役所手続きの体験を一新するSoVa、目指すは国内最大のプロフェッショナルファーム

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KEPPLE編集部


AIを活用したバーチャル会計事務所サービスを運営する株式会社SoVaがプレシリーズAラウンドにて、第三者割当増資による総額約2.3億円の資金調達を実施したことを明らかにした。

今回のラウンドでの引受先は、ジャフコグループ、 Globe Advisors Ventures、イーストベンチャーズなど。

今回の資金調達によりプロダクト開発を進め、2027年までに、業界最大手水準の12000社の顧客獲得を目指す。

バックオフィス業務を効率化するバーチャル会計事務所

同社は、AIなどのテクノロジーと専門家を掛け合わせた、新しい形のバーチャル会計事務所サービス「SoVa」を提供する。税務に限らず、労務や経理、登記をはじめとした、幅広い分野のバックオフィス業務をサポートしている。役所手続きに関するチャットボットへの相談や必要書類の作成といった機能を、24時間いつでも、日本全国どこからでも必要なタイミングで利用可能だ。また、月額9800円から利用できるため、特に創業初期の企業にとってコストパフォーマンスが高いという特徴がある。
サービスイメージ
2021年10月のリリース以降、日本全国300社を超える顧客に利用されており、そのうちの9割が専任の税理士を付けず、SoVaを通じて必要な手続きを行っているという。今後は2027年までに、12000社の顧客獲得を目指す。

今回の資金調達に際して、代表取締役CEO 山本 健太郎氏に、今後の展望などについて詳しく話を伺った。

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煩雑な手続き、増える士業とのコミュニケーションコスト

―― これまで、企業に必要な役所手続きにはどのような課題がありましたか?

山本氏:日本の役所手続きは煩雑です。例えばオフィスの引越し時には、たくさんの書類を作成し、さまざまな機関に提出しなければなりません。手続きのパターンも非常に多く、自分で行うには困難なため、専門家に頼む必要があります。しかし、税理士や社労士の対応範囲がそれぞれ異なり、結果的にコミュニケーションコストが高くなりがちです。

例えば税務調査のような、士業にしかできない業務もある一方で、手続きが煩雑なため、仕方なく士業に相談している業務も存在します。自分たちだけでいつ、どのような手続きが必要なのかを把握することも難しく、仮に税理士を雇うとした際にも、月額3万円程度の費用がかかるため、コスト負担が重いと感じる中小企業も多いです。

日本の役所制度は縦割りになっており、各組織の情報連携の難易度が高く、手続きそのものを簡単にすることはすぐには難しい現状があります、そのため、制度に合わせて迷いなく手続きを進めることができるようなサービスが必要なのです。

SoVaを利用することで、ユーザーは情報を登録するだけで1年間に必要な手続きのスケジュールが分かり、抜け漏れなく進められます。また手続きに必要な書類もわかりやすく、サービス上で作成することができます。税務調査や決算申告など専門知識が必要な場合は、サービスを通じた税理士紹介も可能です。月額9800円から利用できるため、手続きに不慣れな創業期の企業も、すべての業務を専門家に任せるコストを抑えて、必要な手続きを行うことが可能です。

サービスイメージ
―― SoVaを始めようと思ったきっかけを教えてください。

元々会計士として、TACで予備校講師をやっていました。その後、ベンチャー企業に入って2年ほどCFOに近いファイナンス系の仕事をしていましたが、周囲の起業家から、企業の手続きに関連した相談を受けることがあり、同じような質問が多く寄せられることに気づきました。

そんな時、友人から「毎回質問をするのは忍びないので、バーチャル空間にヤマケン(山本氏のニックネーム)が欲しい」と言われ、そのアイデアに興味を持ちました。私の知識を活用し、Q&Aのデータベースを作成することで手続きの効率化を図れるのではないかと考えました。当時はまだこうした構想のビジネスを行っている企業がなく、自らSoVaの開発をスタートさせました。

スタートアップ向けの会計事務所が競合になることがありますが、サービスとして直接競合になるようなプロダクトはまだ存在していません。当社自身をライバルと捉え、より良いサービスを作ることに注力しています。

士業と共存共栄できるサービスへ

―― 資金調達の背景や使途について教えてください。

現在300社を超えるお客様にサービスをご利用いただいていますが、SoVaの世界観をさらに広げ、プロダクト開発を進めるために資金調達を行いました。

プロダクトとして提供したい価値観に対して、現在の完成度はまだ20%程度だと考えています。具体的には、会計ソフトとの連携や給与計算など、バックオフィス業務の機能開発を強化することを通じ、お客様により良い体験をお届けします。お客様からいただいたデータを活用することで、補助金や助成金情報のレコメンドなど、AIと組み合わせたサービス開発も計画しています。

採用については、エンジニアやデザイナーを中心に、セールスやカスタマーサクセスの責任者クラスも強化していきたいと考えています。現在の正社員数は20名程度ですが、1年後には50名規模になることを目指しています。

―― 今後の長期的な展望を教えてください。

当社は、最大のプロフェッショナルファームを目指しています。具体的には、2027年までに顧客数を12000社に増やし、日本中の起業家や経営者に高品質なサービスを届けていきます。

中長期的には、専門知識へのアクセシビリティを高め、安心して挑戦できる社会を作ることを当社ミッションとしています。SoVaのサービスを通じて、税理士や社労士の属人的な知識・経験を誰でもアクセスしやすい形に変え、多くの企業や起業家に届けることが目標です。よりお客様のビジネス成長に資するようなサービスへと進化させていきます。

SoVaが多くの企業に普及しても、士業にしかできない業務は多く、その重要性は変わりません。士業と連携したサービスプランも今後提供し、士業事務所にとってもコスト削減につながり、メリットのあるサービスにしていきます。テクノロジーとの掛け合わせにより、士業の方々と共存共栄できる形を実現していきたいと考えています。

株式会社SoVa

株式会社SoVaは、企業向け会計管理サービス『SoVa』・会計士論文生向け就活アプリ『Porta』を運営する企業。 『SoVa』は、企業向けに税務・経理・登記などを管理できるシステムサービス。同システムは、税理士だけでなく社労士や司法書士など専門分野に関する多様な質問をチャット形式でやり取りできるほか、記載例に沿った入力による書類作成、手続きに関するタスクのカレンダー管理が可能。そのほか、メディアによる情報収集ができるという。 『Porta』は、会計士論文生向け就活アプリで、リクルートイベント情報や法人情報・事業部の情報、特集記事を閲覧できる。

代表者名山本健太郎
設立日2019年9月12日
住所東京都中央区日本橋本町3丁目9番7号ARCCUBE日本橋本町3階
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