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オーダーメイドサプリメントで無意識な健康行動を支援

免疫力や美容、ダイエットに関連して摂取することの多いサプリメント。eコマースの発展によりオンラインでの販売が急増し、特にパンデミック以降、WebサイトやSNSなどのデジタルチャネルを通じた購入が一般化している。また、市場の拡大に伴い、品質管理や表示に関する規制が強化され、消費者の信頼性が向上することが求められる。
2022年度の健康食品市場規模は、メーカー出荷額ベースで8860億6000万円に達した。このうち、サプリメント(機能性表示食品)は2039億円を占め、2024年度には2208億円まで成長すると予測されている。流通ルート別に見ると、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類へ移行し外出機会が増加したことで、ドラッグストアやコンビニエンスストアなど店頭ルートでの販売は大幅に伸長。一方、市場を牽引してきた通信販売は競争激化により2年連続で縮小し、さらに海外市場も大きく減少した。※
サプリメント市場の成長は、健康志向の高まりやライフスタイルの変化が背景にある。パーソナライズされたサプリメントの需要も増加しており、個々のニーズに応じた商品開発が今後の市場競争の鍵となる。今回は、サプリメントの開発や販売に取り組むスタートアップを4社紹介する。
企業HP:http://www.toymedical.jp/
糖尿病など塩分制限が必要な患者向けに塩分吸着技術を活用したサプリメントを開発する。また、一般消費者向けにもオンラインショップにて、海藻由来の塩分吸着ファイバーを配合したサプリメント「デルソル」や調味料「零(ゼロ)シリーズ」を販売している。
2025年9月には、令和7年度熊本県「UXプロジェクト」実証実験サポート事業に採択された。このプロジェクトを通じて、塩分オフセット技術をより身近な食品への展開を目指し実証実験を開始した。
企業HP:https://dricos.jp/
サプリメント自動配合サーバー「healthServer 」を開発・販売する。healthServerは、生活習慣や自律神経の状態に基づいて、個々に合わせた栄養素を自動で調合するオーダーメイドサプリメントサーバーだ。ユーザーの健康目標に応じた最適な栄養素を提供するこの機器は、スポーツジム、企業の福利厚生サービス、さらにはコンビニエンスストアやドラッグストアなどで、顧客向けの栄養サポートとして活用されている。
2025年9月には、ワールドプラスジムで当社のオーダーメイドサプリメントサーバーGRANDE(グランデ)が導入された。無人運営の店舗でも、AIによる提案機能が補完的な案内役を担い、スタッフがいなくても利用者が自分に合ったサプリメントをスムーズに選べる環境を実現する。
美や健康を司る全身の常在菌のケアを提案し、研究開発から販売までを一気通貫して行う、マイクロバイオームに特化したヘルスケア企業。同社は腸内に限らず、広く全身の細菌を整えることで健康になる「菌ケア」を提案する。菌ケアに関する3つの軸で事業を展開し、複数の部位や疾患に対してマイクロバイオーム原料や創薬のシーズを生み出している点が特徴だ。一般消費者向けには、常在菌の知見をもとにした化粧品や健康食品などのプロダクトをヒト・ペット向けに販売するコンシューマーヘルスケア事業を展開する。また、愛犬・愛猫向け「KINS WITH」では腸内フローラ検査やサプリも展開している。
2025年7月には、阿波銀キャピタル(あわぎん未来創造ファンド)を引受先とした資金調達を実施した。
企業HP:https://shimaandco.jp/ja/
SEED-Technology技術を活用したサプリメントを開発、販売している。SEED-Technologyは、栄養補助食品のバルクパウダーを水に溶けやすい硬質材料に変換する。炭水化物、タンパク質、食物繊維などの粉状の栄養素を固形にし、粉末をこぼしてしまうことなく、持ち運びのしやすいサプリメントとなる。オンラインの「Shima OKINAWA」でプロテインラムネやグルテンフリークッキーなどを販売している。
2024年9月には、エリートアスリートと共同開発した新しい機能性プロテインブランド「ローカルヒーロー」の発売を開始した。
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※矢野経済研究所 「健康食品市場に関する調査を実施(2025年)」
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