データドリブンな育成が営業のポテンシャルをトキハナツ、経営を高みへ導く組織改革

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KEPPLE編集部

セールスイネーブルメントを軸とした経営コンサルティング事業を展開する株式会社トキハナツが、ミダスキャピタルが運営するミダスファンドによる1億円の出資を受け、2023年2月1日に会社設立したことを発表した。

企業のセールスイネーブルメントを支援

同社は属人的になりがちな営業組織の生産性を、データサイエンスの力で底上げするセールスイネーブルメントの支援を行う。

営業担当者のスキルをレーダーチャートで可視化し、ハイパフォーマーとの比較により不足している因子の把握や、各因子が受注額にどの程度影響しているかなど、営業成果につながる因子を分析していくことも特徴だ。データを基に育成計画を作成するほか、トレーニングプログラムの実施や効果検証まで伴走し、営業組織全体の強化を支援する。

今後は個人の数値をダッシュボード上で可視化することで、目標に沿った営業担当者の育成を促進するだけでなく、育成と売上成長の結びつきを可視化する経営層向けのソフトウェア開発も目指す。

代表取締役社長 梅野 真也氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

求められる営業組織の底上げ

―― セールスイネーブルメントについて教えてください。

梅野氏:セールスイネーブルメントは、営業組織においてハイパフォーマーではなく、大多数を占めるミドルパフォーマーの能力を強化することで、組織全体の底上げを図る考え方です。営業組織ではどうしても各個人の成果にばらつきが出てしまうため、育成を通じて中間層の能力を引き上げ、誰もが一定以上の成果を出せるようにします。

セールスイネーブルメントが注目される背景として、DXのトレンドによりデジタル化の重要性が高まったことや、コロナ禍によりオンラインでの営業活動も増え、営業スタイルに大きな変化が生じたことが挙げられます。

アメリカではセールスイネーブルメント専門の部署を持つ企業やソフトウェアも複数あるなど、セールスイネーブルメントの概念がかなり浸透しています。日本ではまだセールスイネーブルメントの事例も多くないため、日本企業が取り組む際は、まずは外部のコンサルティングを受けながら取り組んでいく企業が多い状況です。

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―― 従来の営業組織における育成にはどのような課題がありましたか?

これまでは各担当者が顧客先に出向いて商談を行い、活動内容は個人で管理するなど、アナログな管理が一般的でした。しかし、それでは営業担当者の活動内容について、上司が正確に把握することが難しく、営業担当者の育成やマネジメントにおいて課題が生じていました。

コロナ禍によりオンライン商談が受け入れられたことで、商談に上司も同席する機会が増え、各営業担当者の活動や商談の内容が見えるようになりました。伸ばすべき能力が見えてくる一方で、従来の「先輩の背中を見て学ぶ」育成がオンラインでは難しいため、最適な育成方法がわからないという企業は多いです。

育成は経営に直結する

―― 創業のきっかけを教えてください。

以前から、テクノロジーの力で人間の能力を拡張したり、人々のポテンシャルを最大限に引き出すことに興味がありました。AIやデータサイエンスの応用が武器になると感じており、これまではデータサイエンティストとしてキャリアを歩んできました。

ゲーム運営を行うマイネットの子会社であるmynet.aiの新規事業立ち上げに関わり、データ分析を中心にコンサルティングを行っていました。その際に、営業マネージャーとして部下を指導する役割も経験しています。

データサイエンティストとしての経験から、データ活用に関するビジネスノウハウを持っていましたが、営業担当者の能力を引き出す方法や個々に適した育成については苦労し、難しさを実感しました。この頃からセールス領域のビジネスには広く関心を持っています。

当社の出資元であるミダスキャピタルは、投資先向けにセールスイネーブルメントの支援をしています。ご縁があってセールスイネーブルメントの取り組みについて話をする機会があり、この時に営業の中間層が底上げされることでビジネスに大きな影響を与えると感じました。これまでのデータサイエンティストとしての経験を活かし、営業組織における育成の体系化に全力で取り組むべきだと思い、トキハナツの設立に至りました。

―― 今後の展望を教えてください。

来年には、クライアントのセールスイネーブルメント支援を通じて、大手企業20社、成長企業100社のコンサルティング実績を目標としています。各業種や業態の営業組織に関するノウハウを蓄積していきます。

こうしたデータを活用することで、営業の能力に合わせて最適な育成方法やロールモデルが提案できるなど、当社の強みであるデータ分析をより活かした提案をします。サービス提供を通じて、3年半後を目安に時価総額500億円程度での上場を目指しています。

今後はコンサルティングに限らず、クラウドサービスなどのプロダクト提供を予定しています。育成の観点では、担当者ごとの成績を数値化してダッシュボード上で可視化し、個人目標達成のためにどのようなアクションが必要か明確化することで、組織全体の実績向上につながるような機能を提供します。

また、営業担当者の成長が、売上の拡大にどう貢献しているのかという視点が重要です。例えば育成進捗率を参考にした売上計画の作成など、経営層が見るべきダッシュボードの機能も提供していきます。

当社はセールスイネーブルメント領域でも、データを活用した価値提供をしている点が大きな特徴です。積極的に採用を強化しており、組織変革の経験があるようなビジネスディベロップメント人材を中心に増員していく予定です。当社の取り組みに共感いただける人材の獲得や事業会社との提携を進めながら、人のポテンシャルを最大化させるという当社ビジョンを実現していきます。

株式会社トキハナツ

株式会社トキハナツは、経営マネメント事業を運営する企業。 同社は、企業の営業組織に向けのマネジメントトレーニングプログラム『トキハナツWAY』を運営する。 『トキハナツWAY』は、対象企業となる社員の因子抽出を行い分析することで、企業に合わせたオーダーメイドトレーニングプログラムを構築する。成果を確認したのち定着化・データ活用することでトレーニング効果の向上が見込まれるという。 そのほか同社は、コンサルティング事業を運営する。

代表者名梅野真也
設立日2023年2月1日
住所東京都渋谷区松濤1丁目29番1号渋谷クロスロード6階
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