【2023年9月更新】不動産業界をDXするスタートアップ14選

【2023年9月更新】不動産業界をDXするスタートアップ14選

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KEPPLE編集部


Index

  • はじめに
  • スタートアップ14選
  • おわりに

はじめに

アナログな商習慣が根強く残っているとされる不動産業界。従来のアナログな作業に慣れていたり、DX化へ踏み切るためのコストが大きいといった理由から、DX化を進められていない企業が大半だった。

一方でコロナ禍に伴って変化した顧客ニーズや社員の多様な働き方を保証する必要が生じたり、人手不足への対応の必要性から、次第にDX化の風潮が強まっている。

矢野経済研究所によると、2020年度の不動産テックの国内市場規模は前年度比8.6%増の6110億円となった。2025年度には、2020年度比2倍の1兆2461億円に拡大すると予測する。

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スタートアップ14選

株式会社TERASS

エージェント提案型の家探しサイト「Terass Offer」を運営する。住宅購入希望者は希望する地域や価格帯などを登録しておくと、テラスと業務委託契約を結ぶ不動産エージェントから物件の提案を受けられる。不動産エージェントに対しては、効率的な業務環境や物件情報、購入顧客のマッチングをリモートで提供する。エージェントがより効率的に働けることで顧客により付加価値の高いサービスを提供し、世の中により良い不動産取引を増やす。

2023年1月時点では、月間取扱高は昨年比4倍の約50億円に。同年6月には、静岡銀行やみずほ銀行などの複数の金融機関からの借入(融資枠を含む)による総額7.3億円の資金調達を実施し、累計調達額が20億円を超えたことを発表した。また、同年8月には、海外不動産投資を行うProperty Accessと業務提携し、海外の不動産情報の提供を開始した。

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株式会社TERASS

  • 設立:

    2019年

  • 企業HP:

    https://terass.com/

株式会社アクセルラボ

不動産会社やハウスメーカー等の住宅・不動産事業者向けにスマートホームサービス「SpaceCore」を開発・提供する。 自社開発のIoTエンジンalie+により、各メーカーの住宅設備や同社提供のデバイスをコントロールすることが可能。

また、物件オーナーや居住者との連絡や、居住地域の生活サービス利用などの機能も備わっている。同社はそのほか、最新のIoT技術を用いた、防犯セキュリティーシステムや家電設備を搭載するスマートホーム情報を発信するメディア「iedge」を運営する。

SpaceCoreの導入数は、2023年1月時点で全国250社以上、約21,000戸に達した。2023年7月には、第三者割当増資による3.9億円の資金調達を実施し、シリーズBラウンドでの累計資金調達額は12.7億円になったことを発表している。

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株式会社アクセルラボ

株式会社AGE technologies

相続で発生した自宅や土地などの不動産の名義変更手続きサービス「そうぞくドットコム不動産」を運営。戸籍の取得代行、申請書の自動作成など、不動産の名義変更に関するすべての手続きがオンラインで完了する。利用者は役所に行く必要がなく、相続手続きにおける負担を軽減することが可能だ。また、相続で発生した銀行口座の払い戻し手続きサービス「そうぞくドットコム預貯金」を運営している。

2019年4月、Open Network Lab による「Seed Accelerator Program」第18期デモデイにて Best Team Award(最優秀賞)と Audience Award を受賞している。2023年4月にはシリーズBラウンドにて、第三者割当増資と融資による総額5.9億円の資金調達を実施。

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株式会社AGE technologies

GOGEN株式会社

不動産売買における電子契約や本人確認など、手続きのデジタル化を推進する取引基盤「Release(レリーズ)」を運営する。デベロッパーやハウスメーカー、仲介会社などの不動産売買に関わる事業者が利用する。また、住宅購入支援サービス「ゼロテ」のほか、不動産購入に関するサービスを複数展開する。

2022年12月には、プレシリーズAラウンドで3億円の資金調達を実施した。翌2023年にはReleaseシリーズのプロダクト統合・刷新を行い、同サービスを独自の「DXX(Digital Experience Transformation)プラットフォーム」と位置付けて事業を展開する。

