介護業界の課題解決を目指すスタートアップ8選

介護業界の課題解決を目指すスタートアップ8選

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KEPPLE編集部


Index

  • はじめに
  • スタートアップ8選
  • おわりに

はじめに

介護事業とは、高齢者や障がいを持つ人々に対して、日常生活の支援や医療的なケアを提供するサービスや活動のことである。社会の高齢化や健康状態の変化などにより、需要は増加傾向にある。

厚生労働省※1によると、2022年度にかかった介護費用(介護給付費と自己負担)の総額は、前年度から約1621億円増加し11兆1912億円となり、過去最高を更新した。

これに伴い、介護業界において、業務を円滑に進めるためのソフトウェア・機能などの介護システム市場も増加している。矢野経済研究所※2によると、2021年度の介護システム市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比106.9%の245億2400万円と推計される。

今後も、予防と健康促進の重視、デジタルヘルスケアの拡大、テクノロジーの活用などにより、介護業界はますます重要な役割を果たすことが期待される。

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スタートアップ8選

スリーエス株式会社

在宅介護の一種である定期巡回サービスを提供している。一度の滞在時間は15分程度で、一日に複数回訪問して食事や服薬、排泄などの身体介護を中心にサービス提供する形だ。

訪問介護と異なり、夜間や緊急時を含めて24時間対応する。夜間・緊急時の対応ができないことへの不安から、施設系サービスの利用が増える中、高齢者の在宅介護ニーズに応えるサービスとなっている。

2023年12月には、シリーズAラウンドにて、マネーフォワードベンチャーパートナーズ、ニッセイ・キャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、ANRI、ANOBAKAを引受先とした第三者割当増資による3.3億円の資金調達を実施した。

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企業HP:https://3s.care/

株式会社on call

同社が提供する「ON CALL」は、在宅医療機関向けのオンコール代行サービスだ。夜間休日に医療機関やその患者からの連絡を受け、必要に応じてドクターチームが医療機関の非常勤医師として往診を行う。複数のドクターチームが常時待機しているため、往診までの時間を従来の30〜60%にまで削減することできる。

2023年11月には、プレシリーズAラウンドにて、インクルージョン・ジャパン、三菱UFJキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル、FFGベンチャービジネスパートナーズを引受先とした第三者割当増資による1.5億円の資金調達を実施した。

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株式会社CareMaker

訪問看護・介護向けスケジュール管理クラウドサービス「CareMaker」を提供する。CareMakerは、訪問看護・介護の事業者向けにスケジュールを自動作成するクラウドサービスだ。特許申請済みのAIが条件およびルート効率化をサポートし、スケジュール作成業務時間を大幅に削減する。

2023年7月には、プレシリーズAラウンドにて、XTech Ventures、サイバーエージェント・キャピタル、East Venturesを引受先とした第三者割当増資に加え、日本政策金融公庫などからの融資により総額1.2億円の資金調達を実施した。2023年11月には、愛知県大府市・ウェルネスバレー関係機関との実証事業を開始した。

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株式会社Magic Shields

高齢者の転倒による骨折を減らす、転んだ時に柔らかい床「ころやわ」を販売する。ころやわは、医療機関や介護施設内における転倒による骨折リスクを軽減する、転んだときに柔らかい床だ。普段の歩行時は硬く安定し、転倒した時には床が柔らかくなることで、転倒しても怪我をしないことをコンセプトとしている。

2023年5月には、Carbide Ventures、ディープコアを引受先とした第三者割当増資により、2.3億円の調達を実施した。2023年12月には、一般社団法人日本能率協会(JMA)主催の「Japan Home & Building Show 2023」内にて、弊社製品「ころやわ®︎」が「みらいのたね賞」を受賞した。

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ドクターメイト株式会社

介護施設向けに医療相談・夜間オンコール代行を提供する。日中のオンラインでの医療相談サービスと夜間のオンコール代行サービスを組み合わせた、介護施設スタッフ専用サービスを提供し、介護施設から24時間いつでも医療にアクセスできる仕組み作りに取り組んでいる。2023年11月時点で、夜間オンコール受付数は4万件を突破している。

2022年5月には、シリーズBラウンドにて、グローバル・ブレイン、農林中金イノベーションファンド、Aflac Ventures LLC、DBJキャピタル、SMBCを引受先とした第三者割当増資による10億円の資金調達を実施した。

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株式会社Giver Link

介護のデジタル化支援サービスを運営する企業。 同社は、介護施設の業務支援ソフト導入を仲介する「介護のコミミ」を運営。掲載数国内最大級の介護ソフト・介護システムの口コミ比較サイトで、介護職員は、介護業務支援ソフトの導入に関して相談し、複数社のサービスの資料を請求できる。

2022年12月には、プレシリーズAラウンドにて、エムスリー、伊藤忠テクノロジーベンチャーズを引受先とした第三者割当増資、及び大手金融機関からのデットファイナンスによる2.5億円の資金調達を実施した。

ザ・ハーモニー株式会社

認知症患者向け対話ロボットの開発を行う企業。 同社は、介護施設を運営するほか、認知症患者向け対話ロボットを開発。ロボットは、認知症高齢者の方が楽しんで、認知症悪化防止につながる会話ができ、介護施設・医療機関・自宅で認知症高齢者の介護をおこなう介護者の負担を軽減することを目指す。

2023年1月には、ベータ2020投資事業有限責任組合、九州広域復興支援投資事業有限責任組合、リバネスキャピタル、関西イノベーションネットワーク投資事業有限責任組合、佐銀ベンチャーキャピタル投資事業有限責任組合第五号、大前 創希 氏、面白法人カヤックを引受先とした第三者割当増資による、2億900万円の資金調達を実施した。

PLIMES株式会社

嚥下計(えんげけい)「GOKURI」を研究・開発している、筑波大学発のスタートアップ企業。GOKURIは人工知能が嚥下を測るウェアラブルデバイスだ。首に装着し、飲み込みや食事に伴う音、姿勢、バイタルデータを測定することで、飲み込みや食事の様子をモニタリングする。飲み込みに加え、ムセや安静時の呼吸に伴う音の取得も可能。患者ごとの測定結果がネットワーク環境下で即時にクラウドのデータベースに記録される。嚥下計を提供することで、人々の主体的な活動をテクノロジーによって支援し、自立した生活を促すことを目指している。

2022年3月には、明治ホールディングスを引受先とした第三者割当増資により資金調達を実施した。資本業務提携もあわせて実施し、嚥下評価に基づく食品開発の支援や事業化を促進する。

おわりに

高齢化により増加する課題の解決に挑む介護関連のスタートアップは、ますます注目を浴びそうだ。これらの企業がテクノロジーやイノベーションを駆使して、効果的で質の高い介護サービスを提供することで、社会に貢献していくことが期待される。

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※1 厚生労働省 「令和4年度 介護給付費等実態統計の概況
※2 矢野経済研究所 「介護システム市場に関する調査を実施(2022年)


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