株式会社SiccaNova Therapeutics

創薬ベンチャーの株式会社SiccaNova Therapeuticsは、シリーズAラウンドで総額12.5億円を調達したと発表。第三者割当増資によるもので、東北大学ベンチャーパートナーズ、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、MPower Partners、Red Capital、七十七キャピタル、常陽キャピタルパートナーズが参加した。
SiccaNova Therapeuticsは、口腔乾燥症をはじめとする外分泌腺機能の低下に伴う症状を対象に、医薬品を開発するスタートアップだ。現在は、経口低分子化合物「XF8302」を中心に研究開発を進めている。
口腔乾燥症は唾液の分泌量が減少するなどし、口の中が乾燥する症状で、食事や会話、睡眠など日常生活に影響を及ぼす場合がある。シェーグレン症候群※1に伴う口腔乾燥症では、ムスカリン受容体※2作動薬などが治療に用いられている。一方で、同社によると、発汗や消化器症状などの副作用により、治療の継続が難しい患者もいるという。
XF8302は、「M3受容体ポジティブアロステリックモジュレーター(M3 PAM)」と呼ばれる作用を持つ化合物だ。唾液や涙などの分泌に関わるM3受容体に対し、体内にもともと存在する神経伝達物質「アセチルコリン」の作用を高めることで、外分泌腺の働きを促す。
同社は、従来のムスカリン受容体作動薬とは異なる作用機序により、唾液分泌を促す効果と、副作用などによる負担の少なさを両立することを目指している。
今回調達した資金は、XF8302の口腔乾燥症領域における臨床開発に向けた準備を中心に、製造・品質、非臨床研究、薬事対応、研究開発・事業推進体制の強化に充てる。あわせて、同剤の作用特性を生かし、ドライアイを含む関連領域での治療可能性についても検討を進める方針だ。
※1 シェーグレン症候群:涙腺、唾液腺をはじめとする全身の外分泌腺に慢性的に炎症が起こり、ドライアイやドライマウスなどの乾燥症状が出現する自己免疫疾患。
※2 ムスカリン受容体:神経伝達物質アセチルコリンが結合する受容体の一種で、唾液や涙の分泌、消化管の働きなどに関わる。






