保育・教育現場のDXを実現を目指すスタートアップ4選

保育・教育現場のDXを実現を目指すスタートアップ4選

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業務負担と人手不足に直面する保育・教育現場──DXの導入が進む背景

日本の保育や教育の現場は、少子化の一方で慢性的な人手不足に直面している。保育士や教員は子どもと向き合う時間以外に、出欠管理、日誌や記録作成、保護者対応といった多くの事務作業を抱えており、長時間労働や離職率の高さにつながっている。こうした構造的課題は、教育・保育の質の向上にも影を落としている。

この状況を受け、近年はデジタル化を通じて現場の業務効率化や情報共有を進める取り組みが広がっている。登降園や出席管理を自動化するシステム、保護者との連絡アプリ、電子化された記録や帳票、学習データの可視化などが導入されつつあり、現場での負担軽減と情報の一元化が進み始めている。

スタートアップによる新サービスも増加しており、既存の仕組みでは対応が難しかった部分に切り込む動きが見られる。小規模施設向けのクラウド型管理ツール、AIによる学習進度の分析、学習教材のデジタル化など、多様な技術が実装段階に入っている。

本記事では、保育・教育現場DXの広がりと、その実装を後押しするスタートアップの動向を紹介する。

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スタートアップ4選

バイザー株式会社

企業HP:https://www.visor.co.jp/

全国の自治体や教育委員会向けに、「Locas」「すぐメールPlus+」「すぐーる」など、多様な情報発信ソリューションを提供し、防災情報配信や情報共有の効率化に貢献している。すぐーるは、学校・家庭・地域を円滑につなぐ教育現場向け連絡システム。全国250以上の自治体で導入され、教職員・保護者の情報伝達をデジタル化し、業務効率化と負担軽減を支援する。

2025年3月には、スパイラル株式会社に株式100%を譲渡した。スパイラルのビジネス基盤と技術力を背景に、新たなリソース・ノウハウを活用して従来以上のサービスを提供する。

株式会社コドモン

企業HP:https://www.codmon.co.jp/

保育・教育施設向けSaaS「CoDMON(コドモン)」を中核に、登降園管理、保育日誌・連絡帳、指導計画作成、保護者とのコミュニケーション支援など、現場業務の効率化を支援する機能を備える。全国1万5000以上の施設、650以上の自治体に導入されている。オンライン研修「コドモンカレッジ」や園児募集・採用支援の「ホイシル」、ECサイト「コドモンストア」、優待プログラム「せんせいプライム」なども展開している。

ユニファ株式会社

企業HP:https://unifa-e.com/

IoTやAIを活用し、保育現場の業務負荷を大幅に削減する総合ICTサービス「ルクミー」や「キッズリー」を展開する。登降園管理、フォト記録、午睡見守り、請求・シフト管理などをパッケージ化し、保育者の時間と心の余裕を創出し、保育の質を向上させることを目指す。既に全国2万件以上の施設で導入され、2023年には経済産業省の「J‑Startup Impact」に選定されるなど、社会的インパクトも高く評価されている。

2025年3月には、ユニファが保育AI「すくすくレポート™」を開発、先行利用施設を募集開始した。保育総合ICTルクミーの「写真・連絡帳・帳票等のデータ」からこどもの育ちを自動でまとめることができる。

株式会社ウェルキッズ

企業HP:https://www.wel-kids.co.jp/

保育園や幼稚園、学童向けに、登降園管理・連絡帳・シフト作成・請求管理などを一括化するクラウド業務支援システム「WEL-KIDS」と、園児の写真を保護者向けに販売できる「WEL-KIDS PHOTO」を提供し、業務効率化と園と家庭のコミュニケーション強化を支援する。

2024年8月には、24時間365日、安心して医療にかかれる機会を提供することを目的として、救急医療プラットフォーム「ファストドクター」を運営するファストドクターと提携を開始した。

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