徳島大学発のセツロテック、シリーズA5で3.2億円調達──高効率ゲノム編集を軸に精密育種のグローバル展開へ

徳島大学発のセツロテック、シリーズA5で3.2億円調達──高効率ゲノム編集を軸に精密育種のグローバル展開へ

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高効率ゲノム編集技術を用いた精密育種※1事業と研究支援サービスを展開する株式会社セツロテックは、Nikon-SBI Innovation Fund Ⅱ、EXPONENTIAL ZAISAN PARTNERS(モンゴル)、INSPiRE Mutualistic Symbiosis Fund 1、大阪中小企業投資育成、いよぎんキャピタル、HOXINを引受先とする第三者割当増資により、シリーズA5ラウンドで総額3.2億円の資金調達を実施した。

セツロテックは徳島大学発スタートアップとして2017年に創業し、動物・植物・微生物を対象とするゲノム編集技術の開発・提供や、それを基盤とした研究開発受託事業、精密育種に関するソリューション提供などを展開している。

ゲノム編集技術(品種改良加速技術)は、生物が持つゲノムの特定の部位(遺伝子)をピンポイントで改変できる技術だ。近年、気候変動の進行や新たな疾病の発生など、農畜産を取り巻く環境は急速に変化しており、こうした変化に対応した新品種を迅速に生み出せる技術として、ゲノム編集は世界的に注目を集めている。

セツロテックが提供するゲノム編集育種サービス「Setsuro Breeding」は、2つの技術的優位性を有する。1つ目は、竹本龍也氏・沢津橋俊氏らが発明したゲノム編集技術だ。ほ乳類動物の受精卵において高効率なゲノム編集を可能にする「GEEP法」と、培養細胞において簡便かつ高効率な遺伝子改変を実現する「VIKING法」という2つの特許技術を保有している。

2つ目は、セツロテックが独自に開発したゲノム編集ツール「ST9.5」である。研究分野で広く利用されているCas9※2とは異なり、特許権利関係が明確で、高額なライセンス費用を必要としない点が特徴だ。これらの技術を組み合わせることで、多様な生物種や細胞を対象とした品種改良事業を可能にしている。

代表取締役社長は竹澤慎一郎氏。竹澤氏は、2017年、徳島大学教員の竹本龍也氏、沢津橋俊氏らとともにセツロテックを創業。前職ではWebメディア企業を10年以上にわたり経営し、次世代の事業としてテクノロジー分野への投資を模索する中で、ゲノム編集技術を研究する両氏と出会ったことをきっかけに創業に至った。

今回調達した資金は、セツロテックが保有する高効率ゲノム編集技術および独自ツールを活用した研究開発の推進と産業応用の加速、新規人材の採用や組織強化に充当する計画である。さらに、将来的な資本市場対応に向けた経営管理体制・内部統制の強化も目指す。今後、ゲノム編集事業のグローバル展開を推進していく予定である。

※1 精密育種:遺伝情報の解析やゲノム編集等により、生物の特定の性質を効率よく改良する技術

※2 Cas9:CRISPR-Cas9と呼ばれるゲノム編集技術で用いられる中核的なDNA切断酵素。研究分野では広く普及しているが、商用利用では特許やライセンスの扱いが課題となることがある。

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