関連記事
生物由来テクノロジーで医療を変えるスタートアップ5選


腸内細菌研究に基づいた医療・創薬事業を推進するメタジェンセラピューティクス株式会社は、シリーズBラウンドの3rdクローズにて、あすか製薬、Canon Marketing Japan MIRAI Fund、マツキヨココカラ&カンパニー、メディパルホールディングス、ミライドア、日本ベンチャーキャピタル、フジタ・イノベーション・キャピタル、東海東京インベストメント、グリーンコインベスト投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資により、総額11.9億円の資金調達を実施した。これにより累計調達額は54.6億円となる。
メタジェンセラピューティクスは、腸内細菌研究に基づく医療・創薬でソーシャルインパクトの創出を目指す、順天堂大学・慶應義塾大学・東京科学大学発ベンチャーだ。「腸内細菌叢バンク」を基盤に、腸内細菌叢移植(FMT)の社会実装を進める医療サービス事業と創薬事業を展開し、現在は免疫疾患(炎症性腸疾患)・がん・中枢神経系疾患の領域に注力している。
FMTとは、健康な人の便に含まれる腸内細菌叢を患者の腸に移植し、腸内環境のバランス再構築を狙う治療法である。国内では、潰瘍性大腸炎を対象とした「抗菌薬併用FMT療法」が先進医療Bとして2023年1月から実施され(2025年8月に研究終了)、消化器がんを対象にした「免疫チェックポイント阻害薬+FMT併用療法」の特定臨床研究が2024年8月から、パーキンソン病を対象とした抗菌薬併用FMT療法の臨床研究が2024年9月から進められている。
同社は潰瘍性大腸炎を対象に、経口投与でFMTを可能にする「経口FMT医薬品(MGT-006)」の開発も推進中で、AMEDの令和6年度「創薬ベンチャーエコシステム強化事業(創薬ベンチャー公募)」(第4回)に採択され、「潰瘍性大腸炎治療薬 MGT-006 の開発」の支援を受けている。
代表取締役CEOは中原拓氏。バイオインフォマティクス研究者としてキャリアを開始し、2008年に自身が関わった研究をもとに、北海道大学発ベンチャーを製薬企業と共同で創業。約6年間は米ニュージャージー州でバイオインフォマティクス責任者を務めた。その後、日系大手消費財企業や米系・日系ベンチャーキャピタルで新規事業開発およびスタートアップ投資に従事。2020年にメタジェンセラピューティクスを創業し、CEOとして日本のアカデミア・企業発のマイクロバイオーム医療・創薬シーズの事業化に取り組んでいる。
中原氏は、「2026年はFMT医薬品の臨床開発がついに始まります。また、医療技術の開発も、社会実装に向けて大きな前進の1年になると考えています。昨年、我々にとって要である「献便」という新たな社会貢献活動の認知は大きく広まり、山形県庄内地方の皆様との連携も順調に進んでいます。日本や世界の患者さんに1日でも早く日本発の腸内細菌医療を届けるため、さらに邁進してまいります」と述べている。(一部抜粋)
本ラウンドで調達した資金は、主に腸内細菌医薬品ならびに医療技術の開発加速に充てられる。具体的には、2026年4~6月に潰瘍性大腸炎を対象とした経口FMT医薬品MGT-006の第1相/第2相臨床試験の開始、腸内細菌叢移植療法MGT-001やがん・パーキンソン病を含む各種FMT医療技術の臨床開発推進、「献便ルーム」による腸内細菌ドナー募集・便調達、治験薬製造プロセスの高度化、組織体制とサプライチェーンの最適化、IPOに向けた人材拡充を行う計画だ。
今後は研究開発・事業開発・コーポレートの各領域で人材体制を強化し、腸内細菌医療を患者へ届けることを目指す。
スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ。
1週間分の資金調達情報を毎週お届けします。
※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします
※配信はいつでも停止できます