フードロス削減のASTRA FOOD PLAN、9億円の調達ー3社と連携しリンゴ残渣の飼料化に挑戦

フードロス削減のASTRA FOOD PLAN、9億円の調達ー3社と連携しリンゴ残渣の飼料化に挑戦

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KEPPLE編集部

フードロス削減に取り組むASTRA FOOD PLANが、農林水産省中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3基金事業)に採択され、約9億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

同社が独自開発した「過熱蒸煎機」は、食材を短時間で乾燥・殺菌しながら、風味と栄養を維持できる食品加工装置。この技術により、これまで廃棄されていた野菜の端材や規格外農作物を、高品質な食品原料へとアップサイクルする。同技術を用いて製造される食品パウダー「ぐるりこ®」は、通常の熱風乾燥品と比べて135倍の風味強度を実現している。食品の乾燥と殺菌を同時に行うことで、風味の劣化や酸化、栄養価の減少を抑えることができる。

同社は、食品業界での豊富な経験を持つ加納 千裕氏が2020年8月に設立。加納氏は、大学卒業後、食品小売りのロック・フィールドで製造・販売に従事。榮太樓總本鋪、塚田農場プラスでは商品企画なども担当し、食品業界の幅広い分野に携わってきた。その後、父が創業した会社にて過熱水蒸気技術を活用した商品開発および営業業務に従事。これらの経験を活かし、過熱水蒸気技術を用いた新事業としてASTRA FOOD PLANを立ち上げた。

過熱蒸煎機は2022年4月に発売を開始し、現在までにポンパドウルや吉野家などが導入し、共同プロジェクトを展開している。

2024年5月には、「タマネギぐるりこ®」をベーカリーチェーン向けに業務用として供給開始。2024年7月からは一般消費者向けの通販も開始している。今後も、企業との連携や実証実験を行い、フードロスの削減や食品の再利用に貢献する。

今回の調達資金は、リンゴ搾汁残渣の飼料・食品化に向けた実証事業に充当する。同事業では、配合飼料大手のフィード・ワンをはじめ、老舗果実加工メーカーの寿高原食品、食品商社のヴォークス・トレーディングと連携。2024年度のプラント設計を皮切りに、量産型機の開発、テストプラント稼働を段階的に進め、2027年度までに商用プラントの稼働と販路確立を目指すという。

画像はASTRA FOOD PLANプレスリリースより


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