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バイオAIで世界トップを目指すCraif──尿検査で膵臓がん早期発見、米国挑戦を宣言


バイオAIスタートアップのCraif株式会社は、シリーズDラウンドで総額約53億円の資本政策を実施したと発表。第三者割当増資により約39億円を調達したほか、約9億円規模のセカンダリー取引を実施し、金融機関からは5億円の融資を受け入れた。今回のラウンドを含め、創業以来の累計取引総額は約142億円に達したとしている。
本ラウンドでは、シンガポールを拠点とするGranite Integral Capitalと、迅速診断キットを手がけるタウンズが共同リード投資家を務めた。このほか、こどもの森、北洋スタートアップ1号ファンド、X&KSK、Unreasonable Group(米国)、Nagase Future Fund1号投資事業有限責任組合などが出資。常陽銀行、東日本銀行、北洋銀行、北國銀行、名古屋銀行、日本政策金融公庫から融資を受けた。
Craifは、尿などの体液からDNAやマイクロRNAといったバイオマーカーを検出する解析技術とAIを組み合わせ、疾患の早期発見につなげる検査の開発を進めている。
主力サービスの一つが、尿中のマイクロRNAをAIで解析する「マイシグナル・スキャン」だ。すい臓がんを含む10種類のがんについて、現在のリスクを評価する。

同社によると、「マイシグナル」シリーズは全国2500以上の医療機関、4700以上のドラッグストア・薬局に導入されている。企業の福利厚生やEC、自治体を通じた利用も広がり、累計利用件数は11万件を超えたという。
国内では現在、すい臓がんの診断補助を目的とした医療機器プログラム(SaMD)の開発を進めており、2026年中の薬事承認申請を予定している。「マイシグナル・スキャン」は、がんのリスクが高い人に精密検査を促す「入り口」としてのリスク評価を行うが、SaMDとして承認されれば、すい臓がんのリスクが高い人を対象として、医師が診断補助として活用できるようになる。
同社が慶應義塾大学などと進めた共同研究では、すい臓がんに関して、早期ステージでも高い検出感度(論文では感度・特異度それぞれ92.9%)を示しており、その成果はLancet系列の医学誌「eClinicalMedicine」に報告されている。非侵襲性、すなわち痛みや身体への負担なく検査できる点も強みとしている。

米国では、2022年に現地法人を設立。2026年4月にはカリフォルニア州サンディエゴに自社運営のバイオAIラボを開設した。すい臓がんの早期発見領域における保険償還を見据え、15州・30の医療機関との連携を進めている。
今回調達した資金は、米国での研究開発や臨床開発、プロダクトローンチに向けた事業開発に充てる。国内では、「マイシグナル」の研究開発・事業開発体制を拡大するとともに、すい臓がんSaMDの薬事承認取得に向けた臨床開発を進める方針だ。
将来的には、国内外で蓄積する尿データと解析技術を基盤に、がんにとどまらず幅広い疾患の早期発見を支援する「尿解析プラットフォーム」の構築を目指すとしている。
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