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プリント基板の革新的製法でサステナブルな世界を目指す、エレファンテックが挑む巨大市場


低環境負荷プリント基板(PCB)技術を開発するエレファンテック株式会社は、三菱電機を引受先とするシリーズFラウンドで40億円の資金調達を実施するとともに、事業提携契約を締結した。両社は、同社のプリント基板製造技術「SustainaCircuits」の世界市場での展開と業界標準化に向けた取り組みを進める。
近年、電子機器の普及やデータセンター、EVなどの需要拡大を背景に、プリント基板(PCB)※市場は世界的に拡大している。一方で、製造工程における資源使用量や環境負荷の高さが課題とされており、持続可能な製造技術への関心が高まっている。
エレファンテックは、ナノテクノロジーとインクジェット技術を組み合わせたPCB製造技術「SustainaCircuits」を開発。必要な箇所のみに金属を印刷するアディティブ製法を採用することで、従来の製造方法と比べてCO2排出量を約75%、水使用量を約95%、銅使用量を約70%削減できるとしている。
同社は特に、世界で大きな市場規模を持つ汎用多層基板を主要ターゲットとし、2024年には同分野向けのインクジェット印刷装置や銅ナノインクなどの先端材料を開発。PCBメーカーの量産工程への導入に向けた評価・検証を進めてきた。
代表取締役社長は清水信哉氏。東京大学大学院情報理工学系研究科(修士)修了。2012年からマッキンゼー・アンド・カンパニーで製造業を中心にコンサルティングに従事し、2014年にAgIC(現エレファンテック)を創業。代表取締役社長に就任した。
清水氏は、「エレファンテックは、ナノ材料を用いたプリント基板産業の革新に一貫して取り組んでまいりましたが、事業フェーズの進展に伴い、装置を安定的に量産し、世界中のお客様へ届け、各地で確実に稼働させていくことが一層重要になっています。その中で、プリント基板業界における装置サプライヤーとして重要な地位を占める三菱電機との提携は、当社にとって強力な推進力になると考えております。三菱電機の力も活用し、『SustainaCircuits』を最速で世界に広めてまいります」と述べている。
今回の提携では、エレファンテックの技術と、三菱電機がFAシステム事業で培ってきた装置開発・製造能力、そしてグローバルな顧客基盤を組み合わせることで、PCBメーカー向け印刷装置の製造・販売体制を強化する。
両社は今後、「SustainaCircuits」の導入拡大を通じて、電子部品産業における持続可能な製造技術の普及を加速させる方針だ。
※ PCB(Printed Circuit Board):電子機器の内部で部品同士を電気的につなぐための基板。スマートフォン、家電、自動車、産業機器など幅広い製品に使われている。
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