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生体データ活用でドライバーの事故を防止、運送業界の新たな支えに

新型コロナウイルス感染拡大の影響で通販需要などが増加し、物流・運送業界では運送需要が高まった。これにより、以前から存在していた人手不足の問題が一層深刻化しており、特にドライバー不足が進行している。さらに既存のドライバーの高齢化や、業務効率化・自動化の遅れ、長時間労働といった労働環境も問題となっている。
2022年度の宅配便事業、引越事業、航空貨物輸送事業などの物流15業種総市場規模は、前年度比106.2%の24兆3665億円となった。2023年度は、前年度比96.0%の23兆4015億円と見込まれる。※コロナ禍以前の2019年度の水準には戻らず、物量ではなく価格の上昇が要因となっている。
物流・運送業界は、消費者が快適な生活を送るために欠かせない存在であると同時に、EC市場やインターネットサービスの成長により今後ますます拡大すると予想される。AIやDX導入が、課題解決において重要な役割を果たすことが期待されている。
生体データを活用してドライバーの事故率削減を目指す「Nobi for Driver」を提供する。心拍数や血圧などの生体データを、ドライバーが装着する専用のスマートウォッチで取得し、危険な兆候がないか常にモニタリングする。そのほか、個人向けの生体データによる健康管理の「Nobi」や、組織パフォーマンスの向上に貢献する「Nobi for Team」を提供している。
2023年7月には、シリーズAラウンドにてインクルージョン・ジャパンを引受先とした第三者割当増資による、1.3億円の資金調達を実施した。2024年8月にはNobi for Driverが、令和6年度国土交通省の事故防止対策支援事業のうち、過労運転防止のための先進的な取り組みに対する支援事業の対象機器として認定された。
運送事業者向け配車プラットフォーム「AI配車アシスタント LOG」を開発・運営する。AI配車アシスタント LOGは、ドライバーの勤務時間や配送場所、車格などの制約条件にマッチした配車・配送計画を自動作成することができる。条件を入力後、AIが瞬時に計算し数十秒から数分程度で結果を出力することが可能。また、カレンダー機能によりトラックへの荷物の積み置きや、日をまたいだ運送などのスケジュール管理ができる。
2023年1月には、プレシリーズAラウンドにてジェネシア・ベンチャーズを引受先とした第三者割当増資による、8000万円の資金調達を実施した。2024年5月には、過去の運転データと高度なAI分析を組み合わせて、即座に効率的な配車・配送計画を作成する技術のリリースを発表した。
荷主と配送パートナーを直接つなぐプラットフォーム「ピックゴー」を運営する。 ピックゴーは、希望の時間・場所に届けることができる配送プラットフォームだ。定期配送や緊急配送にも対応する。また、宅配業者や運送業者の業務を支援するシステム「スマリュー 」も提供する。
2021年12月には、シリーズCラウンドにて、国内および海外の機関投資家や事業会社を引受先とする第三者割当増資及び大手金融機関からの融資により、総額約60億円の資金調達を実施した。2024年9月時点のピックゴー登録数は、軽貨物配送パートナー5万人以上、一般貨物運送会社パートナーは2000社以上を達成。2024年12月には、配送業務を補助する新サービス「サクッとコース計算」の提供を開始した。
企業HP:https://www.ascendlogi.co.jp/
運送事業者向けの業務管理クラウドサービス「ロジックス」を提供する。ロジックスは、配車計画の作成、段階に応じてステークホルダーごとに必要な書類の出力作業や請求書の作成ができ、管理業務と経営を一気通貫でDXするサービス。また、運送企業向けのDXや戦略まで一気通貫でサポートするコンサルティングサービスも提供している。
2024年8月には、あおぞら企業投資によるベンチャーデットによる資金調達を実施した。2024年12月には、ロジックスの労務管理機能のアップデートを行い、運送業の7割が活用する「変形労働時間制」にも対応できるようになった。
企業HP:https://traevo.jp/
物流サプライチェーン向け業界横断型動態管理プラットフォーム「traevo」を運営する。 traevoは、車両に搭載しているデジタルタコグラフや動態管理サービスから、車両の動態(車両の位置や作業ステータス)情報を車載機器メーカー、サービスを問わず一元的に集約・管理できる。
荷主・物流事業者・着荷主は関係車両の位置やステータスを共有・管理ができ、物流品質向上、安全確保、労働時間最適化などの改善が可能。さらに、災害時の状況把握や支援物資輸送、CO2排出量算出などの活用も目指す。
2022年4月には、鈴与を引受先とする第三者割当増資による資金調達を実施した。2024年5月には、パトライト社の音声対応ネットワーク制御信号灯NHV型と連携を開始した。
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※矢野経済研究所 「物流15業種市場に関する調査を実施(2024年)」
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