住宅建築DXのマイホム、顧客視点で家づくりの体験を変える

住宅建築DXのマイホム、顧客視点で家づくりの体験を変える

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KEPPLE編集部


住宅建築向け情報管理アプリ「マイホームアプリマイホム」を運営する株式会社マイホムが、第三者割当増資による3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、株式会社ZOZOの創業者である前澤友作氏が設立した前澤ファンド。

調達した資金は、急増する足元のニーズに対応する体制強化および、サービスの拡充に充て、中小工務店の発展に貢献するとともに、ハウスオーナーの住宅体験の向上を目指す。

顧客視点で開発された情報管理アプリ

マイホムは、主に新築で注文住宅を建てるハウスオーナーと工務店をつなぐ情報管理アプリだ。家作りに関わる打ち合わせ資料や図面、資金計画、契約書などあらゆる情報を集約することができる。チャットでのやりとり、工事の進捗確認も全てアプリ内で可能となる。

特徴的なのは、顧客視点でアプリが開発されている点だ。住宅建築に関わるサービスはいろいろと出ていたが、その多くが工務店向けに業務効率化を支援するものだった。注文住宅を建てる場合、契約締結後には約400枚におよぶ書類のやりとりが発生するが、顧客はそれらを自身で書類のまま管理せざるを得なかった。マイホムアプリは必要情報を全て網羅し、ハウスオーナーが漏れや無駄なく情報管理できるサービスとなっている。

アプリはハウスオーナー向けの「マイホム」と工務店向けの「マイホムビズ」に分かれている。マイホムビズは、自社アプリのように活用することができ、契約前の顧客の囲い込みから引き渡し以降のコミュニケーションまで、顧客管理を一気通貫して行うことができる。

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ハウスオーナーは無料でマイホムアプリを利用でき、工務店は利用ID数に応じたサブスクリプションモデルとなっている。5IDで月額30000円から利用可能だ。現在マイホムビズを導入している企業は累計800社を越える。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 乃村一政氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

自身が施主となって気づいた、住宅建築の課題

―― これまで、住宅建築業界にはどのような課題がありましたか?

乃村氏:私は2008年にこの業界に入りました。最初に感じたのは、情報非対称性が非常に激しいということです。お客様にとってはとても高額な買い物で、しかも9割以上の方が初めての経験です。一方、工務店は日々の仕事なので当然専門知識や情報を有しています。そういった情報格差がある中で、お客様は都度重要な判断を迫られます。住宅の購入決定や、ローン契約、一生住む家の図面確認など、大きな決断の連続です。しかし、そのようなやりとりは紙と電話でのコミュニケーションが中心でした。デジタル化が進んでおらず、お客様は膨大なやりとりの振り返りもままならない状況だったのです。

―― マイホムを始めようと思ったきっかけを教えてください。

正直、私自身この業界の当たり前に馴染みつつありました。しかし、2014年に自分の家を建築することになり、初めて自分が施主になったのです。すると、今まで何百棟とお客様の家を作ってきたプロの私ですら、情報が溢れ返って訳がわからない状態になりました。これでは、一般のお客様は絶対に情報を簡便に管理などできないなと思いました。

営業と設計担当者のコミュニケーションについても、当時の建築業界には課題を抱える工務店が多く、そのような問題を解決するアプリやサービスがないか調べたところ、意外にも一つもありませんでした。そこで、マイホムのβ版のようなものを作って、自社のお施主様に提供したところ、便利でわかりやすいと大変喜ばれました。これはおそらく日本で家を作る全ての人にとって価値があるに違いないと考えたのが、事業を始めたきっかけです。

サービス資料画像

住宅IDによる情報管理を当たり前に

―― 前澤ファンドから出資されることになった背景を教えてください。

2020年に設立された前澤ファンドは、「社会貢献意欲」や「挑戦意欲」の高い起業家や団体に対し、出資をされています。前澤さんには以前から事業モデルをご評価いただいていて、立ち上げ時から出資を受けて事業をスタートしています。衣食住の「衣」の新たな文化を作ってこられた前澤さんが、「住」の領域で徹底的に顧客目線を追及する私たちの姿勢に共感してくださったのだと思っています。現在も月に1-2回ミーティングを実施させてもらっています。

―― 資金調達の使途について教えてください。

私たちは、SaaSビジネスを行っていくうえで、収益バランスの指標である「ユニットエコノミクス」の考え方を重要視しています。とにかく黒字化にこだわり、事業を展開してきました。現在のサービス・組織体制において収益性が確立され、ひとつのユニットエコノミクスが完成しました。事業拡大に向けて新しいユニットを増やして、サービスを拡充していきたいと考えています。現在も、毎月数本のPoCを回しています。新たなユニットに必要なビジネスメンバー、開発メンバーの採用を強化し、ビジネスを加速させていきます。

―― 今後の展望を教えてください。

直近の2-3年は、マイホムの進化に注力していきます。家を作るならこのアプリという第一想起を獲得すべく、さらなる付加価値を生み出すためのPoCを実施しています。まずは年間300項目近くの改修と多数の新機能をリリースし、より粘着性の高いサービスを目指します。導入社数は、3年後に4000-5000社くらいを目標にしています。

そして、将来的には住宅をIDで情報管理できる世界を作りたいと考えています。日本には6100万戸の住宅があります。全ての住宅にIDが振られ、そのIDに住宅のさまざまなデジタル情報が付与されていて、番号検索すると、その家の建築確認申請や図面、メンテナンス履歴などもきちんと閲覧ができる、そのような世界を作りたいと思っています。

私たちのビジネスは、注文住宅から始まっていますが、リフォーム領域でも不動産領域でも、住宅の全ての領域でIDによる情報管理を当たり前にしていきたいです。そうすることにより、売買の際もよりスムーズに安心して購入できる環境が整いますし、住まいに限らず暮らしに寄り添うサービスへの発展にもつなげていけると考えています。

全国の工務店と共に顧客視点の価値を創造

私たちは徹底的に顧客視点にフォーカスしてきましたが、顧客の体験価値を高めるにはやはり全国の工務店のみなさんに、若い人たちのライフスタイルに寄り添ってもらわなければなりません。「私はガラケーなんで」と言っているITが苦手な工務店の方々にも、私たちがお客様との情報の架け橋となって、一緒にこの業界を盛り上げていきたいと思います。


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