訪問看護サービス「WyL」を運営するウィルホールディングスが、約10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回のラウンドでの引受先はDcapitalとグリットパートナーズ、および個人投資家。
全国27事業所で訪問看護サービスを提供。24時間365日体制で小児から終末期まで幅広い患者に対応している。小児経験のある看護師、助産師なども在籍し、0歳からの治療や育児のサポートが可能。また、緩和ケア認定看護師が、がんや認知症、終末期にも対応する。さらに、家自体を提供する「医療ケア住まい」の展開も計画しており、在宅医療の発展に貢献する。
同社は看護師の岩本 大希氏が2016年4月に設立した。岩本氏は大学卒業後、北里大学病院救命救急センターのICUで看護師として勤務し、三次救急の現場で看護師としての経験を積む。在宅医療の重要性を認識し、2012年にケアプロで訪問看護事業を立ち上げた。その後、聖路加国際大学との共同事業や地方創生事業への参画を経て、2016年にWyLを設立。2019年に在宅看護専門看護師を取得し、ウィルグループを立ち上げた。
2020年3月には、患者の状態やケアの状況などを可視化するWyLクラウドを開発。2023年6月には、東海大学、国際医療福祉大学、静岡社会健康医学大学院大学、東京医科歯科大学、東京大学と「訪問看護記録を用いた在宅療養者・家族のプロファイルの特定:後ろ向きコホート研究」の共同研究を開始した。
今回の資金調達とあわせて、ヘルスケア領域のシリアル起業家である志水 文人氏が取締役に就任した。今後は、WyLクラウドのさらなる進化や生成AIを活用した医療事務DXを進め、M&Aを通じて関連事業を拡大し、DX化された次世代型の総合在宅医療企業を目指すという。今回の調達資金は、訪問看護事業の拡大、医療ケア住まいの新規展開、各種DXへの投資に充当する。
画像はWyLプレスリリースより