将来宇宙輸送システム、約32億円調達──民間主導の宇宙輸送インフラ構築へ

将来宇宙輸送システム、約32億円調達──民間主導の宇宙輸送インフラ構築へ

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宇宙輸送システムの開発を手がける将来宇宙輸送システム株式会社(以下ISC)は、第三者割当増資による約32億円の資金調達を実施したと発表した。

引受先には、インキュベイトファンド、B Dash Venturesのほか、Angel Bridge、XTech Ventures、ミッドタウン・フロンティア・ファンド、フォースタートアップスキャピタル、あおぞら企業投資、北洋銀行、JALエンジニアリング、NES、愛知産業、アニマルスピリッツなどが名を連ねる。

近年、民間宇宙開発の進展や衛星活用の拡大、防衛関連需要の増大を背景に、宇宙産業への注目は世界的に高まっている。各国で宇宙関連技術への投資や支援が進む中、打ち上げや往還を含む宇宙輸送分野は、将来の産業基盤を支える領域として期待を集めている。日本国内でも、官民連携による技術開発やスタートアップ支援の動きが活発化しており、民間主導で宇宙インフラを担う企業の存在感が増している。

ISCは、「毎日、人や貨物が届けられる世界。そんな当たり前を宇宙でも」をビジョンに掲げ、宇宙往還を可能とする輸送システムの実現を目指す宇宙スタートアップだ。完全再使用型の単段式宇宙往還機(SSTO)「ASCA3」による高頻度宇宙輸送の実現を2040年代の目標に掲げ、現在は再使用型人工衛星打上げロケット「ASCA1」の開発や、有人宇宙輸送システム「ASCA2」の概念検討を進めている。

同社はこれまで、文部科学省の中小企業イノベーション創出推進事業(SBIRフェーズ3)宇宙分野に採択されているほか、宇宙戦略基金事業(第二期)における技術開発テーマ「有人宇宙輸送システムにおける安全確保の基盤技術」にも採択されている。

代表取締役社長 兼 CEOの畑田 康二郎氏は、京都大学大学院エネルギー科学研究科(修士)修了後、経済産業省に入省し、エネルギー・産業政策に従事。外務省出向でEU日本政府代表部・在ベルギー大使館勤務を経て、内閣府宇宙開発戦略推進事務局では宇宙活動法制定や「宇宙産業ビジョン2030」策定、S-Booster創設などを推進した。経産省復帰後はJ-Startupを創設し、退職後はデジタルハーツHDでの経験を経てデジタルハーツプラスを設立。2022年5月に将来宇宙輸送システムを創業し、代表取締役社長兼CEOに就任した。

畑田氏は、「当社に結集した人材やパートナー企業と共に、資金を効率的に活用して速やかに再使用型ロケットを開発して、人や物が当たり前のように届けられる世界を宇宙でも実現してまいります」とコメントしている。(一部抜粋)

今回の資金調達は、こうした宇宙輸送システムの開発を継続的に進めるための経営基盤の強化を目的として実施された。調達額の約7割は新規投資家からの出資で、約4割は事業会社(CVCを含む)による出資となっており、将来的な事業連携を視野に入れたパートナー関係の構築も進めているという。

ISCは今後、民間主導の宇宙開発の実現に向けて、宇宙輸送システムの研究開発を加速させる方針だ。

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