Luup、44億円を調達──安全対策とエリア拡大でマイクロモビリティ社会実装を加速

Luup、44億円を調達──安全対策とエリア拡大でマイクロモビリティ社会実装を加速

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マイクロモビリティのシェアリングサービスを展開する株式会社Luupは、アイティーファーム、SMBCベンチャーキャピタル、MLCベンチャーズ、Osaka Metro、シン・インフラ ファンド by TOHOGAS、りそなアセットマネジメント、他2社を引受先としたエクイティファイナンスと、三井住友銀行、みずほ銀行、商工組合中央金庫による融資により、総額44億円の資金調達を実施した。今回の調達により累計調達額は約214億円となった。

Luupは、電動キックボードや電動アシスト自転車、電動シートボードなど複数タイプの電動マイクロモビリティをスマートフォンアプリで手軽に利用可能とするポート型シェアリングサービス「LUUP」を展開している。サービスは“街じゅうを駅前化するインフラをつくる”をミッションに、2024年には新たなコミュニティ向けプログラム「LUUP for Community」を開始し、自治体・企業・団体による「LUUP」の地域導入・運営が可能となった。2025年7月には札幌にも進出し、全国の都市部へと拡大。現在、国内15,500箇所以上にポートを展開し、アプリは500万ダウンロードを突破する規模となっている。2025年8月には、年齢や性別を問わず多くの人が使えることを目指した三輪・小型のユニバーサルカー「Unimo」も発表。高密度なポート配置と、多様な車両ラインナップを備えている点が特徴だ。

代表取締役CEOは岡井大輝氏。戦略系コンサルティングファームで上場企業のPMIやプライベートエクイティファンドのビジネスデューディリジェンス業務に従事した経歴を持つ。2018年にLuupを創業し、マイクロモビリティシェアサービスを展開。2019年には業界の安全性向上と社会実装促進を目的にマイクロモビリティ推進協議会を設立し、会長を務めている。

日本におけるマイクロモビリティ市場は、IMARC Groupの調査によれば2024年時点で38億米ドルの規模に達しており、2025年から2033年にかけて年平均成長率(CAGR)15.5%で拡大が予想され、2033年には139億米ドルに到達する見通しである。成長の背景には都市部を中心とした人口密度の高さや都市化の進行、二酸化炭素排出削減など環境負荷低減の社会的要請、加えてバッテリー性能や効率的な電動モーター技術の進化が挙げられる。共用型(シェアード)サービスを含むマイクロモビリティの普及が進み、利用形態は「所有」から「利用」への移行が顕著となっている。また、デジタルプラットフォームやスマートフォンアプリの活用による利便性向上も進展している。また、国内MaaS関連の企業数は増加しており、多様な事業者が電動キックボードや電動自転車、シェアサービスの分野等で事業を展開している。今後の課題としては、高齢者や非テクノロジー層への普及促進、走行ルールやインフラ整備、コスト競争力の確保などが挙げられる。

調達した資金は、安全対策の強化、交通ルール啓発、ポート拡大、サービス改善などに充当される。今後は、短距離移動ニーズへの対応を進めつつ、警察や自治体と連携した安全・啓発活動を一層強化し、展開エリアと車両の拡大を加速していく方針だ。拡大が見込まれるマイクロモビリティ市場において、その動向には一層の注目が集まりそうだ。

画像はLuup HPより

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