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災害の経験から生まれたリスク情報プラットフォーム SpecteeがE2ラウンドで総額16億円を調達


8月30日から防災週間が始まる。日本では、地震や台風、豪雨などさまざまな自然災害のリスクがあり、個人だけでなく、企業や自治体にとっても災害への備えは重要性を増している。
災害対策は、食料や生活用品を備蓄するといった身近な「備え」にとどまらない。企業にとっては、従業員の安全確保はもちろん、オフィスや工場、店舗などの被害状況をいち早く把握し、事業を継続・復旧するための体制を整えることも重要だ。
さらに、大規模な災害が発生すれば、自社の拠点が直接被災していなくても、道路や物流網の寸断、停電、取引先の工場停止などを通じて影響が広がる可能性がある。サプライチェーンが複雑化するなかでは、自社だけでなく取引先や物流拠点などの被害状況を迅速に把握し、次の対応を判断することも求められる。
自治体においても、被害状況の把握や災害・避難情報の発信、避難所の開設、支援物資の供給など、災害発生時にはさまざまな対応が必要になる。
日頃の建物設備の点検から、災害リスクの可視化、発災直後の情報収集、企業の事業継続やサプライチェーン管理、避難所の運営まで、防災・減災を支える領域は幅広い。本記事では、テクノロジーや新たなサービスによって、こうした課題の解決に取り組むスタートアップを紹介する。

AIを活用した防災・危機管理、サプライチェーンリスク管理サービスを提供する。「危機を可視化する」をミッションに、SNSやニュース、気象情報、人工衛星データ、自動車のプローブデータ、ライブカメラなど多様な情報をリアルタイムに収集・解析している。
主力のAI防災・危機管理サービス「Spectee Pro」は、災害や事故などの危機情報をリアルタイムで解析し、被害状況を地図上などで可視化。自治体の災害対応や企業のBCP、インフラ管理などに活用されている。 また、製造業向けには統合型サプライチェーン・リスク管理クラウド「Spectee SCR」を提供。世界各地の災害や地政学リスクなどを監視し、サプライヤーや製品への影響を分析するとともに、サプライチェーンのつながりを可視化することで、企業のリスク管理や事業継続を支援する。
2026年8月には、いわぎん事業創造キャピタルを引受先とした資金調達を実施。いわぎん事業創造キャピタルが持つ地域ネットワークと被災と復興の経験、SpecteeのAIを掛け合わせたリアルタイム・インテリジェンスの技術、これらを組み合わせて、未来を守る新しい防災・危機管理モデルを創出していきます。岩手から、災害に強く、レジリエントな社会の実現を目指す。
サプライチェーンリスク管理クラウド「Resilire(レジリア)」を開発・提供する。一次取引先だけでなく、その先のサプライヤーまで含めたサプライチェーン情報を収集・可視化し、災害や事故、地政学リスクなどによる供給への影響把握や初動対応を支援する。自動車、製薬、化学などの製造業を中心に、安定した供給体制の構築やサプライチェーンの強靱化に活用されている。
平時にはサプライチェーン全体の構造やリスクを可視化・分析し、有事には発生したリスクと自社のサプライチェーンを照合して影響範囲を把握できる。さらに、生成AIを活用した「Resilire AI Agent」も提供し、サプライチェーンデータと外部情報を統合・解析して、リスク分析や対応策の提示など意思決定を支援している。
企業HP:https://sumaten.co/
建物設備の法令点検に関する業務を一元管理できる「スマテンBASE」を開発、提供する。各拠点の点検進捗や不良箇所などの最新情報をWeb上で可視化し、点検後の報告書の保管・管理にも対応。点検の実施から完了後までを支援する。消防設備点検をはじめとする法令点検の実施・管理を効率化することで、建物の安全性向上や防災・減災にも貢献する。また、多重下請け構造を簡素化し、建物管理者と点検者を直接つなぐことでコストの最適化を図る。現場での点検・工事作業を支援するアプリ「スマテンUP」も提供している。
企業HP:https://www.arcadia.co.jp/
一斉同報サービス「SpeeCAN RAIDEN(スピーキャン・ライデン)」などの、防災・減災ソリューションの開発・販売などに取り組む。SpeeCAN RAIDENは、音声合成ソフトウェアSpeeCAN(スピーキャン)を音声合成エンジンに搭載した、一斉同報のインターネットサービス。文字を入力するだけで、電子メールの配信、合成音声による電話の自動発信、FAXの自動送信、SNSへの配信を一元的に行うことが可能。気象警報やJ-ALERTからの信号と連携することができる。
また、社員やその家族の安否を確認できる「安否確認サービス」や、災害情報の通知やハザードマップなどを見ることができる「防災アプリ Hazardon®(ハザードン)」の開発・提供もしている。加えて、災害時の被害情報や避難所、通行止めなどの情報を地図上で共有・管理できる防災SNS「SpeeCAN Timeline」も提供している。
企業HP:https://shelter-one.co.jp/
災害時の避難所環境の改善を目指し、避難所統合運用プラットフォーム「ShelterOne」を提供する。自治体や企業、災害支援団体などと連携し、従来自治体ごとに運用されてきた避難所について、資機材・人材・運用手順を一体化した標準的な広域支援モデルの構築を進めている。
同社は、トイレ・キッチン・ベッド(TKB)などの資機材を備蓄拠点から迅速に輸送・設営する仕組みを構築し、発災後48時間以内に生活環境の整った避難所を立ち上げる「TKB48」の実現を目指す。自治体職員や企業、災害支援団体などが参加する避難所設営・運営訓練も実施している。イタリアの市民保護システムを参考に、資機材、人材、ロジスティクス、運用ノウハウを組み合わせ、迅速かつ質の高い避難所運営につなげるモデルを、全国各地で実証している。
企業HP:https://www.gaia-vision.co.jp/
東京大学で開発された洪水シミュレーション技術などを活用し、気候リスクの分析や洪水予測に関するサービスを提供する。リアルタイム洪水予測システム「Water Vision」は、最大36時間先までの洪水を予測し、浸水範囲や浸水深を高解像度で地図上に可視化する。自治体による避難指示の判断や、企業のBCP対策、従業員の避難、資産の事前保全などへの活用が可能だ。
また、気候リスク分析システム「Climate Vision」を提供。企業が保有する国内外の拠点などについて洪水リスクを分析できるほか、将来の気候変動による影響や財務への影響も評価できる。製造業や物流業、金融機関などのリスク管理や、サステナビリティ情報開示などを支援している。
2026年6月には、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)より「JAXAパートナースタートアップ」として登録された。JAXAパートナースタートアップは、JAXAとの共創や共同研究により生み出された成果や、JAXAの特許を活用する事業などを行うスタートアップであり、JAXAから各種支援を受けることが可能となる。
企業HP:https://jxpress.net/
株式会社JX通信社は、ビッグデータとAIなどのテクノロジーを活用した報道・リスク情報サービスを展開する企業。法人向けAIリスク情報サービス「FASTALERT」を開発・提供している。
「FASTALERT」は、SNSやWebなどのビッグデータから災害・事故・事件などのリスク情報をリアルタイムに検知・解析・配信するサービスで、全国の報道機関をはじめ、政府・自治体や一般企業などに導入されている。また、ニュース速報や事件・災害情報などを配信する一般消費者向けアプリ「NewsDigest(ニュースダイジェスト)」も手がける。

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