看護師のキャリア形成を支援、医療業界にLERを広げる

看護師のキャリア形成を支援、医療業界にLERを広げる

  • #キャリアアップ教育
  • #人材育成
  • #転職
  • #ヘルスケア
  • #人材サービス

Startup Spotlight

Supported by

written by

KEPPLE編集部


看護師のジョブマッチングアプリを運営する株式会社thestoryがエンジェル・シードラウンドにて、第三者割当増資による総額1.4億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、GxPartners、ドーガン・ベータ、ケップルキャピタル、メディヴァの4社と個人投資家。

今回の資金調達により、キャリアログ構築のシステム開発を進め、医療分野での事業拡大を目指す。

看護師特化のダイレクトリクルーティング

同社が開発を進めている「/thestory」は、看護師のスキル・学習履歴を見える化するプラットフォームだ。2020年にアメリカでローンチされたLERの概念を、看護師のキャリア形成サポートに導入している。

※LER:Learning and Employment Records。個人の大学等の教育機関の学習データや研修・職業訓練データ(業界認定資格等を含む)、軍事教育データのほか、職務経歴や収入に関する情報を蓄積記録し、個人、教育機関、企業、政府機関の間での共有を目指したデジタルデータ標準である。/経済産業省「第1回 デジタル時代の人材政策に関する検討会」より引用

/thestoryの第一弾となるサービスが、2022年7月にリリースした看護師の採用マッチングアプリ「N/thestory」だ。看護師の保有スキルや学びたいスキルによる医療機関とのマッチングが可能で、ユーザーは無料で利用できる。さらに、医療機関から個別のスカウトメッセージが届くダイレクトリクルーティング機能で、双方が納得のいく転職を支援する。

サービス資料
現在、インストール数は約1,900、看護師の登録者数は700人にのぼる。

今回の資金調達に際して、共同代表 河 京子氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

自分らしいキャリア形成を支援

―― これまで、看護師の転職にはどのような課題がありましたか?

河氏:医療職のみなさんは、資格を保持するために将来にわたって学び続けることが求められます。一方で今後、訪問看護の需要増加や、専門性の高い医療知識が求められることが明らかな中、医療従事者の学習はほとんど自助努力に任せられています。

また、看護業界は就職・転職リテラシーを形成しづらい構造です。超売り手市場にもかかわらず、自分のキャリアを棚卸ししたり、言語化してPRしたりせず、ひとつ内定をもらったら、報酬の条件も確認せず入職・転職してしまう人も多いことは、実は大きな課題です。

退職の理由として、「本当にやりたい看護や医療ができない」ことが多く挙げられます。可視化されたスキルが適正に評価され、適材が適所に配置されなければ、人材不足という課題は解決できません。一方の医療機関側も、転職斡旋会社に高額な料金を支払う以外に、何か他の手段がないか頭を悩ませている状況です。

サービス紹介資料
こういった課題から、私たちは早急にキャリアログの仕組みを医療業界に作り、高齢化社会に立ち向かおうとしています。学ぶ意欲の高い方に対しては学びに対するアクセスを容易にし、転職に関してはこれまでなかった看護師向けのダイレクトリクルーティングを提供することから始めました。

―― 創業のきっかけを教えてください。

共同代表である山本との出会いが大きなきっかけです。

まず私自身は、2013年から代表取締役を務めているWarisの「Live Your Life」というビジョンを、生涯を通して実現したいと思っています。私は、学生時代から、女性、障害を持つ方、LGBTQの方など、マイノリティが自分の生きたい人生を生きられるように、さまざまな足かせを取り除きたいという強い思いを持っています。

山本は在宅医療機関を経営する中で、多くの看護師の採用に携わってきましたが、その過程で採用市場が旧態依然であることや看護師があまりにも正当に評価されていない問題に直面した経験があります。看護師は、今後不足する職種のトップに挙がるほど重宝されているにもかかわらず、ほとんどスポットライトを浴びていません。医療機関も従来型の人材紹介会社などに高額な料金を支払って採用するしかないという悪循環が起きています。

山本と知り合うのと同時期にLERの考え方を知り、山本が「これを日本の医療業界でできたら面白いのではないか」と、私に声をかけてくれました。山本から勧められて多くの看護師さんにインタビューしてみたところ、私が想像していた看護師像や看護師の転職イメージは、実際のそれと全然違うことがわかりました。
サービス紹介資料
転職意欲はあっても、適した媒体がなく情報収集ができない。情報収集したいなら、医師や先輩看護師に聞いて回るしかない状態です。そんなみなさんの困り事を聞いてしまったら、解決しないと気が済まなくなってしまい、私から起業を提案しました。

医療業界にLERを拡大する

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

少しでも早くLERの価値を提供するため、まずはアプリの開発・改修をスピードアップしたいと考え、今回の資金調達に至りました。学習コンテンツの開発、LERの開発、看護師以外の医療従事者向けのダイレクトリクルーティングサービスの開発を予定しています。主な使途は人材採用で、デザイナー、BizDev、エンジニアの獲得を目指しています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

短期的には看護師のダイレクトリクルーティングで、年間成約数を32名規模にするのが目標です。年間のインストール数は約5000、半年ごとの登録者数は約1500名を目指しています。看護師向けの新サービスとして、学びのコンテンツやキャリアログの開発もこの1〜2年で着手したいと考えています。

さらに、今年中には看護師以外の医療従事者向けのダイレクトリクルーティングにも着手し、拡大したいです。来年度中にはLERの開発に着手する見込みです。

また、2027〜2028年頃のIPOを目指しています。その過程で、2025年をめどに医療機関へのLERの提供を検討しています。職員に学びを提供をしたい医療機関側のニーズに応える目的です。さらに、キャリアログは看護師から医師、療法士、薬剤師、技師などへの横展開も想定しています。N/thestoryで採用された方たちの現場での活躍まで支援できれば、エコシステムになると考えています。

誰もが高齢化社会の当事者です。そんな私たちを支えてくれる医療従事者の方々が生き生きと働けなければ、彼らは業界からいなくなってしまいます。高齢化社会を支えるエッセンシャルワーカーの方々がウェルビーイングできるように、高齢化社会の当事者として当社を応援してくださるとうれしいです。

株式会社thestory

株式会社thestoryは、看護師のための採用・転職アプリを開発・運営する企業。 同社は、訪問看護に特化した、看護師と医療機関のマッチングアプリ『N/thestory』を運営する。 『N/thestory』は、本人のスキルや学びたいスキルを理解した医療機関から直接採用レターが届く仕組み。

代表者名山本遼太郎, 河京子
設立日2022年1月4日
住所福岡県糸島市二丈深江731-1
記事一覧
スタートアップの詳細データはKEPPLE DB
KEPPLE DB

Tag
Share
notelinkedInfacebooklinetwitter

Startup Spotlight

supported by

「スタートアップスカウト」は、ストックオプション付与を想定したハイクラス人材特化の採用支援サービスです。スタートアップ業界に精通した当社エージェントのほか、ストックオプションに詳しい公認会計士やアナリストが伴走します。

https://startup-scout.kepple.co.jp/
スタートアップスカウト

新着記事

notelinkedInfacebooklinetwitter
notelinkedInfacebooklinetwitter

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ。
1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

STARTUP NEWSLETTER

投資家向けサービス

スタートアップ向けサービス