人とインターネットをつなぐIoB関連のスタートアップ4選【2025年5月更新】

人とインターネットをつなぐIoB関連のスタートアップ4選【2025年5月更新】

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生体・行動データの活用が進むIoB領域

IoB(Internet of Behavior)とは、個人の行動や身体データをインターネットを通じて収集・分析し、それをもとに行動改善やサービス最適化を図る技術領域を指す。

近年、スマートウォッチをはじめとするウェアラブルデバイスの普及により、心拍数、歩数、睡眠状態などの生体データが日常的に取得されるようになった。こうしたデータは、健康管理や生活習慣の把握といった個人単位の利用にとどまらず、企業や自治体によるサービス設計や行動予測にも活用され始めている。

IoBは、ヘルスケア分野をはじめとして、マーケティング、交通、労働環境など幅広い領域に展開が進んでおり、今後の技術基盤として注目されている。

本記事では、IoBを活用し、人とインターネットの新たな接点を生み出すスタートアップ4社を紹介する。

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スタートアップ4選

株式会社enstem

企業HP:https://www.en-stem.com/

生体データを活用してドライバーの事故率削減を目指す「Nobi for Driver」を提供している。Nobi for Driverは、運送業界のドライバーの健康状態を管理し、健康に起因した事故を削減するサービスだ。心拍数や血圧などの生体データを、ドライバーが装着する専用のスマートウォッチで取得し、危険な兆候がないか常にモニタリングする。体調不良や眠気、熱中症などのリスクを検知した際には、ドライバーが装着するデバイスが震えるほか、ドライバーの管理者にもリアルタイムでアラート通知を行うことができる。2024年8月には、国土交通省の令和6年度「過労運転防止認定機器」にも認定されており、補助金対象機器として導入が推奨されている。

そのほか、個人向けの生体データによる健康管理の「Nobi」や、組織パフォーマンスの向上に貢献する「Nobi for Team」も提供している。

2025年2月には、マーキュリア・サプライチェーンをリード投資家として、長瀬産業、既存投資家のICJ2号ファンド投資事業有限責任組合の3社を引受先とした第三者割当増資により、1.4億円の資金調達を実施した。

株式会社グレースイメージング

企業HP:https://www.gr-img.com/

汗中乳酸濃度を測定、可視化できるウェアラブルデバイス「汗乳酸センサ」を開発している。 独自開発のウェアラブルデバイスにより、運動をしている最中に、筋肉への負荷量を示す「乳酸」の濃度を表示することで、その場で連続的に疲労の可視化ができる。疲れの目安を知ることで、過労による事故やスポーツ選手に課される高負荷なトレーニングを防ぐ。

2024年1月には、慶應義塾大学医学部スポーツ医学総合センターの勝俣良紀専任講師、同整形外科学教室の大川原洋樹研究員らと同社の共同研究グループは、常酸素環境と同様に低酸素環境下での運動においても、ウェアラブル汗乳酸センサを用いて汗乳酸値をリアルタイムにモニタリングすることで、簡便に求められる汗乳酸性閾値(sLT)が、嫌気性代謝閾値(AT)(注1)の指標として優れた信頼性・妥当性を有することを明らかにした。

株式会社MamaWell

企業HP:https://mamawell.jp/

妊娠・育児中の女性向けに、パーソナル助産師がオンラインサポートを行うサービス「MamaWell」を開発・運営する千葉大学発のベンチャー企業。MamaWellは、妊娠中の女性に、活動量を測定するためのウェアラブルデバイスを送付し、そのデータに基づいて、個々の生活スタイルや体調に合わせて、最適な活動量を維持できるようにパーソナル助産師がサポートを行う。利用者一人ひとりの状況に応じた適切な情報を提供しながら、身体づくりを中心に継続サポートをオンラインで行っている。

2024年6月には、ANRを引受先とするJ-KISS型新株予約権による資金調達、および千葉銀行からデットファイナンスでの資金調達を実施した。

ViXion株式会社

企業HP:https://vixion.jp/

中心視野がある夜盲症の人向けの電子眼鏡「HOYA MW10 HiKARI」などを開発・販売する。HOYA MW10 HiKARIは、低照度高感度カメラで捉えた像を、明るい映像として目の前のディスプレイに投射する眼鏡タイプのウェアラブルデバイス。暗所や夜間の環境下では、より明るい視界を、視野狭窄の方には、より広い視野を提供する。

見ているものをセンサーで測定し、距離に応じてレンズの形状を瞬時に変化させ、 眼のピント調節をサポートするアイウェア「ViXion01」も開発している。レンズの凹凸を見る距離に応じて変化させることで、近くも遠くも自在にピントを合わせられるオートフォーカスを実現。同社は、眼鏡やコンタクトレンズなどを展開するHOYA株式会社の関連会社として設立された。

2025年3月には、「書く」と「見える」をつなぎ、拡げるための製品開発・販売に向けて、パイロットコーポレーションと資本業務提携を締結した。また、今後両社で革新的な新製品の共同開発、および製品販売を通じた価値共創を推進するため、パイロットコーポレーションを引受先とする3億円の第三者割当増資を実施した。

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