株式会社CORDERが描く、建設業界の効率化により全てのプレイヤーが力を発揮できる世界

株式会社CORDERが描く、建設業界の効率化により全てのプレイヤーが力を発揮できる世界

  • #建設
  • #施工管理
  • #BPO

Startup Spotlight

Supported by

written by

KEPPLE編集部


建築積算代行サービス(※1)「CORDER」を運営する株式会社CORDERが、第三者割当増資による1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、インキュベイトファンド株式会社。

調達した資金は、カスタマーサポートやマーケティング、営業に向けた人材採用および開発に充て、さらなる事業拡大と組織基盤の強化を目指すとしている。

CORDERは建設会社や工務店などの積算分野の人材不足・専門性不足という課題を解消するサービスだ。CORDERが副業で働く会社員や、フリーランス・個人事務所の人材を在宅ワーカーとして業務委託契約する。そうした人材が建設業者に代わって建築積算の業務を行う。CORDERが抱える経験豊富な在宅ワーカーの高い技術力と最適なオペレーションにより、建設業者の工数を減らす。高度人材を採用・育成する負荷もなくし、これまで一部の人材に頼っていた業務を長期的に続けられるようにする。

(※1)積算:設計図や仕様書から材料・数量を拾い出し、建設に必要な工事費の見積もりを算出する業務。

建設業界における積算業務の効率化に挑戦

建設業界には、いまだに元受け会社が下請け会社に業務を発注し、そこからさらに下層の下請け会社に発注が続く「多重下請構造」が残る。過酷な労働環境から若者離れが進み、人材の高齢化と人材不足が深刻となっている。特に見積調達領域は、建設資材が多品種で膨大にあり、50万を超える業者が乱立している中でも、長年変革がされていない。紙ベースでのやりとりなど非効率的でアナログな業務が根強く残っている。

CORDERは、自社スタッフとして働く在宅ワーカーの営業活動や雑務をゼロにする。専門業務に費やす時間と労力を効率化し、安定した高収入や定期的な案件受注の獲得、個人のスキルアップの機会を提供する。スタッフは自由な働き方を実現しつつ、付加価値の高い積算の実業務に専念することができる。一方、建設業者は数量拾いや積算業務にかかる時間と手間を90%削減することが可能となる。また、即戦力人材確保の課題を、高い技術力を持つCORDERのスタッフ活用により解決する。料金は案件により異なり、建築用途と規模から算出している。
サービス紹介資料
サービス紹介資料

同社は、サービス開始から顧客数50社、ワーカー数100名、案件数150件を突破し、既に東証一部上場の大手ゼネコン企業とも複数取引をしている。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 田邊健人氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

スタートアップスカウト

建設調達プロセスのスタンダード化により建設業界を不合理から開放

―― 事業を始めようと思ったきっかけを教えてください。

田邊氏:実は私の実家が工務店で、事業を営む父から建設業界における非効率な作業や課題について色々と聞いていて、改善余地があると感じることが非常に多かったのです。私自身はもともと新卒でコンサルティングファームに入社し、大企業向けにDXを推進していました。業務の効率化や改善が自身の強みと考えており、人々の生活に欠かせないインフラであるにも関わらず、課題が山積する建設業界に着目し、変革に挑むことにしました。

2020年に起業を決意し、事業の立ち上げ前にコンサルの業務改善的なプロセスを踏んでいきました。まず、建設業界のプレーヤー100人以上にヒアリングして端から端まで業務のフローを整理したところ、見積調達業務に大きな課題があることが分かりました。その中でも、積算が一番大変だという声が多く、なおかつ最上流の工程だったのでそこから改善していくことを決めました。建設業界はアナログで属人的であるため情報収集に苦労してきたところもあります。しかし、良いサービスを作る上では現場にいかに耳を傾けられるかが非常に大事だと思っており、ユーザーの声を価値にするというモットーは今までもこれからも大切にしていきたいと思っております。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

建設業界全体の市場規模は約60兆円と言われています。その中で積算市場は約550億円です。さらに受発注から搬入管理、物流、納品など建設調達プロセスの全体をカバーする調達領域に広げると約20兆円規模になります。長期的には、その20兆円の建設調達市場を取りに行きたいと考えています。積算領域で一定のシェアが取れれば今度は受発注領域へ、その次は物流領域へと事業を展開し、会社をスケールさせていく方向で考えています。



そのための具体的なロードマップとして、積算BPO(※2)としてのCORDERの活用を建設調達プロセスのスタンダードとして確立していくことを目指しています。CORDERのサービス提供を進める中で案件数も増え、各社それぞれの数量や物件に関するデータが集まってきました。今後はそれらのデータを活用した、新たなプロダクトを構想しております。

(※2)BPO : Business Process Outsourcingの略称。企業活動における業務プロセスの一部を企画・設計から実施まで一括して専門業者にアウトソーシングすること。

構想の実現に向けて、今年は積算BPOで着実に実績を立て、来年中には次回プロダクトをリリースし、実際に売り上げが立つレベルまでサービスを広げていく予定です。そのために今一番注力したいのは、ワーカーの獲得です。今回調達した資金で求人広告を強化し、2022年3月までに250人(業界No.1)規模の採用を目指しています。積算は非常にプロフェッショナルな業務である一方、現場では賃金が安く、劣悪な労働環境で働いているケースが多くあります。私たちは、プロフェッショナルの方が自由な働き方を実現できるような環境を作っていき、ひいては建設業で働く方々を不合理から解放して、全てのプレーヤーが自分の力を最大限発揮できる世界を目指しています。

株式会社CORDER 採用情報はこちら

株式会社CORDER

株式会社CORDERは、建設業における数量拾い・積算業務の代行サービスを運営する企業。 積算とは、設計図・仕様書から材料や数量を算出することで合計金額を出し、工事費の見積もりを算出する作業のこと。また、積算において主体となる作業を数量拾いと呼ぶ。 同社は、建設業における数量拾い・積算業務を代行し、建設事業者の工数削減や属人化の解決をサポートする。同代行サービスでは、専門スタッフが図面からの数量拾いや、拾い結果の集計・値入、その他周辺に関わる業務全般を行う。

代表者名田邊健人
設立日2021年2月22日
住所東京都渋谷区桜丘町4番17号PORTALApartment&ArtPOINT301
記事一覧
スタートアップの詳細データはKEPPLE DB
KEPPLE DB

Tag
Share
notelinkedInfacebooklinetwitter

Startup Spotlight

supported by

「スタートアップスカウト」は、ストックオプション付与を想定したハイクラス人材特化の採用支援サービスです。スタートアップ業界に精通した当社エージェントのほか、ストックオプションに詳しい公認会計士やアナリストが伴走します。

https://startup-scout.kepple.co.jp/
スタートアップスカウト

新着記事

notelinkedInfacebooklinetwitter
notelinkedInfacebooklinetwitter

STARTUP NEWSLETTER

スタートアップの資金調達情報を漏れなくキャッチアップしたい方へ。
1週間分の資金調達情報を毎週お届けします

※登録することでプライバシーポリシーに同意したものとします

※配信はいつでも停止できます

STARTUP NEWSLETTER

投資家向けサービス

スタートアップ向けサービス