3Dデジタルコンテンツの制作を身近に、bestatが挑む質とコストのギャップ

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KEPPLE編集部


AIを活用した3Dデジタルコンテンツを制作するbestat株式会社がシードラウンドにて、第三者割当増資による8000万円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、千葉道場ファンド、ココナラスキルパートナーズ、Open Network Lab・ESG1号投資事業有限責任組合。

今回の資金調達により、生成AIを活用した技術開発の強化を目指す。

3Dモデル作成の工数削減を武器に

同社は、大規模データの演算技術を武器に、3Dデジタルコンテンツの制作を行う東京大学発のスタートアップだ。

写真や動画をもとに3Dモデルを自動で作成する独自のシステムを保有しており、自動で作成された3Dモデルをもとに、人手を介してきれいに仕上げる。作成した3Dデジタルコンテンツは、webサイトやARでの表示用URLなど、あらゆる形式で出力することが可能だ。同社が製作した3Dデジタルコンテンツの事例は、ウェブサイト上で公開されている。

従来、人手がかかっていた3Dモデルの作成を半自動化することで、短期間で3Dデジタルコンテンツの制作を可能とする。

3Dコンテンツイメージ

3Dデジタルコンテンツ制作イメージ


今後は、自社で保有する3Dモデル作成のシステムを外販し、企業が自分たちで3Dデジタルコンテンツの制作を可能とすることを目指す。

今回の資金調達に際して、代表取締役社長 松田 尚子氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

コストに見合わないアウトプットからの脱却

―― これまで、3Dデジタルコンテンツの制作にはどのような課題がありましたか?

松田氏:3Dのデジタルコンテンツは、製造業や物流業に加えて、メタバースやVRの文脈で小売業など、さまざまな業種で活用が進んでいます。例えばジュエリー販売であれば、2Dの写真では表現できない宝石の輝きを3Dでは表現できるなど、3Dであるからこそ顧客に魅力が伝わることもあります。

企業が3Dのデジタルコンテンツを活用していきたい一方で、これまでは価格と制作物の品質が釣り合っていないという課題がありました。

かなりの制作時間を要するにもかかわらず低品質なアウトプットになってしまったり、いざ制作を依頼しようと思っても、想定よりはるかに高額な見積もりを提示されることもあります。

写真や動画から3Dモデルを生成する仕組みやアプリケーションはありますが、最初から想定したアウトプットが生成されることは多くありません。こうした3Dモデルを修正して、高品質な3Dデジタルコンテンツへ手直しできる人材も少ない現状があります。

―― 創業のきっかけを教えてください。

以前は、経済産業省でイノベーション政策に関する業務を担当しており、その中でアメリカに留学した経験があります。その際、アメリカでデータサイエンスやコーディングが流行しており、大学は文系学部でしたが、一から勉強を始めてみました。

日本に帰国した後も関心は変わらず、東京大学に入学し、AIに関連した研究を行う松尾研究室に入りました。結果的に工学系博士号を取得し、当初は経済産業省の業務に役立てる目的で研究をしていましたが、データサイエンスで社会貢献をしたいという思いが強くなり、bestatを創業しました。

創業時は、AIを利用したカメラのデータ分析などを行っており、3Dの画像認識は得意分野でした。3次元の画像データをうまく扱える企業は少ないことから、3Dに特化してデジタルコンテンツ制作も開始し、多くのお客様に楽しんでいただけるようになりました。

誰もが簡単に3Dデジタルコンテンツを楽しめる世界へ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

これまで当社の3Dデジタルコンテンツ制作を開始してから、非常に多くの反響をいただきました。さらに近年は技術開発も進展しており、3Dの分野における生成AIの活用も、学術的な研究として非常に関心が高まっています。こうした状況もあり、いち早く事業として成長させていくため、資金調達を行いました。

具体的には、開発や広報、マーケティングを中心に強化していきます。3Dのデジタルコンテンツは、すでに世の中にたくさん存在する一方で、それがどのような物か知らない企業も多いです。市場を拡大するとともに、マーケティング活動を通じて、多くの企業に3Dデジタルコンテンツについて知っていただく重要性を感じています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

これまで3Dデジタルコンテンツの制作会社として、多くの企業に制作物を提供してきました。今後は自社で利用しているコンテンツ制作の仕組みをプロダクト化し、企業が自分たちで3Dのデジタルコンテンツ制作ができるよう支援していきたいと考えています。

サービスイメージ
すでに一部の企業ではプロダクトを利用いただいており、検証を進めながら、2023年中には正式リリースを予定しています。画像などのインプットをもとに半自動で3Dモデルを作成できるサービスは世界的にもほとんどなく、こうした点は魅力に感じていただけるはずです。

中長期では、企業での3Dデジタルコンテンツ制作を一般化することに加えて、一般消費者にも広げて、SNSなどでも当たり前に3Dコンテンツが使われる世界を目指します。また、3Dデジタルコンテンツに関する課題は、日本に限らず世界でも共通です。すでにアジア圏の企業とは取引もあり、今後は海外への事業展開も検討しています。

3Dのデジタルコンテンツに懐疑的な印象をお持ちの方もいますが、写真から動画が当たり前になったように、今後確実に3Dコンテンツの波が来るはずです。こうしたコンテンツが世界中で利用され、誰でも自分で作って楽しめる日が少しでも早く実現するようサービスを提供していきます。


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