在外日本人向けサービスを展開するスタートアップ5選

在外日本人向けサービスを展開するスタートアップ5選

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国境を越えてなお“日本人”であること──在外日本人の課題に挑むスタートアップ 

コロナ禍以降、リモートワークやデジタルノマドの浸透によって、「海外に住む」という選択肢がかつてよりも現実的なものとなった。2024年10月時点での海外に長期滞在・永住する在外邦人数は約129万人とされ、増加傾向にある。

一方で、海外在住の日本人が直面する課題は多岐にわたる。子どもの教育、日本語保持、医療や保険、ビザ・居住権、納税・相続、老後の暮らしなど、制度的なギャップと物理的な距離が複雑に絡み合っている。とりわけデジタルネイティブな世代が海外移住を選ぶ中で、従来のサポート体制や日本企業による海外駐在支援の枠組みだけでは対応しきれないケースも増えている。

こうした現実に対応し、在外日本人を主な顧客として新しい価値を提供するスタートアップが静かに増えつつある。デジタル教育、日本語コミュニティ、税務・法律サポート、医療翻訳、デジタル行政支援、越境Eコマース、在外起業支援──アプローチは多様だが、共通しているのは「国境を越えて生きる個人」にフォーカスしている点にある。

本記事では、国や地域に縛られず“日本人であること”を支える仕組みを構築する、在外日本人向けスタートアップの最新動向に迫る。

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スタートアップ5選

YOKUMIRU株式会社

企業HP:https://yokumiru.jp/

海外在住または一時渡航中の日本人向けに、日本人医師によるオンライン医療相談サービス「YOKUMIRU」を提供する。世界50か国以上、350名以上の日本人医師(国内:約130名、海外:約220名)が参加し、24時間いつでも予約・相談が可能(最短12時間後対応)。相談後は内容を記録・蓄積し、サービスとして一貫した健康管理を支援する。WHOのメンタルヘルス方針や外務省の調査にもとづく設計で、海外生活における孤独や健康不安に包括的に対応し、不安を抱える海外在住者に安心を届ける仕組みを構築している。

2025年3月には、外航船船員向け洋上リアルタイムオンライン総合医療サービス「(仮)Maritime Smart Care360」をYOKUMIRUでサポートを開始すると発表した。低軌道衛星通信を活用したリアルタイムのオンライン医療相談サービスで、船員の健康管理を大幅に向上させることを目指す。

a2network株式会社

企業HP:http://www.a2network.jp

海外在住日本人と日系企業向けの通信プラットフォームを提供する。日本語での契約やサポートを備えた携帯サービス「ベリーモバイル」を海外(ドイツ・タイなど)で展開するほか、世界158カ国で利用可能なボーダレスWi‑Fi「スカイベリー®」、QRコード読み取りで即利用可能なeSIM「ベリーeSIM®」、さらには大手3キャリア回線を一台で切り替える通信冗長化ソリューション「スカイベリーpro®」を提供し、国境と障害に強い通信環境を整備している。

株式会社FROM JAPAN

企業HP:https://corporate.fromjapan.co.jp/ja/

2004年設立の日本発越境EC代行企業。Yahoo! Japanオークションの落札代行からスタートし、現在は楽天・メルカリなど国内のECサイト商品に加え、米国eBayやMercari USの商品まで、「One Map by FROM JAPAN」ブランドでグローバルに取り扱う。海外在住の外国人や日本人駐在員に向け、日本にいるのと同じ条件での買い物体験を提供し、多言語サポート(10言語対応)で世界196以上の国と地域にサービスを展開する。

2024年9月には、日本国内のECサイトに訪れた海外ユーザーへ商品の購入を促す「FJ Pop-up!」サービスを、楽天グループ株式会社が運営するフリマアプリ「楽天ラクマ」において連携を開始した。

株式会社SaveExpats

企業HP:https://saveexpats.com/

海外赴任中の日本人およびその家族、派遣元企業向けに提供する「SaveExpatsヘルスケア」だ。自己採血キット配送によるリモート健診(国際郵送検査)とアプリでの迅速結果通知、さらに日本人医師・保健師とのオンライン相談を組み合わせた点が特徴。現地の医療アクセスが難しい環境においても、日本基準の健診体験を提供し、未病や健康不安の解消を実現するソリューションとなっている。

株式会社Medifellow

企業HP:https://medifellow.jp/

海外在住日本人向けに、オンライン診療・医療相談サービス「Medifellow」を提供。33診療科・500名以上の日本人専門医が参加し、10,000件以上の相談実績、140カ国以上で利用されているプラットフォームである。提供内容にはリモート診療、セカンドオピニオン、メンタルヘルスケアが含まれ、法人向けには駐在員の健康管理や医療費削減、BCP対策、福利厚生支援として導入が進む。

2024年2月には、日本人海外留学生・教職員向けプランの提供を開始した。

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※外務省「
海外在留邦人数調査統計

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