3Dデータ解析のローカスブルー、独自の専用AIエンジンで世界展開を視野に

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KEPPLE編集部


建設業界向けに3Dデータをオンラインで解析できる「ScanX(スキャン・エックス)」を提供するローカスブルー株式会社がプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資と日本政策金融公庫からの融資により約4億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、ジャフコ グループ、DNX Ventures、Angel Bridge、AA ファンド、tb innovations、SBI インベストメント、宮銀ベンチャーキャピタルの7社。

今回の資金調達により、建設業界を始めとする各業界での業務効率化、DXを目指す。

3DデータをWebブラウザで解析

ScanXは、建設業界向けの3Dデータをオンラインで解析できるWebプラットフォームだ。iPhoneやドローンなどの機器で3Dデータを取得し、インターネット接続された汎用PCのブラウザ上で編集・解析できる。

これまで人手が必要だった分類や計測といったタスクを自動化することで、均一な結果と時間の節約が見込める。2020年9月のリリース以来、処理したデータは1万現場を超えた。建設・土木・測量業界を中心に、フリートライアルも含めて約500社に導入されている。

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また、ScanXから同社の独自技術である3Dデータ専用AIエンジンを切り出したのが、このたび発表された「Deep3」だ。今や都市レベルの規模で活用されている3Dスキャンのデータ量は、多いケースでは10TBにも及ぶという。同社は、データ量が数十GB程度に収まるScanXに対して、Deep3を大容量のデータを解析できるサービスと位置付けている。

今回の資金調達に際して、代表取締役 宮谷 聡氏に今後の展望などについて詳しく話を伺った。

目前に迫る3Dデータ適用の義務化が追い風に

―― これまで、建設業界にはどのような課題がありましたか?

宮谷氏:3Dデータを取ることは、専門の機材はもちろん、スマホやドローンでもできるようになりました。ただ、建設業界ではそれを解析するソフトウェアがまだ変わっていません。既存のソフトウェアには数百万円のライセンス料がかかり、専用のパソコンも必要です。そもそも、クラウド化やサブスク、シンプルなUI/UXといった概念がない。全体の95%が中小企業と言われる建設業界では、解析用のソフトウェアは導入費用が高く、使いにくいものなんですよね。

そんな状況の中、2023年4月から国土交通省の方針で、公共工事の現場にBIM/CIM(※)が原則適用されることになりました。これは一連の建設工程に3Dモデルを導入して、建設生産・管理システムの効率化や高度化を図るもので、建設業界においては非常に大きな規定の変更です。

しかし、「もうすぐレギュレーションが変わる」と言われても、重い腰が全然上がらないのが建設業界でした。最近になって、やっとお問い合わせいただくようになったところです。そのような方々に当社のシステムがフィットしたと考えています。ScanXは、国土交通省新技術登録システム「NETIS」に登録され、公共工事で使用すると入札の加点対象にもなります。

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―― 創業のきっかけを教えてください。

私は元々航空宇宙系のエンジニアで、フランスの大学院を出てから現地のエアバス社に就職し、フライトテストエンジニアを務めていました。その後イスラエルのスタートアップで、3Dスキャナをつけたロボットで現場をスキャンする業務に携わりました。軍事的な用途だけでなく大規模な鉱山でも使用されており、3Dデータの面白さを感じたのはそれがきっかけです。

そこでは同年代の人がみんな起業していて、28歳で3社目を経営している人もいました。私は彼らのアントレプレナーシップを見せつけられ、「同じ年齢の自分が、まだ一社も起業していない」と思い、日本に帰国してすぐ何の考えもないまま起業しました。起業して最初の半年ほど、さまざまな業界の方にヒヤリングをする中で、建設業界における3Dデータ活用ニーズの高まりを知り、この事業を始めました。

―― 国内外にScanXの競合となるサービスはありますか?

リリース当時、国内のクラウドサービスはScanXだけでしたが、ここ2年で次々と増えてきました。私たちの技術的な鍵である3Dデータ専用AIエンジンは、当社の他にはまだありません。これが差別化の大きな要素になっています。海外には似たサービスがありますが、3Dデータは新しい領域なので、どこもスタートラインに並んでいる状況です。ここからどうアクセルを踏めば、5〜10年後にこの領域を制覇できるのか。今が大きな分岐点になると思っています。

海外展開で3Dデータ界のGoogleを目指す

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

ScanXは7割の完成度なので、残り3割の機能を拡充することです。具体的には、ユーザーが役所に納品する形になるまで、ScanX上で完結できるようにするのが、大きなマイルストーンです。

そのための使途として、まずはエンジニアをマネジメントする人材の採用です。海外のエンジニアが多く、良いメンバーが集まっているので、バイリンガルでマネージャー経験のある方に来てほしいと考えています。そして、現在いくつか進めているプロダクトの開発費用と、2023年4月のレギュレーション変更前の販売拡大ですね。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

今後は、シリーズA以降に海外展開を考えています。私たちのプラットフォームは元々英語で作っているので、どのマーケットを狙い、どのように販売戦略を立てるかを検討する予定です。

3Dデータは、自動運転用の3Dマップやロボット業界など、建設業界以外でも活用が広がっています。当社の目標は、3Dデータの世界に常に私たちが介在することです。インターネットの裏側にGoogleが介在しているように、ローカスブルーが「3DデータのGoogle」になりたい。これを5年先、10年先に実現したいと思っています。

(※)BIM/CIM:国土交通省 BIM/CIMポータルサイト

ローカスブルー株式会社

ローカスブルー株式会社は、3D点群データをオンラインで解析ができるプラットフォーム『ScanX(スキャン・エックス)』を提供する企業。 『ScanX(スキャン・エックス)』は、「iPhone」やレーザースキャナー、ドローンなど各種機器で取得したデータに対応する。 同プラットフォームは、これまで人手をかけていた分類や計測などのタスクを自動化し、時間を節約、誰でも均一な結果を生み出すことが可能となる。2020年9月にリリースし、建設、土木、測量業界をはじめとする企業に利用されている。 同サービスは、国土交通省新技術「NETIS」に登録されており、公共工事で使用すると入札時の加点対象となる。2021年度には「i-Construction大賞」国土交通大臣を受賞。

代表者名宮谷聡
設立日2022年2月28日
住所東京都渋谷区渋谷1丁目3番9号ヒューリック渋谷一丁目ビル7階617号室
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