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B Dash Camp 2024 スタートアップの成長を後押しするピッチコンテストを開催
テック業界の招待制カンファレンス「B Dash Camp 2024 Fall in Fukuoka」が11月6日から8日までの3日間、福岡で開催される。
本イベントの目玉となるのが、国内外から注目を集める「Pitch Arena」だ。厳選された12社のスタートアップが、ビジネスモデルやビジョンを競い合うピッチコンテストである。100社を超える応募の中から、書類審査と面談を経て選出された企業によるピッチが実施される。
審査には博報堂DYベンチャーズ、East Ventures、野村證券、LINEヤフーなど、国内外の有力ベンチャーキャピタルや大手企業のキーパーソンが名を連ねる。
インターネット業界のリーダーや著名な起業家が一堂に会する本カンファレンスは、次世代のビジネスチャンスを発掘する場として、毎回大きな注目を集めている。Pitch Arena登壇企業12社を紹介する。
Pitch Arena登壇スタートアップ12選
株式会社メタバースクリエイターズ
企業HP:https://metaverse-creators.tokyo/
メタバースの第一線で活躍する日本のクリエイターたちを集め、所属クリエイターが世界で活躍するためのプロダクションサービスを運営している。また、企業・自治体に向けたメタバースコンテンツの企画・制作を手がける。特にVRChat、ZEPETO、Robloxなど世界数億人が利用するグローバルなメタバースプラットフォームに関する知見を多く持っており、世界へ向けたコンテンツづくりを強みとしている。
2024年8月には、シードラウンドにて、NESベンチャーキャピタル、Kulture Fund、SGインキュベート、東大創業者の会ファンドなどを引受先とした第三者割当増資と、日本政策金融公庫からの融資による約1.1億円の資金調達を実施した。
株式会社aiESG
企業HP:https://aiesg.co.jp/
製品およびサービスレベルでのESG分析サービス「aiESG」などの開発を行う九州大学発のスタートアップ企業。aiESGは、製品やサービスの材料データを入力するだけで、サプライチェーンのビッグデータを基にESG状況を可視化・数値化する。従来の温室効果ガス排出量などに加え、約3200のESG指標が測定可能で、強制労働や大気汚染など幅広い項目に対応している。これらの項目を組み合わせて独自の評価指標を作成することも可能。
2023年5月には、シードラウンドにてジャフコグループ、みやびベンチャーズなどを引受先とした第三者割当増資による約1.5億円の資金調達を実施した。2024年2月には、生成AIを用いて客観的に点数化するESG評価サービス「aiESG for IR」の提供を開始した。統合報告書の英語版の文章も読み込むことが可能となり、海外の統合報告書との比較も可能となった。
株式会社ブルーイッシュ
企業HP:https://www.blueish.co.jp/
ウェブシステム開発やスマホアプリの開発などを行っている。同社が提供するOmni Workspaceは、業界特化型のAIワークフローサービスだ。新規事業や既存の課題に合わせて、要件定義から設計、開発、運用までのすべての工程を支援する。さらに、生成AIソリューションの開発も行い、アイデアを出したその日に概念実証(PoC)が可能。
2024年9月には、シードラウンドにてエンジェル投資による約3億円の資金調達を実施した。
Check Inn株式会社
企業HP:https://checkinn.jp/
宿泊施設運営企業向けオールインワンツール「Check Inn」を開発する。Check Innの自社予約システムは、ページ遷移なしでHP上に直接表示され、スムーズに予約ができる。⾃社HPへの予約システムの設置はコード1行を埋め込むだけで簡単に設定できる。ニーズに合わせたプランや追加オプションでアップセルも可能。また、無料の設置代行も提供している。
2023年9月には、プレシリーズAラウンドにてDNX Ventures、サイバーエージェント・キャピタルを引受先とした1億円の資金調達を実施した。
株式会社KaKa Creation
企業HP:https://kakacreation.co.jp/
AIを活用したアニメ制作やコンテンツサービスの開発などを行っている。人間の創造力を基盤に、AI技術をサポートとして活用し、作品を制作。主にTikTokやYouTube Shorts向けに、縦型ショートアニメを手がけている。
2023年11月には、約1.6億円の資金調達を実施した。同時に、AIを本格的に導入したアニメTikToker「ひなひま」をリリースした。
株式会社LX DESIGN
企業HP:https://lxdesign.me/
教育現場向け外部人材活用サービス「複業先生」を提供している。複業先生は、複業で先生をしたい人と学校をつなぐ教育特化型のマッチングサービスだ。教育現場に関わりたい、専門性を教育に活かしたい人材と授業を依頼したい教育現場をつなぐ。