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GOGEN株式会社

株式会社カラーアンドデコ

物件の写真や図面から3DCGインテリアパースを制作する企業。物件の写真や図面をもとに、最短3時間でインテリアを配置した物件写真を制作する。バーチャルインテリアの活用により、モデルルームやホームステージングと比べて、低コストで物件イメージを伝えることが可能だ。

2023年6月には、インクルージョン・ジャパンをリード投資家とし、NESベンチャーキャピタル、吉銘、アンビション・ベンチャーズを引受先とするシリーズAラウンドで合計2.2億円の調達を実施した。これまでに1700社以上が同社のサービスを利用しており、建材メーカーやリノベーション業者向けのサービス提供を強化する。

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株式会社カラーアンドデコ

株式会社WAKUWAKU

中古物件紹介からリノベーションまでを支援する「リノベ不動産」を運営。資金計画から不動産購入、設計デザイン、リノベーション工事、インテリア提案、アフターサービスまで、中古住宅を購入してリノベーションする一連の流れをサポートする。

また、WEBメディア「リノベ不動産ドットコム」の運営のほか、リノベ不動産の加盟店向けには業界特化型CRM・MAツールや動画教育コンテンツ、業務プロセスを効率化する統合基幹情報システム「リノベ不動産Cloud」を提供する。

2023年6月には、シリーズCラウンドの1stクローズとして、第三者割当増資による総額7億円の資金調達を実施した。

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株式会社WAKUWAKU

TRUSTART株式会社

不動産ビックデータサービスを展開する企業。不動産登記データの提供や、マーケティング施策の実行支援・データ分析などの活用方法を提案する「R.E.DATA」を運営する。不動産の仕入れや仲介、リフォームなどの不動産に関するビッグデータのサブスクリプションサービス「R.E. DATA定期便」、建物のビッグデータを組み合わせて不動産オーナーデータを提供する「R.E. DATA 建物」などの提供を通じて、事業者のマーケティング活動を広く支援する。

2023年8月には、HIRAC FUNDをリードインベスターとして、第三者割当増資による総額4.5億円の資金調達を実施。調達資金の累計は6億円となった。

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TRUSTART株式会社

株式会社iimon

不動産DXシステム「速いもんシリーズ」を開発、運営する。「入力速いもん」は、会社間流通サイトの物件詳細ページデータを物件入力サイトに自動入力するツールだ。複雑な物件入力が2クリックで完了するため、物件入力の教育コストや、入力間違えによる物件掲載停止リスクなどを最小限に抑えることができる。

その他のシリーズでは、新着物件の情報の自動洗い出しやライバル会社の掲載情報の自動分析、物件詳細ページのワンクリックPDF&URL化など、不動産仲介会社のあらゆる日常業務を自動化・効率化している。

2022年7月には第三者割当増資にて4億円の資金調達を実施し、株式会社ファブリカコミュニケーションズと資本業務提携を締結した。2022年11月時点で利用仲介店舗数は2,000店舗以上、月間利用回数は98万回以上、月間継続率は99.3%となった。

株式会社iimon

株式会社estie

オフィス賃貸業に必要なあらゆる情報を提供する日本最大級のデータベース「estie pro」を運営する。全国8万棟/40万フロアの建物情報、500万坪の募集情報、24万件の賃料情報、主要都市38万件の入居企業情報等を搭載。50以上の不動産デベロッパー・管理会社・仲介会社等による独自情報を日々集約し、自動で処理するデータパイプラインを構築することにより、オフィス賃貸業やオフィス投資業に必要なあらゆる情報を提供し、データを活用した不動産事業者の意思決定をサポートする。

2023年4月には、商工中金、三菱UFJ銀行など複数の金融機関から、長期借入及びコミットメントライン(融資枠)等による総額16億円の資金調達(融資枠を含む)を実施したことを発表した。

