常在菌を活用した化粧品や健康食品を販売するKINSが、約5億円の資金調達を実施したことを明らかにした。
今回のラウンドでの引受先は、鈴与や楽天キャピタル、パナソニックのCVCなど5社。
腸内細菌のバランスを保ち、腸内環境を整えることで健康や美容効果を得る「腸活」が身近だが、同社は広く全身の細菌を整えることで健康になる「菌ケア」を提案している。
一般消費者向けには、常在菌の知見をもとにした化粧品や健康食品などのプロダクトをヒト・ペット向けに販売するコンシューマーヘルスケア事業を展開。アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患や精神疾患など様々な疾病に対して、マイクロバイオーム(微生物の総体)を活用した医薬品の研究に加え、日本では動物病院、シンガポールでは皮膚科クリニックの運営も行う。
同社は、遺伝子や菌を専門としたクリニックの理事長を務めていた下川 穣氏が2018年に設立した。下川氏がクリニックの経営を務める傍ら、東京大学分子細胞生物学研究所との共同研究に携わり、マイクロバイオームとの出会いをきっかけにKINSが設立された。
2018年の創業開始から6年で、皮膚・腸内・口腔内などマイクロバイオームがかかわる部位を対象に20以上のプロダクトを展開する。累計10万人以上のユーザーに提供してきたという。今回の調達資金は、独自の乳酸菌を活用した事業の推進や研究体制の強化などに充当する。
2024年1月には、菌ケアドリンク「KINS BIO DRINK」の正式販売を発表。2024年6月には、ズー夢アップが運営する渡邊動物病院を事業譲受した。併せて「KINS WITH動物病院 立川院」に名称を変更するなど、動物病院の運営や新プロダクトの展開を進めている。
新たに株主として参画する事業会社とは、販売や輸送・開発などの領域で連携する。楽天グループとは、ECモール店舗を含むBtoC向け事業の拡大に向け連携するという。
画像はKINSプレスリリースより