【開催レポート】スタートアップワールドカップ2026 東京予選 世界への切符を懸け、10社が競演

【開催レポート】スタートアップワールドカップ2026 東京予選 世界への切符を懸け、10社が競演

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KEPPLE編集部
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世界最大級のビジネス・ピッチコンテスト「スタートアップワールドカップ2026」の東京予選が、2026年7月17日(金)、グランドハイアット東京で開催された。

スタートアップワールドカップは、世界130以上の国と地域で予選が行われる国際的なピッチコンテストだ。主催は、米国シリコンバレーに本社を構え、これまでに米国、日本、東南アジアを中心に300社以上のスタートアップに投資を実施しているペガサス・テック・ベンチャーズ。

今回の東京予選には、約250社の応募の中からファイナリスト10社が登壇。2026年11月にサンフランシスコで開催される世界決勝大会に向け、東京予選代表の座を競い合った。

本稿では、当日のピッチの模様をレポートする。

世界を狙う10社のピッチ

株式会社エンジニアのミカタ

周辺業務を効率化できるAIエージェントとハイスペックなエンジニアをセットで派遣する、AI駆動型のシステムエンジニアリングサービスを提供する。人手とAIを組み合わせることで、エンジニアリング現場の生産性向上を狙う。

2026年5月時点で ARRが50億円を突破したという実績も会場の注目を集めた。

Global Mobility Service株式会社

独自与信モデルと、万が一ローン返済が滞った場合に備えた車両遠隔制御技術を活用し、従来の与信審査を通りにくい人々にも自動車ローンを提供するモビリティ金融サービスを展開する。同社によると、展開4カ国での年間貸倒損失率は1.83%、ファイナンス申込総額は約3700億円となっている。

株式会社アリススタイル

登壇した代表取締役CEOの村本理恵子氏(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)
登壇した代表取締役CEOの村本理恵子氏(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)

「皆さんは冷蔵庫に投資しますか」という一言目で会場の注目を集めた。

家電・家具・医療機器等の高額な生活製品を手軽にお試し・利用できる、初期費用を抑えたサブスクリプション型レンタルサービスを展開する。各製品のレンタル後の汚れの程度、レンタル期間など履歴データを活用し、AIがリアルタイムに消費財の時価を計算。累計432万日分の利用データを活かし、中古市場での残価設定やメーカー向けの製品評価などへ広げるデータビジネスの可能性にも言及した。

株式会社カウシェ

同社が運営する「カウシェ」は、AIフィード型の「発見型EC」アプリである。アプリ内でコーヒーやミニトマトなどの作物を育てて収穫すると実際に商品が届く「カウシェファーム」や、ユーザー同士が商品体験を共有する「みんなの投稿」機能を備える。欲しいものを検索して的確な商品を探す「合理的なEC」とは対照的に、商品との偶然の出会いや、ゲーム感覚の購買体験を押し出しているのが特徴だ。

DAUの半分が毎日訪問し、平均滞在時間は50分と、スティッキーなサービスとなっているという。

株式会社LIFESCAPES

登壇した代表取締役社長の林 正彬氏(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)
登壇した代表取締役社長の林 正彬氏(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)

脳卒中や脊髄損傷による重度麻痺の回復に向け、脳の活動と機器の動きを直接連動させる「BMI(Brain-Machine Interface)技術」を活用し、機能回復を支援するウェアラブルリハビリ機器を開発する。従来リハビリが難しかった重度麻痺の領域に、脳科学からアプローチする。

2024年夏に医療機器として販売開始。全国の施設に販売し、同社によると症例は1500件を超えているという。海外展開も推進しており、現在FDA申請の準備を進めている。

株式会社ファームノート

クラウド型の牛の管理システムやウェアラブルセンサーなどのIoT機器を提供し、データ活用とAIエージェントによる酪農・畜産の生産性向上と経営効率化支援事業を展開する。牛群管理ソフトウェアを通して日本の牛の10%のデータを保有し、プロダクト開発に活かしているという。

JPYC株式会社

登壇した代表取締役の岡部 典孝氏(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)
登壇した代表取締役の岡部 典孝氏(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)

日本円と1:1で交換可能な日本円連動型のステーブルコイン「JPYC」を発行・運営し、ブロックチェーンを活用した決済や送金を効率化する金融インフラを提供する。円建てのステーブルコインという新しい決済・送金基盤を目指す。

株式会社Zehitomo

リフォーム事業者向けに、リード獲得からクロージングまで営業業務を自動化するAIソリューションを提供する。登録事業者は15万社に上る。今後は集客だけではなく、資材の在庫管理なども自動化するプロダクトを開発していくという。

ナッジ株式会社

推しアーティスト・キャラクター等の応援に特化したクレジットカードを提供。カードを使うことで推しを応援することができ、ユーザーはお返しとしてスマホの壁紙などのアイテムをもらうことができる。同一番号で複数カードを発行できる仕組みにより、複数の"推し活"を支援する金融サービスを展開する。「推し活」という消費文化に金融サービスを接続する。

豊実精工株式会社

登壇した代表取締役社長の今泉 亮太郎氏(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)
登壇した代表取締役社長の今泉 亮太郎氏(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)

スマートフォンを含む電子機器の表面処理に用いられてきた六価クロム化合物には発がん性があり、EUでは使用が規制されている。同社は独自のクロムフリーな金属表面処理技術を活用し、環境負荷を抑えながら高い耐久性を実現するコーティングサービスを提供する。環境規制が強まる中、有害物質に頼らない表面処理で差別化を図る。

まとめ

ペガサス・テック・ベンチャーズ 創業者 兼CEOのアニス・ウッザマン氏(左)とカウシェ代表取締役CEOの門奈 剣平氏(右)(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)
ペガサス・テック・ベンチャーズ 創業者 兼CEOのアニス・ウッザマン氏(左)とカウシェ代表取締役CEOの門奈 剣平氏(右)(写真提供:ペガサス・テック・ベンチャーズ)

審査員投票とSNS投票の結果、東京代表に選出されたのは、カウシェ。トロフィーと花束を受け取った代表取締役の門奈 剣平氏は、「B to C、コンシューマーサービスこそが最も国を元気にすると思っています。(世界大会で)優勝してきますので、待っていてください」と述べた。

今回の東京予選では、金融、モビリティ、酪農、医療、環境技術と多彩な10社がしのぎを削った。世界決勝大会は、2026年11月に米・サンフランシスコで開催される。

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