キャディ株式会社

製造業向けAIデータプラットフォーム「CADDi」を提供するキャディ株式会社は、シリーズCエクステンションラウンドにおいて、総額40億円の調達を実施した(第三者割当増資)。さらに、長期デットファイナンスにより51億円の融資を受け、総額91億円の資金調達を完了。累計エクイティ調達額は257.3億円に達した。
今回のラウンドでの引受先は、Atomico、SMBC-GB グロース1号投資事業有限責任組合、Minerva Growth Partnersの3社。融資による借入先は、みずほ銀行、北國銀行、日本政策金融公庫など。
同社が提供する「CADDi」は、製造業で発生する図面データや発注履歴、部品情報など、形式や管理方法が統一されておらず、活用しにくい非構造データを収集・整理し、検索や分析が可能な形式に変換するプラットフォームである。これにより、設計や調達の意思決定をデータに基づいて行うことが可能となる。
製造業においては、業務が特定の担当者に依存していたり、拠点や部門ごとに情報が点在していたりするケースが多く、組織全体での知識共有が難しいという課題がある。CADDiは、そうした情報をAI技術によって整理・関連付けし、属人性の解消や業務プロセスの標準化を支援している。
同社は、日本に加え、ベトナム、タイ、アメリカの計4カ国で事業を展開。2024年11月には、名古屋市内に2拠点を同時開設し、国内でのサービス体制も拡充している。
代表取締役の加藤 勇志郎氏は、大学卒業後、2014年にマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2016年にマネージャーに就任し、日本・中国・アメリカ・オランダなどで製造業企業を対象としたプロジェクトを主導した。重工業や建設機械、医療機器など多様な業種において購買・調達改革を支援し、IoTやIndustry4.0領域の立ち上げにも携わる。調達分野における構造的な非効率を抜本的に解決するため、2017年11月にキャディを設立した。
今回調達した資金は、製造業AIデータプラットフォームの機能拡充やAI技術の開発、グローバルでの事業展開の加速に充てられる予定である。さらに、2030年までに年間経常収益(ARR)1000億円規模のグローバルプラットフォームを目指しており、今後も製造業のポテンシャル解放に向けた取り組みを進める方針だ。
画像はキャディ プレスリリースより