介護業界の課題解決を目指すスタートアップ8選【2025年5月更新】

介護業界の課題解決を目指すスタートアップ8選【2025年5月更新】

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加速する高齢社会ーー 介護の負担と支援システムの役割

介護事業とは、高齢者や障がいを持つ人々に対して、日常生活の支援や医療的なケアを提供するサービスや活動のことである。社会の高齢化や健康状態の変化などにより、需要は増加傾向にある。

2023年度にかかった介護費用(介護給付費と自己負担)の総額は、11兆5139億円となり過去最高を更新した。※1

これに伴い、介護業界において、業務を円滑に進めるためのソフトウェア・機能などの介護システム市場も増加している。2023年度の介護ICT市場(5分野計)は、国内メーカー及びサービス事業者の売上高ベースで350億2800万円と推計されている。2024年度は、介護サービス事業所の生産性を向上させるICT関連導入の公的支援・補助金等が継続されており、そうした関連システムの導入が促進される見込みだ。※2

今後も、予防と健康促進の重視、デジタルヘルスケアの拡大、テクノロジーの活用などにより、介護業界はますます重要な役割を果たすことが期待される。

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スタートアップ8選

スリーエス株式会社

企業HP:https://3s.care/

在宅介護の一種である定期巡回サービスを提供している。一度の滞在時間は15分程度で、一日に複数回訪問して食事や服薬、排泄などの身体介護を中心にサービス提供する形だ。

訪問介護と異なり、夜間や緊急時を含めて24時間対応する。夜間・緊急時の対応ができないことへの不安から、施設系サービスの利用が増える中、高齢者の在宅介護ニーズに応えるサービスとなっている。

2025年4月には、Siiibo証券が運営する社債発行・購入プラットフォームを活用し、少人数私募社債を発行した。

株式会社on call

企業HP:https://oncall-japan.com/

同社が提供する「ON CALL」は、在宅医療機関向けのオンコール代行サービスだ。夜間休日に医療機関やその患者からの連絡を受け、必要に応じてドクターチームが医療機関の非常勤医師として往診を行う。複数のドクターチームが常時待機しているため、往診までの時間を従来の30〜60%にまで削減することできる。

2025年3月には、全国保証イノベーション投資事業有限責任組合を引受先とした資金調達を実施した。

株式会社CareMaker

企業HP:https://caremaker.jp/

訪問看護・介護向けスケジュール管理クラウドサービス「CareMaker」を提供する。CareMakerは、訪問看護・介護の事業者向けにスケジュールを自動作成するクラウドサービスだ。特許申請済みのAIが訪問条件や移動効率を踏まえたスケジュールを自動で作成することで、事業者の業務負担を大幅に軽減する。

使いやすいインターフェースと柔軟なカスタマイズ性で、訪問看護・介護業務のDXを支援している。

2025年4月には、シリーズAラウンドにおける2ndクローズにて、既存投資家であるサイバーエージェント・キャピタルに加えて、新たにNOBUNAGAビレッジキャピタルを引受先とした資金調達を実施した。

株式会社Magic Shields

企業HP:https://www.magicshields.co.jp/

高齢者の転倒による骨折を減らす、転んだ時に柔らかい床「ころやわ」を販売する。ころやわは、医療機関や介護施設内における転倒による骨折リスクを軽減する、転んだときに柔らかい床だ。普段の歩行時は硬く安定し、転倒した時には床が柔らかくなることで、転倒しても怪我をしないことをコンセプトとしている。

2025年3月には、国内外から手軽に転倒骨折予防床・マット「ころやわ®︎」を購入できるようにするため、公式オンラインストアを開設した。対応地域は順次拡大予定である。

ドクターメイト株式会社

企業HP:https://doctormate.co.jp/

介護施設向けに医療相談・夜間オンコール代行を提供する。日中のオンラインでの医療相談サービスと夜間のオンコール代行サービスを組み合わせた、介護施設スタッフ専用サービスを提供し、介護施設から24時間いつでも医療にアクセスできる仕組み作りに取り組んでいる。2025年04月現在、夜間オンコール代行の利用施設数は1123件を超え、オンコール代行の実績は10万回以上にのぼる。

2024年9月には、シリーズCラウンドにて、グローバル・ブレイン、DBJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタルを引受先とした、第三者割当増資と融資による総額10億円の資金調達を実施した。

株式会社Giver Link

企業HP:https://comimi.jp/company/

介護のデジタル化支援サービスを運営する企業。 同社は、介護施設の業務支援ソフト導入を仲介する「介護のコミミ」を運営。介護ソフト・介護システムの口コミ比較サイトで、介護職員は、介護業務支援ソフトの導入に関して相談し、複数社のサービスの資料を請求できる。介護施設の業務効率化とIT導入を支援し、現場の生産性向上をサポートするプラットフォームとして利用が広がっている。

2024年9月には、介護・障害福祉業界のデジタルトランスフォーメーション(DX)を促進するため、一般社団法人全国介護事業者連盟と業務提携を実施した。

ザ・ハーモニー株式会社

企業HP:https://the-harmony.net/

認知症患者向け対話ロボットの開発を行う企業。 同社は、介護施設を運営するほか、認知症患者向け対話ロボットを開発。ロボットは、認知症高齢者の方が楽しんで、認知症悪化防止につながる会話ができ、介護施設・医療機関・自宅で認知症高齢者の介護を行う介護者の負担軽減やQOLの向上を支援する。

2023年1月には、ベータ2020投資事業有限責任組合、九州広域復興支援投資事業有限責任組合、リバネスキャピタル、関西イノベーションネットワーク投資事業有限責任組合、佐銀ベンチャーキャピタル投資事業有限責任組合第五号、大前 創希 氏、面白法人カヤックを引受先とした第三者割当増資による、2億900万円の資金調達を実施した。

PLIMES株式会社

企業HP:https://www.plimes.com/

嚥下計(えんげけい)「GOKURI」を研究・開発している、筑波大学発のスタートアップ企業。GOKURIは人工知能が嚥下を測るウェアラブルデバイスだ。首に装着し、飲み込みや食事に伴う音、姿勢、バイタルデータを測定することで、飲み込みや食事の様子をモニタリングする。飲み込みに加え、ムセや安静時の呼吸に伴う音の取得も可能。患者ごとの測定結果がネットワーク環境下で即時にクラウドのデータベースに記録される。嚥下計を提供することで、人々の主体的な活動をテクノロジーによって支援し、自立した生活を促すことを目指している。

2022年3月には、明治ホールディングスを引受先とした第三者割当増資により資金調達を実施した。資本業務提携もあわせて実施し、嚥下評価に基づく食品開発の支援や事業化を促進する。

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※1 厚生労働省「
令和5年度 介護給付費等実態統計の概況
※2 矢野経済研究所「
介護ICT市場に関する調査を実施(2024年)

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