ラストワンマイル配送に取り組むスタートアップ5選

ラストワンマイル配送に取り組むスタートアップ5選

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Eコマース時代のラストワンマイル配送

Eコマースの普及に伴い、ラストワンマイル配送(Last-Mile Delivery)の重要性が高まっている。ラストワンマイルとは、配送センターや中継拠点から消費者の手元に商品が届くまでの最終区間を指す。この区間は物流の中で最もコストがかかり、遅延やトラブルが発生しやすいため、消費者の要求する迅速・確実な配送に対応することが課題となっている。

2022年度の国内ラストワンマイル物流市場規模は2兆9110億円(配送料ベース)に達し、前年度比105.0%の成長を記録した。今後も市場の拡大が見込まれ、2025年には3兆3700億円に達すると予測されている。しかし、都市部の交通渋滞、配送コストの増加、人手不足といった課題が依然として残る。特に、環境負荷の低減や再配達削減など持続可能な物流の実現が求められ、各国で規制の強化が進んでいる。

こうした状況の中、スタートアップ企業による技術革新が進んでおり、持続可能で効率的な配送システムの構築が期待されている。ドローンや自動運転車を活用した配送、ロッカー受け取りサービス、AIによる最適ルート設計など、多様な取り組みが進められている。

本記事では、ラストワンマイル配送に取り組むスタートアップを紹介する。

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スタートアップ5選

株式会社Azit

企業HP:http://azit.co.jp

同社は、配送人員不足の課題解決のためのマーケットプレイスと、配送の効率化を実現するSaaS「DeliveryX」を提供している。DeliveryXは、マーケットプレイス(AI配送手配)・AI自動配車・AI配送管理などの機能を自由に組み合わせて利用できる、AI配車プラットフォームサービスだ。全国約20万台のネットワークと自動配車・配車計画・配送管理を統合し、最短翌日からの高効率な配送を実現するシステムを提供する。

2024年9月には、Monoful Venture Partners、Logistics Innovation Fundを引受先とした第三者割当増資による資金調達を実施した。また、サービス名を「CREW Express」から「DeliveryX」へ変更した

LOMBY株式会社

企業HP:https://lomby.jp/

同社が開発する自動配送ロボット「LOMBY(ロンビー)」は、遠隔操作と自律走行を組み合わせて走行する配送ロボットだ。屋外のラストマイル輸送領域に特化し配送の自動化ができる。物流におけるラストワンマイルとは、最終拠点からエンドユーザーへ商品を届ける物流の最後の区間のこと。2023年4月に改正された道路交通法により、LOMBYは「遠隔操作型小型車」として公道走行が可能となった。天候や配達時間に左右されずに配送が可能となり、超高齢社会での労働力不足や労働環境の悪化といった課題解決に貢献する。

2024年10月には、プレシリーズAラウンドにて、ユナイテッド、MLCベンチャーズ、Suzuki Global Ventures、DRONE FUNDを引受先とした第三者割当増資による、2.7億円の資金調達を実施した。

ウィルポート株式会社

企業HP:https://www.willport.co.jp/index.php

地域密着型の物流サービスを提供している。ラストワンマイル物流を独自の配送管理システムとドライバー手配・管理システムを活用して受託する「物流受託事業」、​小商圏内の小売店舗の商品を注文から3時間以内に宅配する「生活支援物流事業」、​AC電源不要の宅配ボックスを活用し再配達問題の解決する「宅配ボックス事業」の3つを柱に、物流サービスの創出に取り組んでいる。

2024年1月には、シリーズBにてセイノーホールディングスとの業務提携を含む第三者割当増資による資金調達を実施した。

株式会社Hakobot

企業HP:https://hakobot.com/#company

4輪駆動・4輪操舵の自動配送ロボットを開発している。走行ユニット単体で自動運転が可能なため、荷室部分を用途に応じてカスタマイズできるセパレート設計を採用している。また、荷室のカスタマイズを必要としない顧客向けには、配送用途のベーシックパッケージも提供している。

2025年1月には、更別村スーパービレッジ構想にて、Hakobotの自動配送ロボットを活用した冬期運用に向けた雪道実証実験を実施した。

株式会社オプティマインド

企業HP:https://www.optimind.tech/

自動配車クラウドサービス「Loogia(ルージア)」を提供する、名古屋大学発のベンチャー企業。​Loogiaは、最先端のアルゴリズムとビッグデータ解析を活用し、高精度な配車計画や配送ルートの作成を可能にする。ストワンマイルの配送現場で起きている業務の属人化やドライバー不足などの課題解決に貢献する。

2025年2月には、顧客からの業務依頼・発注時点で、移動効率とスタッフ分担効率・作業時間予測まで考え、即座に最適な日時・スタッフをAIが自動計算する新システム「ScaLe(スケール)」の提供を開始した。

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※矢野経済研究所 「ラストワンマイル物流市場に関する調査を実施(2023年)


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