人材採用DXの株式会社Reeluが取り組む、15秒動画によるダイレクトリクルーティング

就活アプリ「Reelu（リール）」を運営する株式会社Reeluが、シードラウンドにて、第三者割当増資で約4000万円と日本政策金融公庫からの融資で1000万円、合わせて約5000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、千葉道場ファンド、個人投資家のイセオサム氏、本郷純氏、玉木諒氏、他非公開2名。

調達した資金は、正式版リリース2023年1月目途に向けてのプロダクト開発、エンジニア採用などに充てるという。

15秒の動画、120文字のチャットで就活

株式会社Reeluは、新卒採用における就職活動のためのスマートフォンアプリ「Reelu」を運営している。「1分で4人に出逢える」をコンセプトとして、15秒の短尺動画を活用するダイレクトリクルーティングサービスだ。学生はスマートフォンでプロフィールを登録し、簡単な質問に15秒以内の動画で答える。企業はこの動画を閲覧し、学生の基本属性を加味した上で、スカウトを送ることができる。



既存のダイレクトリクルーティングサービスでは、企業が受け取る候補者の情報は文字や写真が主流だ。Reeluを利用すると、企業は候補者が実際に話している様子から、目線・表情・佇まいといった動的な視覚情報を確認できる。候補者が企業からのスカウトを承諾すると、双方はチャットで繋がることが可能。チャットには120文字の制限を設けることで、形式ばらずにテンポよく会話が交わされることを見込んでいる。

現在は、先行利用ユーザー向けのベータ版を公開中。2023年1月の正式版リリースに向けて開発を進めているという。

Reeluは、利用企業から、候補者の内定承諾1名につき38万円が支払われる設計となっている。今年12月までは先行登録期間につきイニシャルコストは不要だが、2023年1月の正式リリース以降の料金プランについては現在検討中としている。



今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 今野珠優氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

マイノリティの社会進出をあと押しするために

―― Reeluを始めようと思ったきっかけを教えてください。

今野氏：Reeluは友人の転職活動から着想を得ました。彼女は共感性と人間関係構築能力が高く、健全な自己認知力を備えた人物でした。しかし、大学の中退歴と育児によるキャリア中断期間のため、就職活動時の書類選考評価が必ずしも高くなかったのです。その状況を見て、人柄やEQ（Emotional Intelligence Quotient／心の知能指数）など、書類選考時には表出されない人の能力や可能性を「見える化」したいと考えました。

私自身が人事として採用面接を担当していた時、履歴書と顔写真だけでは判断できないケースがよくありました。情報量を比較すると、画像は文字の7倍、動画は文字の5000倍とも言われています。書類選考の前段階で動画が表示されることで、文字情報だけではわからなかった能力や魅力、個性が判断できるようになるのでは、と思ったのもきっかけのひとつです。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

Reeluを通じて、動画による「見える化」だけでなく「測れる化」、社会的に「認められる化」に取り組みたいと思っています。私たちは、これまでマイノリティとみなされていた女性・若者・外国人が自分らしく社会進出するためのトリガーになりたいと考えています。

2030年の労働需要人口は644万人も不足するという調査結果が発表されています。人手不足という大きな社会課題の元では、マイノリティの社会進出は不可欠です。その機会をフラットにすること、また、無理のないきっかけ作りに携われたらと思っています。