株式会社estie

Rsmile株式会社

地域における不動産管理のシェアリングプラットフォーム「COSOJI」を開発・運営する。COSOJIは、不動産オーナーや管理会社向けに、清掃や草刈りなどの軽作業を地域住民に委託できるサービスだ。不動産所有者や管理会社は、不動産に関する管理業務を必要な分だけ地域住⺠に発注できるため、移動コストを削減し価格を抑えられる。一方で働き⼿は、ライフスタイルに合わせてスキマ時間に好きな時だけ働くことができる。

2020年12月のサービスリリース後、アパート、空き家、駐輪場・駐車場、太陽光施設など幅広い不動産に導入され、全国15,000施設以上が登録されている。2022年3月には、第三者割当増資による資金調達を実施し、累計調達金額は1.6億円となった。また、2023年1月には「GMO賃貸DX オーナーアプリ」を提供するGMO ReTechとサービス提供において連携を結んだ。

Rsmile株式会社

homie株式会社

不動産業界向け問い合わせ対応サービス「HOTLEAD」を開発・運営する。 HOTLEADは、顧客からの問い合わせから90秒以内の初期対応や、AIを使った再架電時間帯予測をするサービス。スピーディーに対応することでアポイント数を最大化しながら、反響対応業務を一括で任せることで、不動産企業側は接客営業に専念することが可能に。

2022年9月には、HOTLEADの利用店舗数が昨年同時期比500%となる、全国45都道府県500店舗を突破したことを発表した。

homie株式会社

株式会社THIRD

不動産、建築に特化したコンサルティングや不動産管理業務を効率化するシステムを提供する。不動産管理の効率化・自動化システム「管理ロイド」は、日々の点検データをアプリやIoT デバイスで収集し、収集したデータを基に報告書出力・作成、人工知能(AI)による設備機器の異常判定が可能だ。 また、工事の見積もりと手配を支援する「工事ロイド」も提供しており、AIを活用した適正な見積もり査定、査定を通してコンサルタントが工事の手配を行う。

2022年8月には、シリーズBラウンドにて、ジャフコ グループをリード投資家として、DG Daiwa Ventures、DGインキュベーション、SBIインベストメント、Spiral Capitalなどを引受先とし、総額26億円の資金調達を実施し、累計調達額は30.7億円となった。また、2023年5月には、ファミリーマートの全国の加盟店において管理ロイドの導入が開始された。

株式会社THIRD

RESTAR株式会社

不動産業界をメインターゲットとする BtoB 向け情報プラットフォームの作成を行う企業。不動産投融資を行う法人向け情報検索・分析プラットフォーム「REMETIS」を開発・提供している。 REMETISは、売却物件の情報をAIを活用して地図上に情動データベース化し、大量の不動産・地理情報を組み合わせた調査や分析、資料作成を可能にする。

2019年3月には、Plug and Play Japan Batch2 EXPO にて Fintech Vertical の Winner を受賞。また、2023年7月より、所有権移転のあった登記情報の取引を自動抽出する機能や、社内の売物件・買ニーズを自動的にマッチングする機能、登録情報を外部の取引先へワンクリックで共有できる機能が追加され、より専門性の高い不動産業務を支援可能に。

RESTAR株式会社

株式会社ライナフ

不動産管理向けシステムおよびアプリを開発する。不動産業界向けスマートロック 「Ninja Lock」、物理的な鍵の受け渡しをせずに内覧希望者が電子鍵を使って入室できる「スマート内覧」、エントランスの施錠を顔認証システムによって行う「ライナフGate」、オートロック付きのマンション向けの置き配対応化サービス「スマート置き配」などのサービスを提供している。

2022年4月には、SBIインベストメントなどから資金調達を実施し、累積資金調達額は10億円を超えた。2023年3月時点では、イトーヨーカ堂と提携し、イトーヨーカドーネットスーパーにおいて、スマート置き配の導入が決定した。

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株式会社ライナフ

おわりに

今回紹介した企業は、不動産業界のDXを加速させている。今後も、不動産DX関連のスタートアップの動向にはさらに注目が集まりそうだ。

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参考:
矢野経済研究所「不動産テック市場に関する調査を実施(2021年)


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