健康ニーズに応えるサプリメント市場の急成長
免疫力や美容、ダイエットに関連して摂取することの多いサプリメント。eコマースの発展によりオンラインでの販売が急増し、特にパンデミック以降、WebサイトやSNSなどのデジタルチャネルを通じた購入が一般化している。また、市場の拡大に伴い、品質管理や表示に関する規制が強化され、消費者の信頼性が向上することが求められる。
2022年度の健康食品市場規模は、メーカー出荷額ベースで8860億6000万円に達した。このうち、サプリメント(機能性表示食品)は2039億円を占め、2024年度には2208億円まで成長すると予測されている。※
サプリメント市場の成長は、健康志向の高まりやライフスタイルの変化が背景にある。パーソナライズされたサプリメントの需要も増加しており、個々のニーズに応じた商品開発が今後の市場競争の鍵となる。今回は、サプリメントの開発や販売に取り組むスタートアップを4社紹介する。
スタートアップ4選
トイメディカル株式会社
企業HP:http://www.toymedical.jp/
糖尿病など塩分制限が必要な患者向けに塩分吸着技術を活用したサプリメントを開発する。また、一般消費者向けにもオンラインショップにて、海藻由来の塩分吸着ファイバーを配合したサプリメント「デルソル」や調味料「零(ゼロ)シリーズ」を販売している。
2024年10月には、肥銀キャピタルを引受先とした第三者割当増資による資金調達を実施した。また、調味料「零(ゼロ)シリーズ」に2つのフレーバーが追加され販売を開始することを発表した。
ドリコス株式会社
企業HP:https://dricos.jp/
サプリメント自動配合サーバー「healthServer 」を開発・販売する。healthServerは、生活習慣や自律神経の状態に基づいて、個々に合わせた栄養素を自動で調合するオーダーメイドサプリメントサーバーだ。ユーザーの健康目標に応じた最適な栄養素を提供するこの機器は、スポーツジム、企業の福利厚生サービス、さらにはコンビニエンスストアやドラッグストアなどで、顧客向けの栄養サポートとして活用されている。
2023年7月には、プレシリーズBラウンドにて、東芝テック、AGキャピタル、エアトリを引受先とした第三者割当増資および商工組合中央金庫からの融資による、3.3億円の資金調達を実施した。
株式会社ゴーゴーゴー
企業HP:https://5gogo.co.jp/
子ども向けサプリメントの開発・販売をしている。子ども用ゼリー型サプリメント「manabees」は、記憶力や集中力の向上が期待できるホスファチジルセリンやビタミンなどの成分を配合したサプリメント。特定のアレルギー成分や着色料、保存料、防腐剤などは一切使用していない。また、北海道大学、北海道マリンイノベーションと連携し、地域活性ビジネスを推進している。
Shima&Co.株式会社
企業HP:https://shimaandco.jp/ja/
SEED-Technology技術を活用したサプリメントを開発、販売している。SEED-Technologyは、栄養補助食品のバルクパウダーを水に溶けやすい硬質材料に変換する。炭水化物、タンパク質、食物繊維などの粉状の栄養素を固形にし、粉末をこぼしてしまうことなく、持ち運びのしやすいサプリメントとなる。オンラインの「Shima OKINAWA」でプロテインラムネやグルテンフリークッキーなどを販売している。
2024年9月には、エリートアスリートと共同開発した新しい機能性プロテインブランド「ローカルヒーロー」の発売を開始した。
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※矢野経済研究所 「健康食品市場に関する調査を実施(2024年)」