デットファイナンスでスタートアップのメインバンクを目指す、株式会社Fivotが総額10億円の資金調達

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KEPPLE編集部


スタートアップ向け融資事業「Flex Capital」などを運営する株式会社FivotがシリーズAラウンドにて、総額約10億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、Angel Bridgeをリード投資家として、株式会社三井住友銀行、SuMi TRUSTイノベーションファンド、SMBCベンチャーキャピタル、SBIインベストメント、新生企業投資、ソニーイノベーションファンド、キャナルベンチャーズ、DEEPCORE、他。

調達した資金は、Flex Capitalの与信判断技術への投資や融資のオペレーションを効率化するシステムのさらなる開発に充て、今後1年間で累計融資額総額50億円を目指すとしている。

デットファイナンスを新たな資金調達の選択肢に

株式会社Fivotは、産業創出を担うスタートアップ向けに「株式発行による調達」と「銀行融資」の間を埋める新たな資金調達の選択肢として、デットファイナンス「Flex Capital」を提供している。

代表取締役の安部匠悟氏は大学卒業後、メリルリンチ日本証券株式会社(現BofA証券株式会社)に入社。同社投資銀行部門の金融法人グループにおいて、主に銀行・保険会社による資金調達やM&Aに関する引受・助言業務に携わった。既存銀行が抱える大規模ゆえの課題を感じ、日本におけるチャレンジャーバンクを創立するために同社を創業。

日本では、一定以上のリスクに対してデットを出すプロバイダはほとんどなく、銀行も手を出しづらいという。そのため、スタートアップ、新興企業向けのデットファイナンス領域がホワイトスペースであることに同社は着目し、デットという形で資金を付け、スタートアップの成長を助ける。

スタートアップ向け法人融資事業のFlex Capitalは、D2C/EC事業者が支払う必要のある請求書を立替払いする「請求書立替」、サブスクリプションビジネスを展開する事業者の将来売上を先取りして実現する「レベニュー・ベースド・ファイナンス(以下、RBF)」、そしてレイタースタートアップ向けの「ベンチャーデット」の3種類のプロダクトを展開している。

従来から基本的な調達手段だったエクイティに加え、政策金融公庫などの利用も一般的になった。しかし、デットファイナンスにはプレイヤーがいるとまだ認知されていないのが課題だという。同社は“草の根運動”として、広報活動を継続していく。

また、起業家側が持つ既存のマインドセットの変化を促す必要があるという。エクイティとデット、双方に関する理解を深め、企業の成長を加速するためのメリット・デメリットを比較検討できる考え方へのアップデートを推進することも課題のひとつだ。 

同社の強みとして挙げられるのは、データドリブンで1~2週間で審査を行う与信モデルだ。今後もさらなる仕組み化・機械化を目指して投資していく。もうひとつは、同社が純粋なデットファイナンスのプレイヤーであること。この点では競合がまだ少ないため、敢えてワラントをつけないデットファイナンスで他社との差別化を図り、事業を伸ばしたいとする。 

※ワラント:一定の期間内に、あらかじめ決められた価格で新株を購入できる権利。「新株引受権」「株式引受権」。

今回の資金調達に際して、代表取締役 安部匠悟氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

スタートアップのメインバンクとしての銀行化が目標

―― Flex Capitalを始めようと思ったきっかけを教えてください。

安部氏:前職の証券会社では、M&AやIPOの引受業務を行う投資銀行部門に所属していました。メガバンクの銀行買収、地銀の統合、保険会社の海外企業買収などといった事例を担当する中で感じた課題があります。日本の大規模な金融機関は、市場が小さくともニーズの強いスタートアップなどに、サービスを柔軟に提供できていないのではないかということです。

海外ではチャレンジャーバンクが次々と立ち上がり、銀行免許を取って開業し、新たなニーズを捉えて新産業の発展に資する銀行本来の役割を果たそうとしています。私は日本でもそういった新しい金融機関、銀行が求められていると考え、証券会社時代の同僚だったCFOの佐保と共同創業しました。


―― 今後の長期的な展望を教えてください。

私たちはチャレンジャーバンクを目指しているので、長期的にはスタートアップのメインバンクとしての銀行化が目標です。ただし、単に「銀行になること」が目的なのではありません。私たちの供給する流動性は今の状態では全然足りず、私たち自身で集められるお金にも限界があります。しかしニーズは非常に強く、産業自体も伸びている。そんな中、当社が銀行になり、責任ある立場でより大きな流動性を供給できるようになることが、産業にとって良いだろうと考えています。だからこそ最終的には、大きなインパクトを与えられる金融機関である銀行になりたいと思っています。

とはいえ、これはとてもハードルの高い話です。そのため、中期的にはベンチャー企業の業種やステージごとのニーズを捉えた商品によって残高を増やし、収益性が保たれる姿を作ることを目指します。

現状、キャピタルのニーズが高まっているのを感じる中で、どうやって資金を集めてくるかが課題です。今回の調達では大手の金融機関に入っていただいて、彼らが持つ巨大な資金の一部を一緒に上手く動かしていくよう取り組みたいと思っていました。今後の協業に関する展望としては、ジョイントベンチャーを作ることや、共同でデットファンドを設立し、国内の金融機関から広く資金を集めて運用し、貸付に回していくことを狙っています。

株式会社Fivot

株式会社Fivotは、スタートアップ向けデットファイナンスサービス『Flex Capital』やスマート積立アプリ『IDARE』を運営する企業。 『Flex Capital』は、売上高の増減に応じて月々の返済額を増減させる資金調達手段であるRBF(売上連動型ファイナンス)を活用し、スタートアップ企業の資金調達をサポートする。 『IDARE』は、ユーザーが目標積立金額を設定し、クレジットカードから自動で積み立てを行えるサービス。 積み立てた残高は、Visaカード対応の店舗やオンラインストアで利用が可能であるほか、毎月の平均保有残高に対しボーナスが付与される。

代表者名安部匠悟
設立日2019年10月3日
住所東京都港区西麻布1丁目3番18号301号室・401号室
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