2024年3月には、グローバル・ブレイン、グロービス、MTG Ventures、エンジェル投資家などによる資金調達を実施した。
Omiisay株式会社
企業HP:https://omiisay-service-english--l2320y3.gamma.site/
飲食店や美容院、小売店向けに、海外展開支援サービスを提供。英国で現地法人を設立せずに最短2ヶ月で店舗展開が可能で、初期費用を抑え月額委託費用20%のみで実現できる。これにより資金や人材不足を解決する。
2024年8月には、地方でのイノベーションを推進するSHOGUN PITCH実行委員会が開催したビジネスプランコンテスト「SHOGUN PITCH 2024 ー夏の陣ー」で最優秀賞を獲得した。
株式会社PECOFREE
企業HP:https://pecofree.jp/
スクールランチの予約注文サービス「PECOFREE(ペコフリー)」を提供する。PECOFREEは、お弁当業者の選定から導入、運用までをサポートする。管理栄養士監修のメニューで、最短3週間で導入可能。学生自身がスマホで注文・決済を行うため、職員の手間がかからない。学生の注文状況も簡単に確認できる。2024年10月時点で1200以上の施設が導入している。
2024年6月には、シリーズAラウンドにて、Future Food Fundを引受先とした第三者割当増資による2500万円の資金調達を実施した。2024年3月に行われた調達と合わせたシリーズAラウンド全体の調達額は1.95億円となった。
株式会社レコセレ
次世代の音声AIプラットフォームを開発。営業、テレアポ、顧客満足度調査などの自動架電や、お問い合わせ、予約受付などの自動受電を音声AIで実現する。業界ごとのニーズに合わせた柔軟な開発が可能。
株式会社recri
エンターテインメント・芸術のチケット定期便「recri」を運営している。recriは、ユーザーの好みや予定に合わせて、毎月舞台や展覧会のチケットが届くサブスクリプションサービスだ。自分では選ばない作品や、どこから始めればいいかわからない場合でも、ユーザーのデータをもとに3つのチケットを提案し、その中から選べる仕組みになっている。
2024年8月には、プレシリーズAファーストクローズにて、NES、ユナイテッド、DRG Fundなどを引受先とした第三者割当増資による1億円の資金調達を実施した。
株式会社SAMANSA
企業HP:https://about.samansa.com/
ショートフィルム配信サービス「SAMANSA」を運営している。世界の短編映画・ドラマなどを多言語化し、配信している。月額370円で世界中のショート映画を視聴することができ、1作品は約3~29分で制作されているため、通勤時間や空いた時間などを活用して手軽に楽しむことができる。
2024年5月には、GENDA Capitalを引受先とした資金調達を実施した。2024年6月には、人気イラストレーター「旧都なぎ」のショートアニメを「エフェメール」期間限定で配信することを発表。日本のショートアニメの配信は初めてとなる。
株式会社UKABU
営業トーク支援ツール「UKABU(ウカブ)」の開発、販売を行っている顧客情報や商談用のスクリプトを1クリックで簡単に作成できる。商談中、顧客との会話の流れに合わせて話す内容や質問への回答が自動で表示されるため、上司の同行がなくても営業活動をサポートできる。また、教育や業務準備にかかる時間も短縮することが可能。
2024年10月には、トーク支援ツール「UKABU」のグループ別閲覧制限機能をリリースし、子会社や代理店を含む組織全体で情報管理が可能となった。記録も各種ツールへ連携可能で、どのような顧客から、どの営業が、どんな質問を受けたか、などの利用状況も可視化できる。
優勝企業はどこだ?Pitch Arenaの結果に注目
Pitch Arenaは、スタートアップにとって自社のビジョンや技術力をアピールする貴重な機会であり、資金調達や事業成長の大きなステップとなる。多様な業界から集まった企業たちが切磋琢磨し、新たなイノベーションやビジネスの展開が期待される。
今年5月に行われた「B Dash Camp 2024 Spring in Sapporo」では、犯罪予測AIを用いて警備計画を支援する「CRIME NABI」を提供するSingular Perturbationsが優勝を獲得。その後もブラジルの各州と連携を開始し、CRIME NABIの有効性の検証をを行っている。準優勝には、1話ごとの課金型ショートドラマ配信アプリ「BUMP」を運営するemoleが輝いた。今年秋にはシートドラマのIP化に成功し、マンガとしてKADOKAWAから電子書籍を発売を開始した。新たな価値を創造する両社の挑戦的な取り組みが、業界に新たな可能性を示すものとして注目を集めた。
今回のPitch Arenaファイナルでは、どのような革新的なスタートアップが頭角を現すのか。Pitch Arenaファイナルの結果は、KEPPLEが速報でお届けする予定だ。