建設業界の見積もり最前線、人手不足を乗り越える未来への一歩

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KEPPLE編集部


建設業の見積効率化サービスを運営する株式会社GACCIがシードラウンドにて、第三者割当増資による1億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、DGベンチャーズとOpen Network Labの2社。

今回の資金調達により100社以上へのサービス導入や、見積もりに限らない業務効率化のためのサービス開発を進める。

GACCIで建設業の見積業務を効率化

GACCIは、建設業界における見積業務の煩雑さを解消し、効率化を図るためのSaaSプロダクトだ。

サービスイメージ
それぞれがオーダーメイドでプロジェクトごとに必要な作業が異なるため発生する、元請け企業と協力会社の間の見積もりを中心とした事務作業の課題を解決する。具体的には工事の設計書をGACCIで読み取り、元請け企業が設計書の各項目を分割し、それぞれの項目について複数の協力会社にGACCI上で依頼をすることができる。メールで通知を受け取った協力会社は、GACCIのUI上で依頼内容に対して原価の登録を行い、見積もりを送信する。元請け企業はGACCI上で各社の見積もり比較や、工事全体の費用感を確認することで、見積工数の削減やスピーディな意思決定につなげることができる。

サービスイメージ

2023年4月よりサービスを開始し、1年で100社程度への導入を目指す。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 若本 憲治氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

進行する人手不足、業界に必要な効率化

―― これまで、建設業界の見積業務にはどのような課題がありましたか?

若本氏:建設業が他の業界と大きく異なるのは、毎回異なる工事を行うということです。工事をする場所や作るものも異なり、一つの工事に対して非常に多くの企業が関係しています。そのため見積もりをはじめとした事務作業が多く、複雑にまたがっています。

建築工事の見積もりでは、必要な項目も多く、それぞれの項目を材料費や加工の人件費など、細分化して考える必要があります。加えて、一つの工事に対して非常に多くの項目が設計書に存在しており、元請け企業がこれを各協力会社の種類に応じて分割し、適切に依頼をすることには非常に手間がかかります。そのため元請け企業が曖昧な見積依頼を出してしまい、各協力会社が同じ項目に対して重複した見積もりを提示したり、逆にどの企業も特定項目については見積もりを提示しない、といった事態が引き起こされます。

見積業務の課題
建設市場は伸びてきている一方で、人手不足は業界として大きな問題です。労働時間を規制する、いわゆる「2024年問題」により、働き方が制限され、慢性的に人手不足の多くの建設会社にとって深刻な課題となっています。見積業務の効率化など、リソースの有効活用による所得の向上や、働きがいのある環境の提供で、建設業界の魅力も伝えていく必要があります。

―― GACCIを始めようと思ったきっかけを教えてください。

元々私は自動車の中古タイヤ輸出などに携わっていました。その後鳥取でいくつかの企業のM&Aや事業承継を経験し、その中で情報ネットという、鳥取県内で公共工事の入札情報を取り扱う事業を引き継ぎました。ユーザーからのヒアリングを通じて、入札情報自体にニーズがあるというよりは、見積業務が非常に手間がかかって大変だという声を多くいただき、2021年頃に新しいサービスを自社で開発しようと決意しました。

その後は自分でプログラミングを学んだり、アクセラレータープログラムへの参加を通じて事業をブラッシュアップしてきました。実際にGACCIをリリースしてから、大手企業を中心に、本社のある鳥取に限らず日本各地から、想定以上に問い合わせをいただいています。

プレコンストラクション領域への価値提供を通じた業界の牽引

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

4月にGACCIをリリースして、プロダクトがユーザーに提供する価値や品質をこれまで以上に高めていくために資金調達を実施しました。プロダクトを一人でも多くの人に利用していただき、今回の資金調達からしっかりと結果を出していきたいと思います。現在は16名ほどの組織ですが、開発や営業の人員を中心に採用し、1年後には2倍の30名程度の組織規模まで拡大していきます。

―― 今後の展望を教えてください。

これから1年間で、GACCIの導入企業数を100社程度まで増やします。それに伴い、各社のステークホルダーである協力会社を含めたGACCIのサービス利用企業数は3000社程度になる見込みです。

現在は見積業務を中心としていますが、中長期的には受発注や積算など、見積もりと同じく元請け会社と協力会社の間で行われるやり取りといった、設計や施工の間に発生するプレコンストラクション領域に関する課題解決他社のサービスと連携を強化していきたいと考えています。元請け会社と協力会社に限らず、今後は大手ゼネコンや不動産デベロッパーの方々にもお使いいただけるようなサービス開発を考えています。

海外にも同様の課題を感じている国は多く、海外展開も検討していますが、まずは日本の建設業界向けの事業展開を進めます。建設にかかわる業種において、日本が特に細かく分かれているという特徴を持っていることや、日本を支えるインフラの一部としての役割を果たすことが重要だと考えているためです。建設業界は、人手不足などのさまざまな問題を抱えていますが、我々のサービスを通じて課題解決に貢献していくことを目指しています。

株式会社GACCI

株式会社GACCIは、建設業向けの見積もり業務効率化プロダクトサービス『GACCI』を開発・運営する企業。 『GACCI』は、複数社から集約した見積もりデータの管理・平準化などの見積もり業務を最適化する建設業者向けサービス。同サービスは、見積もりする際に図面や内訳書をアップロードし、複数の企業へ一括で依頼しデータ管理することで、企業ごとに異なるフォーマットやデータ形式をまとめるなどの面倒な作業が不要になるという。そのほか、見積もり状況のリアルタイム共有が可能。

代表者名若本憲治
設立日2021年2月2日
住所鳥取県鳥取市湖山町東5丁目368番地
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