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JAXA認定宇宙ベンチャーの株式会社天地人は、シリーズBラウンドにおいてインクルージョン・ジャパンおよびFrontier Innovationsをリード投資家に迎え、既存株主や新規投資家を引受先とした第三者割当増資により約7億円の資金調達を実施した。これにより、累計調達額は約17億円に達した。
2019年5月に設立された天地人は、宇宙から得られる地球観測衛星(リモートセンシング)データとAI解析技術を融合し、「宇宙視点で人類の文明活動を最適化する」というミッションを掲げる。代表的なサービス「天地人コンパス 宇宙水道局」は、水道インフラの見えないリスクを衛星データで可視化し、自治体への漏水リスクマッピングなどを提供する水道DXソリューションで、2025年7月までに累計契約自治体数は40を超えている。
代表取締役社長CEO 櫻庭 康人氏と、取締役副社長CSTO 百束 泰俊氏(JAXA職員)が共同創業者である。なお、2025年5月には木村紋子氏が新たに取締役兼CFOに就任し、財務・経営管理体制の強化を図っている。櫻庭氏は、美容師を経てインテリア商社やITスタートアップで事業開発に従事。マインドスコープやセンスプラウトの設立・拡大を通じて培った新規事業開発力を活かし、現在は天地人の代表取締役を務める。
櫻庭氏は、「今後も「天地人コンパス 宇宙水道局」の推進に全力を尽くし、日本のみならず世界の水インフラの課題解決へ寄与して参りたいと思います。これからも天地人は宇宙の視点で地球規模の環境問題や社会課題に取り組むことで、人類の持続可能な未来を形作ることを目指して参ります。」とコメントしている。(一部抜粋)
国内では、老朽化する水道インフラや気候変動対応など、衛星データやAIによるインフラ最適化への関心が高まっている。天地人の「社会課題ファースト」の姿勢は、技術ドリブンではなく現場の課題に寄り添うモデルで好評を博しており、すでに9カ国で事業展開し7期目にして黒字化の達成も見込まれているという。
シリーズBラウンドでは、Frontier Innovationsおよびインクルージョン・ジャパンをリード投資家に据え、信金キャピタル、NCBベンチャーキャピタル、SGインキュベート、いわぎん事業創造キャピタル、広島ベンチャーキャピタル、リバネス、リバネスキャピタル、そして既存株主である日本政策投資銀行(DBJ)などが参加した。
今回の資金調達は、サービス開発・機能強化(エンジニア採用やアルゴリズム高度化)、国内外での営業展開、クラウド基盤によるデータインフラ整備、ブランド認知向上などに積極的に充当する方針だ。今後も社会課題への対応を貫きつつ、宇宙視点でのソリューション展開を加速させるとしている。
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