アスエネ、シリーズC2で7.8億円調達──米Iconic Air買収でグローバルGX体制を強化

アスエネ、シリーズC2で7.8億円調達──米Iconic Air買収でグローバルGX体制を強化

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CO2排出量可視化クラウドサービスを提供するアスエネ株式会社は、米国ウェストバージニア州に拠点を置くGHG(温室効果ガス)見える化・メタン漏洩管理SaaSを提供するIconic Air, Inc.の株式を100%取得し、グループに統合したと発表した。

また同時に、シリーズC2ラウンドのファイナルクローズとして、第三者割当増資において新規株式発行で7.8億円を調達、さらに既存株主による株式譲渡(セカンダリー取引)で22億円を実施。これにより同社の累計資金調達額は115億円となった。

アスエネは、CO2排出量の「見える化・削減・報告」を支援するクラウドサービス「ASUENE」などを提供している。一方Iconic Airは、排出量データをより頻繁に計算、可視化、報告するための炭素会計プラットフォームを提供している。

業界背景として、メタンは二酸化炭素(CO2)の約25倍の温室効果を持つとされ、石油・ガス業界において漏洩発生時の環境負荷が極めて大きい。また、米国ではEnvironmental Protection Agency(EPA)による報告義務や欧州での規制強化が進んでおり、事業者にはリアルタイムかつ高精度な排出量算定・監視・報告が強く求められている。今回のM&Aおよび資金調達は、そうした規制・市場の変化を受け、アスエネが国内外での脱炭素支援体制を強化する狙いと読み取れる。

今回の発表内容に関して、アスエネ代表の西和田浩平氏は「世界最大の市場である米国において、NZero社のAI搭載エネルギーマネジメントサービスと共に、私たちは『CO2削減』と『コスト削減』を同時に実現する付加価値をお客様へ届けていきます。」と述べている。(一部抜粋)

さらに、シリーズC2ラウンドではグローバル・ブレインが運営するCVCファンドからの日揮みらい投資事業有限責任組合(LP:日揮ホールディングス、日揮)およびSFV・GB2号投資事業有限責任組合(LP:ソニーフィナンシャルベンチャーズ)、既存投資家である三井住友フィナンシャルグループを引受先とした出資を受け、エネルギーおよび金融の両面から脱炭素推進体制を強化するという。

アスエネは今回のM&Aを通じて、日本国内でのCO2排出量見える化・サプライチェーンマネジメント事業に加えて、Iconic Airの技術を統合することで、排出量可視化のみならず、エネルギー効率化や設備稼働監視などオペレーション全体を包括的に管理する体制を構築する。これにより「環境規制遵守」と「コスト削減」の両立を支援するモデルを強めるとしている。

今後の展望として、アスエネは今回の資本業務提携を基盤に、CO2排出量の見える化から削減・報告・ファイナンス支援までをワンストップで支援するGX(グリーントランスフォーメーション)プラットフォームとして、国内外での事業展開を加速するとしている。

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