株式会社applause Pharma

供給網の要となるレアアース──資源制約に挑む
レアアース(希土類元素)とは、ネオジムやプロメチウムなど17種類の元素の総称で、供給量は限られるものの、少量でも強い磁性や発光性、触媒性能などを発揮する材料として知られている。電気自動車(EV)のモーターや風力発電用の強力磁石、半導体、通信機器など、現代の先端産業に欠かせない存在だ。
こうした重要性を背景に、日本でもレアアースの国産化に向けた動きが進み始めている。内閣府主導の計画では、小笠原諸島・南鳥島沖でレアアースを含む泥の試掘を行う探査船が出航した。世界的に供給が特定地域に偏る中、国産資源の開発を進めることで、将来的な安定調達につなげる狙いがあり、2030年ごろの商業採掘開始も視野に入れているという。
脱炭素やデジタル化の進展に伴い、レアアースの需要は年々高まっている。一方で、採掘から精製までの工程が特定地域に集中していることや、環境負荷の高い精製プロセスを背景に、供給の不安定さや価格変動といった構造的な課題を抱えてきた。こうした状況から、レアアースの安定確保は産業競争力や経済安全保障とも密接に結びついている。
この課題に対し、近年はレアアースのリサイクルや都市鉱山の活用、代替材料の開発、分離・精製プロセスの高度化といった技術的アプローチが注目されている。従来は大企業や国家主導で進められてきた分野にも、特定工程やニッチな技術に強みを持つスタートアップが参入し始めている。
本記事では、レアアースをめぐる供給制約と産業構造の変化を背景に、新たなアプローチで価値創出に挑むスタートアップを紹介する。

スタートアップ4選
株式会社applause Pharma
企業HP:https://applausepharma.com/
レアアースを共通プラットフォームとし、独自の技術で活性酸素消去、酵素阻害およびイオン反応を活用した治療薬としてのレアアースの可能性を追求している。レアアースの持つ生化学的な特性、特に活性酸素種との反応性に注目して、新規事業の開拓などを行う。同社では、これらの基盤技術をもとに、医療および医薬品への応用展開を行う。
2025年10月には、Untrod Capital Japan株式会社および株式会社ASTRANSを引受先とする第三者割当増資、総額7000万円のシードラウンド資金により調達を実施した。
BIZYME株式会社
企業HP:https://bizyme.net/
アモルファス合金、鉄基ナノ結晶材料および希土類鉄系永久磁石などの機能性金属材料の研究・開発などを行う企業。 同社は、「鉄基アモルファス軟磁性材料(コア材)」や、「レアアース磁石」を用いた電気自動車向け高効率モータの開発などを行う。そのほかにも、家電製品など向けの小型モータなど、さまざまな磁性材料の開発・販売などを行う。 そのほか同社では、金属機能性材料の開発・量産化に関するコンサルティング事業なども運営する。
アドバンストマテリアルジャパン株式会社
希少金属や希土類元素を専門とした貿易を行う企業。 アジアをはじめ世界各地に拠点を設け、タングステンやチタン、モリブデンなどのレアメタル(希少金属)、酸化ランタンや酸化セリウムなどのレアアース(希少土類元素)などの希少資源が日本国内に安定的に供給されるような仕組み作りに取り組んでいるほか、関連機器の輸出入や技術輸出にも対応している。 希少資源の安定確保のための新しい価値観の創造を目指して、情報の共有と社会貢献を実現することをビジョンに掲げる。
シーエムシー技術開発株式会社
カーボンマイクロコイルやレアアース回収・分離精製装置の製造・販売およびリサイクル・レアアースの販売を行う企業。 同社は、コイル状に巻いた非晶質の炭素繊維であるカーボンマイクロコイルを製造・販売する。また、超硬工具やネオジム磁石からタングステン・コバルト・ネオジム・ジスプロシウムなどのレアアースを高純度で分離・回収可能な装置を開発。レアアースのリサイクルにおける技術支援や装置の販売を行うほか、リサイクル・レアアースを販売する。










