AIチャットツール「チャネルトーク」のChannel Corporation、資金調達で技術開発を加速
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不動産売買の重説自動作成サービス「smooos」を運営する株式会社MeSHLIFEが、シードラウンドにて資金調達を実施したことを明らかにした。
今回のラウンドでの引受先は、サイバーエージェントキャピタル、クオンタムリープベンチャーズの2社。
今回の資金調達により、PMF達成と、smooosのさらなる機能開発を目指す。
smooosは、不動産売買を主取引とする仲介会社およびデベロッパー向けに、不動産取引における重要事項説明書の作成を支援するサービスだ。
重要事項説明書は、宅地建物取引業者が取引当事者に対して契約上重要な事項を説明する際に当事者に交付する書面だ。契約条件や物件の状態、近隣環境、法的制約などが記載されている。
smooosの導入により、不動産売買取引に必要な行政書類をアップロードするだけで重要事項説明書を自動作成できる。実際の書類作成業務工数を91%削減した事例もあるという。他にも電子契約や社内外への書類共有の機能を備える。
smooosは2023年1月にベータ版として提供を開始。顧客との検証を重ね、さまざまな企業の成約事例や契約書、重要事項説明書の作成方法などのデータを蓄積した。smooosではこれらの情報をベースに、無駄な情報を省いてわかりやすい重要事項説明書を出力する。smooosを通じて同社の重要事項説明書の書式を普及し、不動産業界全体の業務効率化を図る狙いだ。
資金調達の発表と併せ、2023年12月にプロダクトを正式にリリースした。すでに6社が導入しており、2024年には1000人のユーザー獲得を目標に掲げる。
今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 芦沢 吉紀氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。
―― 重要事項説明書の作成に関する課題について教えてください。
芦沢氏:これまで重要事項説明書の作成には、主にワードやエクセルを用いていました。おおよそ20ページにもわたる書類を、事実の照合や精査をしながら作成する必要があるのです。このプロセスは属人的で、社内でもフォーマットやノウハウが分散しているため、新人が取り組むと2、3日かかることも少なくありません。
また、重要事項説明書を作成するためには、約20種類ほどの書類を取り寄せる必要があります。登記簿謄本や都市計画図、ハザードマップ、マンションの管理規約などです。窓口もバラバラで、場合によっては現地に赴いて取得する必要があります。こうした事務作業に時間を取られることで、本来の業務である営業活動の時間が減少してしまいます。
―― なぜアナログな書類作成手法が続いているのでしょうか?
重要事項説明書のデジタル化が進んでいない理由のひとつに、フォーマットが統一されていないことがあります。書式や内容などの厳密な規定がないのです。不動産会社ごとに書き方や文言、条件の記載などが異なり、業界全体として標準化がされていません。
これまで不動産会社向けに提供されていた書類作成ツールを利用する際には、提供元の企業が指定する書式でのアウトプットが基本になります。そのためツールを導入しても自社の書式に合わせた作成ができず、ツールの導入が進んでこなかったのだと考えています。
―― smooosを始めようと思ったきっかけを教えてください。
これまでは、建築の設計やデザインに長く携わっていました。その後、アパレル業界に転職し、仕事をしながらMBAに通っていた時期があります。
MBAで出会う人の中には、AIを研究している人もいて、スタートアップについて話を聞く機会がありました。そこからスタートアップや事業づくりに興味を抱くようになったんです。自ら考案した事業アイデアで、社会にインパクトを与えたいという思いが芽生えたことがMeSHLIFE創業のきっかけです。
最初はアパレル業界の経験を活かして、洋服の製造過程を可視化するビジネスを展開しました。その後事業の転換を決意し、自分自身が最も興味を抱き、経験も豊富な建築や不動産サービスの分野でリサーチやヒアリングを行いました。個人の関心に加え、課題を抱える人も多く、市場も大きな住宅売買に着目することでsmooosの立ち上げに至りました。
―― 資金調達の背景や使途について教えてください。
2022年4月にプレシードラウンドで、クオンタムリープベンチャーズから資金調達を行いました。β版の開発や顧客への仮説検証を進めて事業としての裏付けを得たことで、2024年末までのPMF達成に向けた資金として調達を行いました。
資金の使途としては、エンジニアを中心とした積極的な人材採用とプロダクト開発の強化です。PMF達成へのマイルストーンとしては、1000人のユーザー獲得を目標としています。
―― 今後の長期的な展望を教えてください。
不動産取引を行うのは、不動産会社だけではありません。エンドユーザーの取引体験を高め、効率的で手間がかからない手続きを追求します。さらに、不動産売却の経緯や詳細を明確にし、情報の透明性を高めるなど、重要事項説明書をより分かりやすい形で標準化することを目指しています。
中期では、お客様から信頼されるデータ活用プラットフォームになることが目標です。日本では、年間約133万件の不動産取引が行われています。このうちの20万件程度の取引にsmooosを活用してもらえる状態を少しでも早く実現するよう取り組んでいきます。
現在は、重説の作成に必要な書類はお客様が収集していますが、情報収集の代行を希望する声もあります。こうした顧客の声に耳を傾けながら、事業を進展させていきます。「みらいの不動産取引をつくる」というビジョン達成のために、すべての不動産取引に驚きをもたらすサービスを提供し続けていきたいと思います。
株式会社MeSHLIFEは、不動産売買における契約書類作成・管理業務をデジタル化するクラウドサービス『smooos』を運営する企業。 『smooos』は、売買契約書や重要事項説明書、さまざまな付帯書類をアップロードすることでデジタル化するサービス。また、過去の契約書類の検索を行える。
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