プラゴ、シリーズAで約8億円調達──EV充電インフラの社会実装と新サービス開発を加速

プラゴ、シリーズAで約8億円調達──EV充電インフラの社会実装と新サービス開発を加速

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EV充電インフラのプラットフォーム事業を推進する株式会社プラゴは、東証プライム上場企業複数社、事業会社、個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施した。今回のシリーズAラウンドによる調達額は約8億円となり、資本準備金等および融資枠を含む累計資金調達額は29億円に達した。

プラゴは、電気自動車(EV)向け充電インフラの開発・設置から、関連アプリケーションやクラウドソリューションまでを総合的に提供している。商業施設やホテルなどへの普通・急速充電器の導入を手がけるほか、EV(電気自動車)・PHEV(プラグインハイブリッド)ユーザー向けには、充電ステーションの検索・予約から決済、空車通知までをシームレスに利用できるアプリ「Myプラゴ」を展開。さらに、企業の充電事業参入を支援するクラウドソリューション「PLUGO OPEN CHARGE LAB」も提供している。

2025年9月には、Hondaと共同開発した新機能を搭載した「& GO™️」を提供開始。充電ケーブルのプラグを差し込むだけで、自動で認証・充電・決済まで完了する仕組みを実現する。また、全国で管理するEV充電器では、2025年6月時点で稼働率99.9%を達成しており、高い運用品質も強みとしている。

代表取締役CEOは大川直樹氏。大手企業でマーケティングや新規事業開発に携わった後、家業である自動車部品メーカー・大川精螺工業株式会社に入社し取締役に就任。2013年には開発体制強化と販路拡大のためメキシコに渡り、現地法人と工場の立ち上げを主導した。その後、2018年にプラゴを創業。EVで家族旅行をした際に充電スポットの不足を痛感した経験が、充電予約システムを軸とした新たなビジネス構想につながったという。

日本のEV充電インフラ市場は、引き続き拡大傾向にある。2023年10月、経済産業省は「充電インフラ整備促進に向けた指針」を策定し、2030年までに充電器設置目標を従来の15万口から30万口へ倍増することを公表した。これは公共用急速充電器3万口を含めたもので、出力能力も現行比で大幅増強が求められている。公共インフラの拡充速度については、日本の公共充電スポットが前年比17%増にとどまり、世界平均成長率33%を大きく下回る状況が指摘されている。主要プレイヤーはカーメーカー系に加え、電力系事業者や新興専業事業者が相互運用性と標準化推進に注力し、e-Mobility Powerによるネットワーク集約やOCPP(Open Charge Point Protocol)対応充電器普及など、シームレスなネットワーク形成が進展している。今後は設置費用・地域格差・運用体制などのボトルネック解消と、サービス利便性・持続可能性のさらなる向上が、EV普及拡大に向けた課題となる。

調達した資金は、EV充電インフラのプラットフォーム展開と関連技術やサービス開発の加速する計画だ。今後、物理的な在車センサーやスマートバリアを活用した予約機能、挿すだけで認証・課金が完了するプラグアンドチャージなどの新たなサービス開発と社会実装に注力し、事業のさらなる成長を目指すとしている。

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