ずしも人間がする必要のない業務はたくさん残っています。こうした雑務を自動化することで、人間がより本質的な価値を見出せるような業務に集中できる社会を作りたいと思い、AIを活用した業務効率化のためのプロダクト開発を始めました。

グローバルに自動化の価値を届ける

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

AIの技術進展により、かなりのスピードで新たな技術やプロダクトが開発されており、当社自身もスピード感を高めて研究開発を進めていく必要があるという背景から、資金調達を行いました。

具体的にはPromptflowの機能開発に加えて、独自の言語モデル構築など、基礎研究を加速していきます。さらに英語圏を中心にテクノロジーが進んでいることや、当社自身もグローバルにビジネス展開したいと考えていることから、グローバルな組織体制の強化も目的の一つです。すでに外国人エンジニアの採用も積極的に進めています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

短期ではしっかりとPromptflowの開発を進めてリリースし、本当にユーザーの課題解決に貢献できるのかどうか、ユーザーへのヒアリングを通じて検証していきます。同時に、言語からワークフローを生成するアルゴリズムの精度を高めていくことに注力します。プロダクトの正式リリース後は、1年間で100万人に使っていただけるよう取り組みます。

今後は「人と協調するAI」の構築も目指しています。人間同士で会話しながら物事を進める際は、聞き返したり議論することで良いアウトプットにつながりますよね。一方的に断片的な情報をインプットするのではなく、AIとの対話を通じて、人間が思い描く理想の実現を支援するAIの開発を推進します。

今後も対話ベースで何かを実現するソフトウェアは増えていくはずです。こうした重要技術を磨き上げながら、世界規模で多くの人に利用されるプロダクトを日本から届けていきたいと思います。

株式会社Carnot

株式会社Carnotは、生成系AI(人工知能)を組み合わせたワークフロー構築により、業務効率化を支援するプラットフォーム『Promptflow』の開発などを行う企業。 生成系AIとは、大量のデータを学習し、画像や文章、音楽などさまざまな分野で新しいコンテンツを生み出すことができるAI技術。 『Promptflow』は、業務に合わせたワークフローを構築し、生成系AIとの組み合わせにより、業務効率化を支援するプラットフォーム。実務で活用できるプロンプト(AIに対する指示)検索・共有できる『プロンプトライブラリ』機能を備える。

代表者名松森匠哉
設立日2022年10月20日
住所東京都港区六本木1丁目6番1号泉ガーデンタワー
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